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掲載日:2019年10月17日
Q 山根史子議員(民進・無所属)
昨年4月、私は埼玉県議会議員に初当選を果たさせていただきました。この1年、様々な御相談が私の元へ寄せられました。中でも、結婚に関する御相談をよくお受けいたします。そのほとんどは、相手を探してほしいというものであります。
ところが、先日、結婚を考えている相手からどうやら身元調査をされているとの御相談がありました。相談者は、初めて相手の御両親にお会いしたとき、相談者の出身地や親の故郷、職業までも既に知られており、恐ろしくなったとおっしゃっておりました。最終的に、その方は相手への信頼を失い、自ら身を引かれるという選択をされました。個人情報への取扱いが厳しくなり、また、人権に対する意識も高まってきていると私自身感じておりましたが、いまだにこのようなことがあるということに、とてもショックを受けました。
御存じの方も多いかと思われますが、2011年、プライム総合法務事務所の関係者5人が逮捕された事件は、マスコミでも大きく取り上げられました。これに関連した戸籍、携帯電話、車両等個人情報不正取得で、延べ33人が逮捕され、実刑2人を含めて全員に有罪判決が下されています。判決の中で首謀者の一人は、戸籍、住民票の85パーセントから90パーセントは結婚相手の身元調査であったと証言をしております。その背景には、司法書士や行政書士、行政職員、携帯電話販売員などが関わった不正入手の裏ルートが確立されていたと報じられています。
以前から、戸籍等不正入手の問題は取りざたされてきておりますが、結婚相手の身元調査、振り込め詐欺やストーカー行為等の犯罪に悪用されるなど、戸籍等不正入手は、私たちの生活を脅かす恐ろしい行為です。埼玉県内でも、2006年、土地家屋調査士が職務上請求書を使用し、戸籍謄本や住民票を不正取得。取得した個人情報を基に、誹謗中傷ビラをまくといった事件。また、2007年から2008年にかけて、行政書士が職務上請求書を60枚使い、112件の戸籍等を不正取得する事件がありました。それ以外にも、1995年から2015年の間に、特定の地区に対する市町村への問合せ事件は、私が把握しているだけでも全国で207件、埼玉県内でも8件発生しております。
このような戸籍等不正取得による犯罪や人権侵害から個人の人権を守るための対策として、各市町村の権限で事前登録型本人通知制度が導入されました。埼玉県下においては、全ての市町村が実施しております。しかしながら、その登録者数については、2016年6月末時点で、県民727万9,385人中、5万6,927人とわずか0.78パーセントであります。事前登録型本人通知制度は、戸籍、住民票の不正取得はもとより、犯罪や人権侵害から県民を守り、また、人権問題の啓発としても非常に効果の高い制度だと考えます。
私は、市町村主体であるこの制度を県としても積極的に支援する体制を構築し、登録者の拡大を進めていくべきだと考えます。この件に関しましては、過去にも我が会派の田並議員、水村議員より一般質問等がなされております。議事録も拝見させていただきました。執行部の御答弁は、事前登録型本人通知制度普及については、取組の主体である市町村自らが周知することが必要であるとの内容でした。
そこで、企画財政部長にお伺いをいたします。
事前登録型本人通知制度の住民への普及について、各市町村の取組状況をお伺いいたします。また、戸籍等を不正取得し悪用する犯罪をなくすためには、県が積極的な姿勢で臨むことが求められます。職務上請求書の適正使用について、行政書士会をはじめ各士業に対し県はどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
A 中原健一 企画財政部長
まず、事前登録型本人通知制度の住民への普及にかかる、各市町村の取組状況についてでございます。
事前登録型本人通知制度は、戸籍謄本や住民票の写しなどの不正取得防止などを目的として、本県では全63市町村で実施されております。
しかし、これは法律に基づく一律の制度ではなく、各市町村独自の取組として行われており、そのため、各市町村自らが制度周知しているところです。
各市町村の取組としては、全市町村でホームページでの周知が行われているほか、広報誌への掲載や、チラシやリーフレットの配布などが一般的に行われております。
一部の市町村でありますが、転入手続の機会を捉えて、窓口で制度を案内している団体もございます。
次に、職務上請求書の適正使用について、県はどのように取り組んでいくのかについてでございます。
県では、まず、適正使用を確保するため、埼玉県行政書士会が開催する研修会などの機会を通じて、直接会員の行政書士に対して周知しております。去る7月4日の研修会でも説明を行ったところです。
行政書士以外の士業につきましても、関係団体等に対して職務上請求書の適正使用の一層の徹底を図るよう要請しているところでございます。
また、職務上請求書の不適切な使用があった場合には、県として厳正に対応しております。
これまで行政書士法に規定する業務とはいえない、他の士業の業務に用いる目的で、行政書士として職務上請求書を使用したことや、職務上請求書を繰り返し不適切に記載して、戸籍謄本等を取得した事案がございました。
これらに対しましては、県として業務停止処分を行ったところでございます。
県としては戸籍等の不正取得を防止するため、今後とも埼玉県行政書士会等と連携し、取り組んでまいります。
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