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ページ番号:225024
掲載日:2022年11月12日
9月定例会の一般質問は、9月29日から行われました。15人の議員が質疑・質問を行い、活発な論議が行われました。
齊藤邦明 |
平松大佑 |
萩原一寿 |
杉田茂実 |
白根大輔 |
前原かづえ |
阿左美健司 |
金野桃子 |
渡辺 大 |
小川直志 |
安藤友貴 |
永瀬秀樹 |
細田善則 |
岡地 優 |
神尾高善 |
※議員の氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。
※ 全質疑質問・答弁の全文をご覧になりたい方はコチラ(別ウィンドウで開きます)へ。
巨大地震から県民を守るには「自助、共助、公助」を有機的に機能させる必要がある。しかし、最近は近隣の状況がわからず、個々の防災意識と知識を高めることが重要。東大阪市の要支援者名簿の運用や東京都の防災啓発冊子全戸配布のような積極的な取り組みが必要ではないか。
地震の備えを「モシモ」ではなく「イツモ」の生活で取り組む「イツモ防災事業」を実施し、自助の普及啓発を行っている。また「防災マニュアルブック」を作成し、ダウンロードできるようにしている。防災意識高揚への取り組みを続け、地震に強い埼玉県の実現を目指す。
災害や事故の多様化・大規模化などの環境変化に対応するため消防の広域化が必要と考えるが、現状について伺う。また、広域化に至らなくても、県の広域化推進計画のブロック分けと異なる、消防機関相互の連携や協力も進め、消防力を強化できると考える。所見を伺う。
平成20年の当初計画策定から県内3地域で広域化が実現し、36あった消防本部は現在27になった。組織の統合までいかなくても事務の連携・協力を深めることは県内消防力の強化につながる。広域化のブロックを超えても、効果的で積極的な取り組みをサポートしていく。
用語解説「消防の広域化」
市町村が消防事務(消防団の事務を除く)を共同して処理することまたは市町村が他の市町村に事務を委託することにより、スケールメリットを生かし消防体制を強化すること。
県北部の地域が元気を失っていくことに強い危機感がある。また、近年の常識を超える自然災害の猛威、デジタルツールの急速な浸透の観点から、行政機関の配置は既成概念を捨て見直される時期に来ている。行政機関の分散について、これまでの検討と現在の考えを伺う。
現在3分の2以上の行政手続がオンラインに対応、約6割の会議・研修でオンラインを活用する。さらなるDXの進展で、県民にとっての「行政機関」は大きく変化すると見込まれ、ゼロベースで検討しているところ。さまざまな外部環境の変化に対応できる行政機関をつくりたい。
県内の過疎地域では、人口流出と超少子高齢化による急激な人口減少が進行している。このままだと今後、ライフライン、社会資本の維持も困難となり、さまざまな課題が一気に顕在化する。県として過疎から生じる問題をどのように認識し、どのような方針で対応していくのか。
過疎地域では、地域社会を担う人材の確保や地域経済の活性化などが喫緊の課題と認識している。一朝一夕の解決は難しいが、令和3年策定の県過疎地域持続的発展方針に基づき、生活産業基盤の整備や移住・定住の促進などの施策により、持続的な発展に向けて取り組んでいく。
条例の成立を受け、LGBTQの方々からパートナーシップ宣誓制度導入の期待が寄せられている。導入の決意を伺う。また、医療機関での手術の同意、DV被害者相談、里親制度など、LGBTQの方々も対象であることをHPなどで分かりやすく周知することについて伺う。
パートナーシップ宣誓制度の導入は現時点では考えていない。同性パートナーの手術の同意の周知については県HPに掲載し、医師会にも働きかける。DV被害者相談、里親制度については引き続きHPで周知する。これからもLGBTQの方々の困難の解消に努める。
動物愛護法の改正により、令和4年6月から犬猫販売業者に対し犬猫へのマイクロチップの装着と登録が義務化され、装着された犬猫を購入した一般飼い主は、登録情報の変更が必要となった。さらなる普及推進のため、制度の周知と正しい理解に向けた啓発をどのように行うのか伺う。
法改正前からSNS、イベントなどを通じ、マイクロチップへの正しい理解を深めてもらう情報を発信しており、本県登録数は令和3年度末で24万9184頭と全国第3位である。今後もさまざまな機会を活用し、制度の内容の周知とマイクロチップ装着への理解促進に取り組む。
早期発見・早期治療により、がんは治せる病気となっている。がん治療と仕事の両立支援を多角的に進めるべき。企業経営者への啓発を行い、コロナで電話相談だけになった相談体制に対面やオンラインも加え、がん治療のためのハンドブックを作成・配布すべき。見解を伺う。
従業員ががんと診断された経営者には配慮事項など基本的情報が不足している。経営者の理解促進や啓発に積極的に取り組む。相談体制については、対面やオンライン導入を速やかに検討・実施したい。冊子は国作成のものを活用し、交流会など身近な情報は県HPに掲載する。
2025年には65歳以上の5人に1人が認知症を発症するとされ、認知症対策は大きな課題。MCI段階で取り組めば、健常に戻る可能性が高まり、将来かかるコストが下げられる。MCI段階での支援の重要性を周知し、取り組みが進むよう検討してほしいがどうか。
認知症の発症を遅らせ、進行を緩やかにするには早期発見・早期対応が重要。そこで、電話相談窓口を設け、かかりつけ医に認識を促すとともに、認知症初期集中支援チームが疑いのある人に対応している。市町村と連携してMCI段階の重要性についてさらに広く周知していく。
用語解説「MCI」
健常者と認知症の中間にあたる、Mild Cognitive Impairment(軽度認知障害)のこと。認知機能に問題が生じているが、日常生活に支障がない状態のこと。
県はモデル事業として戸田翔陽高校に不登校生徒支援教室「いっぽ」を開設し、戸田市と連携して不登校対策に取り組む。市では、「ぱれっとるーむ(※)」の設置やメタバース(仮想空間)での学びなど先進的な取り組みを進めるが、県立高校や他市町村へ展開すべきでは。
児童生徒の多様な教育機会の充実に向け、戸田市とは広く連携していくこととしており、取り組みの成果については県立学校の不登校対策に活用していく。他市町村にも「いっぽ」の実践研究の成果と併せて情報提供を行い、展開を促進するなど不登校対策を推進していく。
用語解説「ぱれっとるーむ」
戸田市の不登校対策の一環として、不登校傾向のある児童等の居場所を確保し、早期の支援につなげることを目的に、小学校内に設置された。
教員の勤務状況改善には業務を削減するしかないが、教員個人にそれを求めても困難と考える。個人の努力ではなく仕組みを作ることが重要で、それは教育委員会の担うべき業務である。例えば通知表の簡素化やダブル担任制など、業務負担軽減の仕組みについて所見を伺う。
市町村教育委員会や学校に超過勤務縮減のため10の取り組みを求めている。また、部活動の朝練習や朝マラソンなどを原則行わない、通知表の所見欄をなくすなど仕組みの見直しを小中学校に示している。当然に行われている業務も積極的に見直し、業務削減を強力に推進していく。
今年9月、静岡県の認定こども園の送迎バスに置き去りにされた子どもが熱中症で死亡する大変痛ましい事故が起きた。人員配置の増員補助、安全装置やセンサーの設置補助などの対策も必要だと考える。保育所、幼稚園など送迎バスの置き去り防止対策について県の考えを伺う。
今回の事故は必ず行われるべき安全管理上の確認がなされなかったため発生した。人為的なミスを防ぐ安全装置やデジタル技術も活用し、重層的に園児の安全確保を図るべきと考える。効果的な事例の情報提供や横展開も検討し、同様の事故が二度と発生しないよう対策を講じる。
世界規模で人口が急激に増加し続けている。どこの国でも食料安全保障は最優先の課題だが、大きな壁となるのが農業の2025年問題だ。団塊の世代が全て75歳以上となり、新規就農者も増えていかない。この問題をどう捉え、どのような手段で解決していくのか。所見を伺う。
農業者の高齢化対応として、スマート農業や作目転換で労力軽減を図り、今後の農業生産維持に向けて、法人化や農地中間管理事業(※)による農地集約を進める。また新たな担い手確保育成に向け「明日の農業担い手育成塾」で就農を支援し、企業の農業参入も推進する。
用語解説「農地中間管理事業」
リタイアする農業者の農地や地域内で分散している農地などを農地中間管理機構が借り受け、基盤整備などを実施し、担い手がまとまりのある形で農地を利用できるよう貸し付ける事業のこと。
用語解説「明日の農業担い手育成塾」
市町村、農協、農業委員会、県農林振興センターなどが一体となって技術研修・農地の確保・資金相談などを行い、自立農業経営を目指す新規就農希望者が希望地で就農できるよう支援する制度。
化学肥料の高騰を受け、下水処理過程で生じた汚泥を肥料に転換する事業が注目されている。化学肥料と比較し相当安価で、海外に依存しない循環型農業につながる。また、処理コストの削減、CO2の削減も図れる。本県でも庁内で連携し、積極的に取り組むべき。所見を伺う。
さまざまなメリットが期待でき、下水汚泥の肥料化にチャレンジしたい。まずは県北地域で試験製造を実施し、庁内で連携を深めながら、安全性や効果の検証、農家へのアピールなどを進める。結果を踏まえ、本格的な肥料化施設の導入も検討し、循環型農業の実現に貢献していく。
今回の補正予算でEV(電気自動車)など電動車への補助を計上している。CO2排出量削減はさることながら、非常用電源の確保に使え、災害時のレジリエンス機能を強化するという観点から必要である。補正だけで終わらせるのではなく継続的に支援していくべき。
令和元年の台風15号による大規模停電で電動車を非常用電源に活用した事例がある。今回の補助制度では、外部給電機能を備える車両を対象とし、災害時の自治体への協力を補助要件とした。継続的な支援については、事業効果や県民ニーズなどを見極めつつ検討していく。
用語解説「レジリエンス」
困難な状況でもうまく適応する能力のこと。災害対策においては、「災害対応力」と同義で使われる。
自転車を使った観光・サイクルツーリズムは、比較的平坦で多彩な魅力を持つ本県の特性を活かせる。健康や脱炭素社会構築にも寄与し、地域愛にもつながる。県内外の利用者数など指標を設定し、PDCAサイクル(※)で推進すべき。また、サイクルツーリズムツアーを実施すべき。
本県の観光振興策として自転車の有効な活用策を研究し、具体的な事業を構築していきたい。その上で有効な指標設定も検討していきたい。また、受け入れ態勢の整備や魅力ある企画にできるかなどの課題を踏まえ、サイクルツーリズムツアー実施の具体的な方策を検討する。
用語解説「PDCAサイクル」
行政政策や企業の事業活動にあたって計画から見直しまでを一貫して行い、さらにそれを次の計画・事業に生かそうという考え方。具体的には、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4つのプロセスを繰り返す。
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