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掲載日:2023年12月1日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(神谷大輔議員)

 広告宣伝用自動車、いわゆるアドトラックの規制について

Q 神谷大輔議員(自民

広告宣伝用自動車、いわゆるアドトラックとは、荷台の側面などに広告を掲示し、商品やサービスなどの広告・宣伝を行うトラックで、人目の多い繁華街などを繰り返し低速走行しながら、音声や映像などを併せて街宣活動し、広告業者の間ではアドトラックという呼称が用いられています。
このような宣伝方法は、アーティストの新譜発売や映画の広報、テレビ番組、ウェブサイト、性風俗、パチンコ店など様々に利用されています。その一方で、大きな音での音楽やナレーションをはじめ、キャッチフレーズの連呼や派手な電飾など、公共空間にそぐわない内容のアドトラックに対する苦情は増加している状況のようで、私自身もお見受けすることがあります。
そこで、東京都は、このようなアドトラックの苦情が寄せられたことをきっかけにして、2011年に屋外広告物条例施行規則を改正し、従来は電車、バス、タクシー業界が取り組んできた広告デザインの自主規制を広告宣伝用自動車、いわゆるアドトラックにも求めることとなり、これはアドトラックが公道を走行する際の屋外広告物の許可申請に合わせて、事前にデザイン審査を受ける制度で、東京から指定を受けた公益社団法人東京屋外広告協会のデザイン審査をパスして、審査済みになったことを証する書類の添付がなされなければ、許可を下さない運用をしているとのことです。
東京屋外広告協会のデザイン審査基準は、おおむね次のとおりです。
基本方針としては、1、交通安全に配慮したデザインとすること、2、公共空間にふさわしいデザインとすること、3、街区の景観に配慮したデザインとすること、4、街区のにぎわいに資する洗練されたデザインとすること、5、年齢・性別に関わらず、人々に不快感を与えないデザインとすること、6、社会的弱者に配慮したデザイン及び広告方法とすること。広告の表示内容としては、ア、公序良俗に反しないこと、イ、基本的人権を損なわないこと、ウ、消費者保護の観点から適切な内容とすること、エ、児童及び青少年保護の観点から、適切な内容とすることなどが定められていますが、東京都の屋外広告物の許可を受けるための制度であるため、東京都以外で許可を受けるアドトラックには適用されません。東京都以外で許可を取って、都内に流入する欠陥が指摘されるなど、課題が出ていると伺っています。
また、ニュース報道で、今年9月にある風俗店求人サイトを宣伝するアドトラックが渋谷の繁華街を大音量で走りながら流している許可がキャッチーなメロディーで、小さなお子さんが歌ったところ、お母さんに「歌っちゃ駄目」と止められたが、「どうして駄目なの」と聞き返され、困惑してしまったという記事がありました。また、別の報道ではアドトラックをウォッチしたところ、渋谷のスクランブル交差点付近を1時間かけて見ていると、所沢ナンバーや横浜ナンバーであったとの記事を拝見いたしました。
もちろん、全てのアドトラックの広告手法や内容に問題があるということは申しませんし、企業に広報を含めた活動の自由があることは考慮しなければなりません。しかし、先ほど述べたような形で景観や風紀を乱す状況が一部で生じていることは事実であり、この問題への対策を講じることも私たちの責任であると考えます。
それらを踏まえると、現実に今も県内の業者によって装飾され、運行されているアドトラックが県内をはじめ、近隣都県で迷惑をかけているなら、何かしらの手を打つ対応をすることが必要ではないでしょうか。
そこで、質問をさせていただきます。
まず1点目として、埼玉県において広告宣伝用自動車、いわゆるアドトラックに対する規制はどのように行われてきたのでしょうか。
2点目として、現状についてどのような点が課題であると考えているでしょうか。
3点目として、今後規制を強化していく考えについて、以上を都市整備部長にお伺いします。

A 野川達哉   都市整備部長

まず、埼玉県において広告宣伝用自動車いわゆるアドトラックに対する規制は、どのように行われてきたのかについてでございます。
広告宣伝用自動車は、屋外広告物に該当することから、埼玉県屋外広告物条例などに基づき、良好な景観形成や風致の維持、公衆に対する危害の防止の観点から規制を行っております。
埼玉県屋外広告物条例では、信号機又は道路標識に類似していないかや、蛍光塗料、発光塗料又は反射塗料を使用していないかなどを審査し、許可しております。
議員のお話のとおり、東京都では、平成23年度から屋外広告物条例の運用において、外部団体による広告宣伝用自動車のデザイン自主審査制度を設けております。
これは、東京都自らが審査基準を作って審査を行うものではなく、公益社団法人東京屋外広告協会の「車体利用広告デザイン審査委員会」において1件ずつ審査を受けるものでございます。
また、東京都は、関東のみならず東海地方からも広告宣伝用自動車が流入する状況を踏まえ、平成26年度に都以外のナンバーでもこのデザイン審査を受けられる制度に改正いたしました。
その際に、本県をはじめ近隣各県市に対し、この制度を積極的に活用して欲しいとの協力要請があったところでございます。
これを受けて県では、屋外広告業者にこの制度を周知し、活用を促すため、屋外広告業の登録窓口にチラシを設置するとともに、屋外広告物の許可権限を持つ市町村に協力を依頼いたしました。
このほかにも、騒音に関しましては、埼玉県生活環境保全条例などに基づき、快適な生活を確保する観点からの規制があり、各市町村が指導を行っております。
また、青少年に有害な内容については、青少年の健全な育成を図る観点から、埼玉県青少年健全育成条例の規制の対象となる場合がございます。
次に、現状についてどのような点が課題であると考えているかについてでございます。
屋外広告物法においては、表現の自由の観点から「その適用に際して基本的人権を不当に侵害しないように留意しなければならない」旨を明文化しております。
そのため、屋外広告物の表示内容を法や条例で規制することは難しく、広告主の自主規制に委ねざるを得ない状況であることが課題と考えております。
また、広告宣伝用自動車は、県境を跨いで移動する可能性のある広告媒体であることから、県単独ではなく、広域的な対応が必要となることも課題であると考えております。
次に、今後規制をしていく考えについてでございます。
議員から御指摘のあった、公共空間にそぐわない内容で、景観や風紀を乱している広告宣伝用自動車の走行の多くは東京都内で行われております。
そのため、東京都を中心に近隣他県市とも連携した対応が必要となりますので、関東甲信越屋外広告物協議会など広域的な枠組みの中で屋外広告物の規制のあり方について議論をしてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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