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掲載日:2024年6月26日
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埼玉県下水道局では流域・公共、県・市町村・組合という立場を超え、下水道事業の現状、課題について共通認識を持ち、今後の対応方法を研究、検討していく場として平成28年11月に「埼玉県、市町村、(公財)埼玉県下水道公社による下水道事業推進協議会」(通称:三者協議会)を設立し、運営しています。
日本の総人口は2008年をピークに減少に転じており、人口減少社会を迎えています。下水の使用量に応じた下水道使用料を収益の柱としている下水道事業にとっては、今後経営環境が厳しさを増すことが予想されます。
また、そのような環境の変化の中で、改正下水道法(平成27年11月施行)には下水道管理者同士の広域的な連携を促進し、効率的な施設整備を行うことを目的に、新たに「協議会」の規定が設けられました。下水道管理者同士が連携して困難な時代を乗り越えていくことを示唆しており、国が下水道事業の広域連携を後押しするものです。
本県の下水道普及率は平成28年度には80.3%に到達し、今や下水道は生活に必要不可欠なライフラインとなっています。しかし下水道を取り巻く環境が厳しさを増す中、限られた人員や財源で必要な下水道サービスを供給していくためには、県、市町村、下水道公社が一層の連携を進めていく必要があります。
下水道を取り巻く環境の変化や国からの後押し、県内の状況を踏まえ、今後下水道事業を将来的に安定的に供給していくために、県内の下水道事業の現状、課題について共有し、共通する課題を広域的に取り組む場として「下水道事業推進協議会」を設立しました。
設立に当たっては、建設や維持管理の現場を有し、これらに関する経験・ノウハウを有する県下水道局が中心となり、協議会を運営しています。
また総務省から公営企業会計の適用が要請されている中、協議会が各自治体の公営企業化に向けた取組の一助となっています。
各自治体の現状や課題に即し、効果的な協議が行えるよう協議課題ごとに分科会を立ち上げ、課題解決に向けて検討を進めています。
・処理水量の分析と今後の見通し
・公営企業会計における積立金の活用
・下水道使用料水準の見直しに係る共通材料の作成
・訓練を共同で実施し、課題や解決方策を共有
・下水道BCPをブラッシュアップし、県・市町・組合の連携を強化
・災害対応体制の強化や円滑な受援体制の構築
・市町村への技術支援
・農業集落排水施設の接続等広域化の推進
・共同処理化の一層の推進
災害復旧の広域支援体制の構築 | ||
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取組 | 県、下水道事業を実施している県内全市町・組合、公益社団法人日本下水道管路管理業協会による「災害時における埼玉県内の下水道管路施設の復旧支援協力に関する協定」の締結 | |
ポイント | 被災時に市町・組合単独では下水道管路施設の被害に対して十分な応急対応を実施できない場合に(公社)日本下水道管路管理業協会に対し復旧支援の要請が可能となる。
また、広域的に被災した場合、県が支援要請の窓口となることで窓口が一本化され、効率的な復旧支援が可能となる。 |
実践的な災害訓練の継続 | ||
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取組 | 災害時対応の実効性を高めるため、県、下水道事業を実施している県内全市町・組合、事業者等による訓練を毎年度実施 | |
ポイント |
例年の実動訓練に加えて、平成30年1月には図上訓練を初めて実施。下水道対策部の運営や他機関への支援要請に加え、広域応援の受け入れも含めたシナリオを用意し、参加者に事前に示さずに訓練を実施した。 |
下水道BCPの共有 | ||
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取組 |
県と市町・組合の間で、下水道BCP(業務継続計画)の改正内容等に係る意見交換を実施 |
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ポイント | 情報共有により県・市町・組合のBCPのブラッシュアップにつながっている。 |
下水汚泥の共同処理 | ||
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取組 | 単独公共下水道で発生する汚泥を流域下水道の処理場で受入れ、焼却処理を実施 | |
ポイント |
流域下水道にとっては焼却施設の稼働率の向上、新たな収入の確保、単独公共下水道にとっては汚泥処理費用の低減、新たな汚泥処分先の確保が実現。流域下水道事業の経営・施設の効率化及び単独公共下水道事業の負担軽減へとつながった。平成30年4月から3市・組合との間で共同処理をスタートさせた。 |
農業集落排水施設の公共下水道への接続(広域化) | ||
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取組 | 流域関連市町で所管する農業集落排水施設の流域関連公共下水道への接続に関して、関係機関との協議を実施 | |
ポイント |
県にとっては処理水量の増量につながり、関連市町にとっては施設改築費用の削減につながる。 平成32年度の接続実施を目標に事務を進めていく。 |
取組 | 下水道施設の維持管理に関する知識・経験を有する下水道公社が、技術面で市町・組合の支援を実施 | |
ポイント | それぞれの市町・組合の実情に応じたきめ細やかな支援が可能となるとともに、公共下水道に係る維持管理業務の効率化・適正化が図られる。 |
様々な取組が実施されていく中で、着実な成果や連携の深まりによる構成員同士の距離が縮まり、協議会は「共通課題を認識し、対応方法を研究、検討する場」から「広域連携のためのプラットホーム」へと進化しています。
今後、より実効性の高い広域的な訓練や汚泥の受入団体の拡大等の取組を進め、さらなる広域連携を深めていきます。
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