環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究評価の取組 > 令和2年度第1回研究評価 > R02第1回審査会コメント1/研究課題(温暖 R02-R04 埼玉県における高温の出現状況)

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掲載日:2023年1月11日

 環境科学国際センター研究課題(温暖化対策担当/R2~R4)

  埼玉県における高温の出現状況の気候学的解析およびモニタリング体制の確立

(温暖化対策担当:大和、武藤、原、本城/R2~R4)

 埼玉県は夏の暑さが厳しいことで知られ、熱中症発症リスクの低減を図る上で暑熱環境をモニタリングしてくことは重要です。熱中症発症リスクを低減するためには高温の発生状況の実態把握が必要であり、高温の原因として(1)フェーン現象、(2)海風の内陸への侵入の遅れが指摘されています。しかし、現状では観測データの空間密度が小さいこともあり、どこで、どのくらいの高温が、どれくらいの頻度で生じているのかは必ずしも把握されているわけではありません。そこで、本研究では、暑熱環境のモニタリング体制の確立と高温の出現状況を統計的に解析して、発生要因を解明することを目的とします。

《研究の概要》(PDF:308KB)

 

令和2年度第1回研究審査会コメント

研究課題

埼玉県における高温の出現状況の気候学的解析およびモニタリング体制の確立

研究審査会コメント

  •  単に埼玉県にとって重要というだけでなく、今後世界的に大きな課題になっていくトピックであり、重要な課題です。ヒートアイランドとしての側面で考えると、人工排熱や自然の熱収支の解析、さらに海風との関係など、気候学的な視点が重要であるが、それと同時に、熱中症という観点に立つと、人間の生理機構が大きく関与する問題です。本課題では、こうした効果が暑さ指標の導出という形で行われる計画になっています。本成果では、高齢化率が高い北部・西部地域が問題になると予想されます。将来の課題として、一歩踏み込んで医療体制等との兼ね合いといった視点にも繋げていくと、非常に有用な提言にもつながる課題です。
  •  百葉箱で収集したデータを通信機器によりリアルタイムでデータを収集する仕組みはよいです。しかも、安価な装置と高精度の機器との組み合わせで、工夫の余地が感じられます。
  •  今回の発表において、埼玉県全域からデータ取得が可能になっていました。今後、県内の発症リスクを解明するうえで基盤の情報となっており、将来性が見込まれます。
  •  暑熱環境のモニタリング体制の充実自体は明らかに社会的な有用性を有しているが、それをいかに熱中症リスク評価に活かしていくのか、その際の社会的因子を考慮するためのツールや体制はどのように確保していくのか、といった、この研究の守備範囲の外側にあたる部分との関係についても、研究を進める中で明確化していく必要があります。それにより、本研究の付加価値が大きく変わるものと想定します。
  •  近年の、気候変動適応にも大変重要なテーマといえます。観測データまでは計画通り進捗すると想定されるが、気象モデル等との対応は、実測データとモデルの整合性など、予想通りとならない場合も十分想定し、研究期間内に、最低限、どこまで達成可能かということも考えて実施することが望まれます。
  •  熱中症罹患を気象パラメータのみで説明・予測しようとするのはやや無理があると思いました。将来的には本研究結果を組み込んで、社会経済的側面やmicroenvironment要因の寄与も考慮に入れたよりよいモデルを構築されることを期待しています。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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