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掲載日:2022年6月10日

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定例記者会見の知事発言内容(6月10日)(テキスト版)※抜粋

最初に、今月の2日並びに3日、埼玉県北部地域を中心に発生をした降雹と大雨により被害を受けられた皆様に対し心よりお見舞いを申し上げたいと思います。3日の朝には、私も上里町、本庄市、訪れさせていただき、被害状況をつぶさに確認をさせていただきました。今後、被害の状況を踏まえ、県としても速やかに必要な対策を講じることといたしたいと考えております。

それでは私の方から今日は2点ご報告をさせていただきます。まず1点目となりますけれども、令和4年6月定例会付議予定議案についてご説明をさせていただきます。今回、令和4年6月定例会を、6月17日に召集をすることといたしました。今定例会に提案する議案は16件となります。内訳でありますが、「令和4年度埼玉県一般会計補正予算(第1号、第2号)」の予算2件、「職員の定年等に関する条例等の一部を改正する等の条例」や、「埼玉県学校設置条例の一部を改正する条例」等条例11件、専決処分の承認が1件、訴えの提起が2件となっております。他に報告事項といたしまして、予算の繰越報告8件、公社等の経営状況報告19件等の計34件、上の議案と合わせ、全体で50件となっております。今回提案する、補正予算(第1号及び第2号)の規模は、27億4,975万1千円で、補正後の累計額となりますが、2兆2,312億875万1千円となります。4月26日に、国の関係閣僚会議で、「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』」が決定をされ、緊急かつ機動的な対策を実施することとなりました。国の経済対策に対応をし、埼玉県といたしましても、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価高騰による県民生活及び県経済活動への影響を最小限に留めるため、影響を受ける生活者及び事業者に対する、当面緊急に対応すべき事業に加え、脱炭素社会に向けた省エネ・再エネ設備投資の促進のための事業等について、予算を編成いたしました。なお、このうち低所得のひとり親世帯に対する生活支援特別給付金の支給につきましては、国からの要請で、6月中に支給ができるようにということでありますので、第1号の急施議案として議会に早期の議決をお願いをさせていただくものであります。

次に、「原油価格・物価高騰の影響を受ける生活者に対する緊急支援」につき説明いたします。ウクライナ情勢や円安の進行などの影響を受け、現在、食材の価格が高騰しており、今後の物価動向の先行きも不透明な中、子供たちの食事等に関する支援を行うものでございます。まずパネルの左側になりますけれども、「学校給食等の物価高騰に直面する保護者等への支援」でございますが、事業費は9,406万5千円となります。学校給食等につきましては、各学校において様々な工夫を凝らしながら栄養バランスや量を保って提供しているところでありますが、しかし、食材価格の高騰を受け、これまでと同様の提供を行うことに影響が出ております。そこで、食材価格の高騰による学校給食費等の保護者等の急激な負担の増加を回避するため、当面の間、食材価格高騰相当額を補助するというものでございます。対象校は、県内で学校給食等を実施している県立の中学校、夜間定時制高校、特別支援学校、そして私立の小学校中学校、並びに特別支援学校となります。補助内容は、学校給食等の食材購入費における価格高騰の影響を軽減するための支援でございますので、現在の保護者等負担額の15パーセントを目安として積算をしたものを、県から学校に対し補助いたします。これによって、保護者等の負担の増加を回避いたします。

次に、右側になりますけれども、「夏休み期間の子供の食事等を確保するための支援」でありますけれども、事業費は8,137万3千円となります。この事業は、子供の居場所等の活動支援を通じて、レトルトカレーやパックご飯などの食品や学用品を子供の居場所等を通じて提供をいたします。そのことによって、子供の居場所などの活動支援と、夏休み期間における子供の食事などを確保するためのものであります。コロナ禍における油価や物価の高騰は、ひとり親家庭や子供の居場所等の活動にも大きな影響を与えると考えます。子供食堂など子供の居場所等では物資等の調達が難しくなる、そこで活動回数が減少してしまう、こういった影響を受けかねません。また、夏休み期間は給食が提供されないことで十分な食事をとれない子供の増加と、長期休暇に伴う子供の見守り機会の減少が課題となります。そこで、食品等の提供について県内企業の皆様と協力・連携をし、子供食堂やフードパントリーなど、子供の居場所などの活動を行っている団体を通じて、この事業を行うことといたしました。子供の居場所等へ食品等を配布することで子供の居場所等の活動を支援し、子供の食事や見守り機会の確保に努めて参ります。

次に、「原油価格・物価高騰の影響を受ける事業者に対する緊急支援」について説明します。新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ウクライナ情勢等の影響により、エネルギー価格等が高騰していることから、事業者への緊急支援を行うものです。まず、「県内地域公共交通事業者への支援」であります。事業費は4億2,880万円となります。乗合バス、タクシー等の地域公共交通事業者は、燃料費が高騰する一方、価格転嫁が難しく、非常に厳しい経営環境に置かれています。そこで、地域公共交通を維持し、住民の足を確保するため、バス・タクシー事業者に対し、運行を継続するための燃料費高騰の影響分を緊急避難的に支援するものでございます。

次に、「県内観光事業者への支援」であります。事業費は2億9,306万5千円となります。コロナ禍によってバスツアーの需要が低迷しております。このような中、燃料費高騰の影響を受ける県内の貸切バス事業者の皆様に対し、経営支援を行うとともに、県内を巡るバスツアーの需要喚起を図るものであります。まず、貸切バス事業者でありますが、コロナ禍に加え、燃料費高騰により収益がさらに悪化をしておりますので、貸切バス1台あたり15万円を補助するものであります。また、旅行業者に対する補助を通じて、魅力的なバスツアーの造成をしていただきます。その上で、県公式観光サイト「ちょこたび埼玉」などを通じ、バスの換気性能などの安全性や県内の見どころをPRすることにより、バスツアーの需要を喚起しますが、具体的には、造成をしていただいた1つの旅行商品につき、日帰り及び県外の宿泊の場合には5万円。そして、県内で宿泊のツアーを造成していただいた場合には10万円を旅行事業者に対して補助をいたします。

次に、右側になりますが、「県内中小企業等の資金繰りへの支援」であります。エネルギーや原材料価格高騰の影響で、経営状況がひっ迫している事業者の資金繰り支援に万全を期すため、現行の「経営安定資金(知事指定業種)」の融資は現行では100億円でありますけれども、ここに200億円を追加し、300億円とするものであります。融資条件についての変更はございませんが、融資利率については、本県の中小企業向け制度融資の中で最も低い水準の0.6~0.8%となります。

次に、「県内畜産農家への支援」であり、事業費は1億745万2千円となります。家畜に与える飼料は、畜産業にとって欠かせないものでありますが、農家の生産に大きなコストとなってのしかかっています。飼料のうち、特にとうもろこし等を配合した配合飼料は、原料を輸入に頼っていますが、昨年来、国際的な穀物価格の上昇や、ウクライナ情勢などの影響を受け、急激に価格が高騰し、その状況が継続をしております。その結果、飼料費の上昇が生産コストを押し上げ、結果として畜産経営を圧迫しています。そこで、畜産農家に対して、配合飼料価格の上昇のうち輸入原料価格は国の制度で補填されていますが、国が補填しないメーカーの製造コスト、ここも一部上がっていますので、このコスト相当分の一部について、トンあたり500円を上乗せで補助をさせていただきます。

次に、「脱炭素社会に向けた省エネ・再エネ設備投資の促進」についてであります。ウクライナ情勢等によりエネルギー価格が高騰しておりますが、この影響は長期化するとも想定されており、中長期的な視点での取組により、持続可能な成長を続けられるよう、「脱炭素社会に向けた省エネ・再エネ設備投資の促進」を行うものであります。

パネルの左側、「県内中小企業等の省エネ・再エネ設備投資への支援」についてでありますが、事業費は4億699万9千円であります。まずは、「緊急対策枠の創設による支援強化」であります。これは、中小企業等のエネルギー使用量と、CO2排出量の削減を加速するため、省エネ・再エネ設備導入に係る補助制度を拡充するものであります。空調設備やボイラーなどの高効率タイプへの更新、太陽光発電設備の新設など、CO2排出削減設備の導入に要する経費に対する補助を、従来の3分の1もしくは4分の1であったもの、このエネルギー価格の高騰の影響を受けるところもございますので、3分の2に拡充をするというものであります。補助上限額は500万円となります。また、小規模事業者におけるCO2排出削減設備の導入を更に促すために、申請手続きを簡素化するとともに、早期に事業効果を発現させるため、申請から交付までの期間の短縮を図ります。

次に、「エネルギー対策特例の創設による支援強化」であります。カーボンニュートラルの実現に向けた県内中小企業等の設備投資を支援するため、設備投資促進資金に「エネルギー対策特例」を創設いたします。融資枠は100億円といたします。融資利率は0.6から1.0%であります。これは、県からの利子補給率を、これまでの0.6%から0.7%に引き上げ、融資利率を結果として0.1%、さらに引き下げるものであります。

右側の上、「住宅の省エネ・再エネ設備投資への支援」、2億9,355万7千円でありますが、住宅における省エネ・再エネ設備への投資を促し、エネルギー使用量とCO2排出量の削減を加速させるため、既存住宅の蓄電システムの導入等への支援を大幅に拡充いたします。具体的には、蓄電システムや、家庭用の熱電池システム、エネファームにつきましては、5万円の補助であったものが1件当たり10万円にするなど、各補助対象設備の補助額を2倍に引き上げるとともに、補助予定件数も当初の2倍に拡大をいたします。

次に、「県内施設園芸農家への省エネ転換への支援」4億3,001万円でございます。今般の燃料費高騰では特に暖房用燃料の使用が多い施設園芸においては、経営収支の悪化が懸念をされているところであります。一方、燃料の削減効果が高い省エネ機器ほど、一般に導入コストは高額となります。そこで導入が進まない、こういう悪循環にあります。そこで、ヒートポンプなどの省エネ機器などの導入に取り組む農家に対し、その経費の2分の1を補助するものでございます。これらの取り組みにより、省エネ・再エネ設備投資を促進させ、脱炭素化に向けた取り組みを後押ししてまいります。県民及び事業者の皆様には、従来と比べ有利な制度となっていますので、ぜひこの機会に省エネ・再エネ設備を導入いただきたいと思います。

次に、「埼玉県学校設置条例の一部を改正する条例」であります。条例を一部改正し、県立特別支援学校の新設及び県立高等学校の統合を行うものであります。県立特別支援学校の新設につきましては、県東部地域など知的障害特別支援学校における児童生徒の増加に対応するため、旧岩槻特別支援学校の敷地及び施設を活用し、「岩槻はるかぜ特別支援学校」を開校いたします。開校は令和5年4月となります。学校名ですけれども、この通学区域の地名などでよく見られる「はる」に、児童生徒が春の息吹を受けて、大きく成長していくようにとの願いを込めて、「はるかぜ」といたしました。県立学校の統合については、県立高等学校の再編整備に伴い、児玉白(はく)楊(よう)高等学校と児玉高等学校を統合し、「児玉高等学校」として、現在の児玉白楊高等学校の場所に設置をします。そして、飯能高校と、飯能南高校を統合し、飯能高等学校として、現在の「飯能高等学校」の場所に設置をするものでございます。

続いて、「学校におけるマスクの着脱」についてご報告をさせていただきます。このことにつきましては、熱中症のリスクが高まる夏場を迎えるにあたり、文部科学省からマスクの着用の必要がない場面が示されましたが、十分な距離が確保できる場合といった表現があることから、登下校中のマスクの着用等については、学校や家庭で迷いが生じる場面があったと報告が上がってきています。このような指示のもとでは特に、登校の際、下校の際には学校からですけれども、登校の際に子供を送り出す保護者にとって、マスクの着用をした方がいいのか悪いのか、判断が分かれる場合もございます。また、特に低年齢の子供の場合には、自分でマスクの着脱をすることが困難であるという理由から、マスクの着脱をより明確に判断をする基準を示していただくべきではないかということが望まれてまいりました。そこで私の方からは、6月2日に池田文部科学副大臣に対し、「新型コロナウイルス感染症対策等に関わる要望」を提出いたしましたが、その中で、学校の教育活動におけるマスク着脱の基準のさらなる明確化を要望しておりました。副大臣からは、「教員や保護者の目が届かない登下校中での熱中症の発症、このリスクは大変危険だと最大のリスクである」という言葉をいただきました。そこで、「登下校の際はマスクを外してください。必要がないではなくて、外してくださいという指導をぜひお願いしたい」という言葉を副大臣からいただきました。またさらには、「体育の授業中や運動部の部活動中は、積極的に外してもらうよう指導願いたい」とのコメントもいただきました。また、その後、文部科学省からは、この副大臣の発言に沿った形で、マスク非着用に関するQ&Aを発出され、聞くところによると、今日の午前中に文部科学大臣も同様の発言をされたというふうに伺っております。そこで本県では、夏場における熱中症防止の危険性、重要性を踏まえ、児童生徒、保護者向けにご覧のパネルの内容を盛り込んだリーフレットを作成しました。リーフレットでは、文部科学省が示した「マスク着用の必要がない場面」を明示し、あわせて特に登下校中や、運動中においては、基本的にマスクを外すということを周知をしています。他方これらは、マスクを外すことを強制するものではなく、外すことができない人や外したくない人に配慮することも重要であることを併せて伝えております。県教育委員会等を通じて、このリーフレットを県立高校や市町村教育委員会、さらには私立の学校に送付をし、児童生徒や保護者の理解を促進したいと思います。これからの暑い時期、熱中症は、命に関わる問題となります。是非ともつけるべき時はつける、外すべき時は外すといったメリハリのあるマスクの着脱をお願いをしたいと思います。なお、当然のことではありますけれども、「密」の回避など、基本的な感染防止対策については引き続きの徹底をお願いを申し上げます。私からは以上であります。

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知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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