ページ番号:18855
掲載日:2023年3月17日
ここから本文です。
平成22年~平成24年に食中毒事件は3416件発生しており、「肉類及びその加工品」を原因食品と判断した事件は207件でした。このうち、肉の生食が原因と疑われるものは99件(48%)と約半数を占めています。中でも鶏肉の生食による食中毒事例が最も多く、次いで牛レバー、鶏レバー、牛肉、馬刺し、豚レバーとなっています。病因物質としてはカンピロバクターが最も多く、腸管出血性大腸菌、サルモネラがあります。
カンピロバクター
腸管出血性大腸菌(O157、O26、O111等)
サルモネラ
予防方法
カンピロバクターと腸管出血性大腸菌は、生肉の喫食を原因とした食中毒で発生件数が多く、幼児の重症化事例が発生して問題となっています。どちらも少量の菌で発症するため予防が難しく、調理器具を介して他の食材を汚染した2次汚染による食中毒事例もあります。
食中毒予防の3原則は「つけない、増やさない、やっつける」ですが、もともと食肉には、食中毒細菌が存在しうるため、「つけない」は難しいです。また、「増やさない」ために早めの調理・喫食が大事ですが、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌は少量でも発症するため、安全にお肉を食べるためには十分な加熱により「やっつける」ことが最も重要となります。
食鳥肉や食肉の生食・加熱不足を原因とする食中毒に気をつけましょう!
野生のイノシシの肝臓、シカ肉を生で食べたことが原因と考えられる感染が国内で報告されています。感染事例はありませんが、豚やめん羊、山羊もE型肝炎ウイルスを保有していることが知られています。
特徴
予防法
通常の加熱調理を行えば感染性がなくなります。
生シカ肉を介するE型肝炎ウイルス食中毒事例について(E型肝炎Q&A)(厚生労働省ホームページ)
ザルコシスティス・フェアリー
ザルコシスティス・フェアリーは馬などの筋肉内に寄生する寄生虫の一種です。人に寄生することはありませんが、この寄生虫に感染している馬刺しなどを喫食することで食中毒症状を発症することがあります。
特徴
予防法
-20℃で48時間以上もしくは-40℃で18時間以上の冷凍で病原性がなくなります。
トキソプラズマ
トキソプラズマは寄生虫の一種で豚などの哺乳類・鳥類に寄生しています。この寄生虫に感染した食肉を生で喫食することで感染する恐れがあります。健常者が感染した場合は無症状で終わるか、軽い風邪様症状ですみます。しかし、妊娠中の女性がトキソプラズマに初めて感染した場合、死産および自然流産だけではなく、胎児に精神遅滞、視力障害、脳性麻痺など重篤な症状をもたらす可能性があるます。妊娠中の女性は生肉の喫食は控え、充分に加熱調理をしてから食べてください。
平成24年7月から、牛の肝臓(レバー)を生食用として販売・提供することは禁止しています。販売されている牛のレバーは加熱用ですので、必ず中心部まで加熱してから喫食してください。
厚生労働省が実施した「平成24年度食品の食中毒汚染実態調査」によると、牛レバー(加熱加工用)からカンピロバクター(約16%)、サルモネラ(約2%)が検出されています。また、ごく一部ですが腸管出血性大腸菌O26も検出されているため、生で喫食しないでください。
生食用牛肉(内臓を除く。)に罰則を伴った「規格基準」と「表示基準」が定められ、平成23年10月1日から施行されています。施行後は、これらの基準に適合しない生食用の牛肉は販売・提供できません。違反した場合は、罰則が適用されることがあります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください