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掲載日:2024年10月24日

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埼玉県こども・若者基本条例

埼玉県こども・若者基本条例

「埼玉県こども・若者基本条例」が令和6年10月18日に施行されました。

条例の基本理念である「全てのこども・若者が有する権利が保障され、全てのこども・若者の意見が尊重されるとともにその最善の利益が優先して考慮される社会が構築され、保護者・養育者その他こども・若者を養育しようと思う者が子育ち・子育てに希望や喜びを感じるとともに、幸せに過ごすことができる環境が整備される」ように、県だけでなく市町村、学校・保育施設等、事業者、民間支援団体及び県民がそれぞれの役割を認識し、子育ち・子育ての推進に主体的に取り組むとともに、相互に連携協力して社会全体で子育ち・子育てを支えていくこととしています。

 条例(ふりがなつき)はこちら(PDF:192KB)

条例本文

令和6年10月18日

条例第40号

第1条(目的)

この条例は、こども・若者が有する権利が保障され、こども・若者が主体性を持って、自分らしく健やかに、かつ、幸せに成長すること(以下「子育ち」という。)ができ、及び安心してこども・若者を養育することができる環境の整備により、保護者・養育者その他こども・若者を養育しようと思う者が子育ち・子育てに希望や喜びを感じ、幸せに過ごすことができる社会の実現を目指すため、子育ち・子育ての推進に関し、基本理念を定め、県の責務並びに保護者・養育者、学校・保育施設等、事業者、民間支援団体及び県民の役割を明らかにし、子育ち・子育てに関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

第2条(定義)

1 この条例において「こども・若者」とは、新生児期から青年期に至るまでの間にある者で、心身の発達の過程にあるものをいい、子育ち・子育てに関する施策の対象となるこども・若者の範囲は施策ごとに定めるものとする。

2 この条例において「子育ち・子育てに関する施策」とは、こども基本法(令和四年法律第七十七号)第二条第二項に規定するこども施策その他の子育ち・子育てを社会全体で支え、及び推進する施策をいう。

3 この条例において「保護者・養育者」とは、親権を行う者、未成年後見人、社会的養護を行う者その他こども・若者を現に養育する者をいう。

4 この条例において「学校・保育施設等」とは、学校(幼稚園を含む。)、保育所、認定こども園、社会的養護関係施設その他のこども・若者が学び育つ場所をいう。

5 この条例において「民間支援団体」とは、子育ち・子育ての推進を行うことを主な目的とする民間の団体をいう。

第3条(基本理念)

子育ち・子育ての推進は、次に掲げる事項を基本理念として行うものとする。

一 全てのこども・若者について、個人として尊重され、その基本的人権が保障されること、人種、国籍、性別、障害の有無等による差別的取扱いを受けることがないこと、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されることなど、日本国憲法、児童の権利に関する条約及びこども基本法の精神にのっとり、こども・若者が有する権利が保障されること。

二 全てのこども・若者について、その年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重されるとともに、その最善の利益が優先して考慮される社会が構築されること。

三 保護者・養育者その他こども・若者を養育しようと思う者が子育ち・子育てに希望や喜びを感じるとともに、幸せに過ごすことができる環境が整備されること。

四 県、市町村、学校・保育施設等、事業者、民間支援団体及び県民がそれぞれの役割を認識し、子育ち・子育ての推進に主体的に取り組むとともに、相互に連携協力して社会全体で子育ち・子育てを支えていくこと。

第4条(県の責務)

1 県は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、国及び市町村との適切な役割分担を踏まえ、子育ち・子育てに関する施策を総合的かつ計画的に実施し、及びその充実を図るものとする。

2 県は、子育ち・子育てに関する施策を実施するに当たっては、国及び市町村と相互に連携を図るとともに、保護者・養育者、学校・保育施設等、事業者、民間支援団体及び県民の協力を得るよう努めるものとする。

第5条(保護者・養育者の役割)

保護者・養育者は、基本理念にのっとり、こども・若者が心身ともに健やかに成長し、自立した日常生活及び社会生活を営むことができるよう努めるものとする。

第6条(学校・保育施設等の役割)

1 学校・保育施設等は、基本理念にのっとり、こども・若者が安心して学び、安全に過ごすことができる場所となるよう努めるとともに、学校に在籍する児童又は生徒が学校生活を営む上で遵守すべき規律の策定その他の学校・保育施設等の運営又は活動にこども・若者が主体的に参画することができるよう努めるものとする。

2 学校・保育施設等は、保護者・養育者及び地域住民等と連携を図り、こども・若者が主体的に学び、考え、及び行動することを通して成長することができるよう、必要な支援に努めるものとする。

第7条(事業者の役割)

1 事業者は、基本理念にのっとり、子育ち・子育てを推進するための取組を行うよう努めるものとする。

2 事業者は、その雇用する労働者の職業生活及び家庭生活における子育ち・子育ての充実が図られるよう、必要な雇用環境の整備及び改善に努めるものとする。

第8条(民間支援団体の役割)

民間支援団体は、基本理念にのっとり、子育ち・子育てに関する専門的な知識及び経験を活用し、子育ち・子育てを推進するための取組を行うよう努めるものとする。

第9条(県民の役割)

県民は、基本理念にのっとり、こども・若者の健やかな成長に関心及び理解を深めるよう努めるものとする。

第10条(こども計画の策定)

1 県は、この条例の趣旨を尊重して、こども基本法第十条第一項に規定する都道府県こども計画(以下この条において「こども計画」という。)を定めるものとする。

2 県は、こども計画を定めるに当たっては、こども・若者を含めた県民の多様な意見を聴取するとともに、その意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

3 県は、こども計画に基づく施策について、その実施状況の検証を行うとともに、その結果を議会に報告し、及び公表するものとする。

第11条(体制整備等)

1 県は、子育ち・子育てに関する施策があらゆる分野に関係するものであり、総合的に推進することが重要であることに鑑み、関係部局が横断的かつ一体的に連携して子育ち・子育てに関する施策を実施するための体制を整備するものとする。

2 県は、子育ち・子育てに関する相談に的確に応ずるための体制の充実を図るものとする。

3 県は、社会全体で子育ち・子育てを推進するために、関係機関及び民間支援団体その他の関係者の相互の有機的な連携の確保に努めるとともに、その有機的な連携の確保に資するための体制の整備に努めるものとする。

4 県は、子育ち・子育てを支える人材を育成し、及び確保するために必要な施策を講ずるものとする。

第12条(こども・若者等からの意見聴取及び意見反映)

1 県は、子育ち・子育てに関する施策を策定し、実施し、及び評価するに当たっては、当該施策の対象となるこども・若者、保護者・養育者その他の関係者の多様な意見を反映させるため、こども・若者等からの意見の聴取その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 県は、前項に規定する意見の聴取その他の必要な措置を講ずるに当たっては、こども・若者が当該施策について理解を深められるよう、その年齢及び発達の程度に応じた分かりやすい情報の提供に努めるものとする。

3 県は、こども・若者の多様な意見を聴取するため、その意見表明を支援する人材の育成及び確保を行うとともに、発達に特性があり、又はその可能性があること、社会的養護を必要とし、又は現に受けていることその他の様々な事情により意見を表明する上での困難を有するこども・若者の意見を聴取するために必要な施策を講ずるものとする。

第13条(情報提供等)

県は、子育ち・子育てに関する制度又は取組に関する情報の収集及び整理を行うとともに、情報通信技術の活用を通じて、こども・若者及び保護者・養育者その他当該情報を必要とする者に分かりやすく提供するよう努めるものとする。

第14条(理解促進)

1 県は、こども・若者の有する権利に関する県民等の関心及び理解を深めるため、この条例及び児童の権利に関する条約の趣旨及び内容に関する周知啓発その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 県は、学校の授業その他の教育活動において、こども・若者が自らの有する権利に関心を持ち、理解することができるよう啓発するとともに、いじめ、体罰等の権利侵害から自らを守り、困難を抱えるときに助けを求める方法として、埼玉県子どもの権利擁護委員会条例(平成十四年埼玉県条例第二十四号)第三条第一項に規定する埼玉県子どもの権利擁護委員会に対する相談又はその他の方法を学ぶことができるよう、学校・保育施設等及び民間支援団体等と連携し、必要な施策を講ずるものとする。

3 県は、子育ち・子育てにやさしい社会づくりに関する県民等の関心と理解を深めるために必要な施策を講ずるものとする。

第15条(こども・若者の安全及び安心の確保)

1 県は、人種、国籍、性別、障害の有無等にかかわらず、全てのこども・若者が主体的に学び、考え、及び行動することができるよう、こども・若者の安全及び安心を確保するために必要な施策を講ずるものとする。

2 県は、こども・若者を犯罪、事故、性暴力、虐待、貧困、いじめ、体罰、心身の健康又は発達に有害な労働その他の危害から守るために必要な施策を講ずるものとする。

3 県は、学校生活、家庭の状況、地域社会との関係性その他の様々な事情により、不登校、ひきこもりその他の日常生活若しくは社会生活を送る上で困難な問題を抱えるこども・若者又はそのおそれのあるこども・若者を支援するため、相談体制の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。

第16条(こども・若者の居場所づくりの推進)

1 県は、こども・若者が安全に、かつ、安心して過ごすことができ、自分らしくいられるとともに、遊び、活動し、休息し、又は信頼できる人間関係を築くことができる多様な居場所づくりを推進するものとする。

2 県は、前項に規定する居場所づくりを推進するに当たっては、その居場所づくりについて、こども・若者が意見を表明し、及び参画することができるよう、必要な施策を講ずるものとする。

第17条(こども・若者の心身の成長及び発達の環境整備)

1 県は、誰もが安心して、こどもを生み、育てることができる環境の整備に資するため、こども・若者、保護者・養育者その他県民がこども・若者の心身の成長及び発達に関する適切な知識を持つことができるよう、必要な施策を講ずるものとする。

2 県は、前項の環境を整備するに当たり、特に性に関する問題について、こども・若者がその年齢及び発達の程度に応じて、情報提供、助言その他の必要な支援を受けることができるよう体制を整備するものとする。

第18条(こども・若者の主体的な学びの機会の確保)

1 県は、全てのこども・若者が、その置かれている状況にかかわらず、教育を等しく受けることができるとともに、その興味又は関心に応じて主体的に学ぶことができる機会が確保されるよう、必要な施策を講ずるものとする。

2 県は、幼児期の教育及び保育が生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることを踏まえ、全ての幼児について、愛着が形成された上で、必要な体験及び遊びを通じた質の高い教育及び保育を受けられるよう、必要な施策を講ずるものとする。

3 県は、全てのこども・若者が、その年齢及び発達の程度に応じて、自然体験、社会体験、職業体験及び文化芸術体験に参加することができる機会が等しく確保されるよう、必要な施策を講ずるものとする。

4 県は、全てのこども・若者が、その個性や本人の意思等に応じて多様な進路の選択を適切に行い、将来の自立した社会生活につなげられるよう、その能力を発揮することのできる環境の整備、キャリアコンサルティング、就業機会の確保の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

第19条(保護者・養育者等に対する支援)

1 県は、次に掲げる施策その他の妊娠、出産及び子育ての各段階に応じた支援を切れ目なく行うために必要な施策を講ずるものとする。

一 妊産婦及び乳幼児の保健及び医療に係る体制の充実

二 保育における待機児童の解消及び病児保育、一時預かりその他の多様な保育の需要に対応するための環境整備

三 放課後児童健全育成事業における待機児童の解消

四 子育てに関する学びの機会の確保及び情報の提供

2 県は、次に掲げる施策その他の保護者・養育者その他こども・若者を養育しようと思う者の職業生活及び家庭生活の充実を図るために必要な施策を講ずるものとする。

一 仕事と子育ての両立に資するための雇用環境の整備

二 家庭における家事及び子育ての協働の推進

3 県は、次に掲げる施策その他の子育て家庭がその地域において安心して過ごすことができるまちづくりの推進を図るために必要な施策を講ずるものとする。

一 安心してこども・若者を養育することができるための住環境の整備

二 保護者・養育者その他こども・若者を養育しようと思う者が相互に交流し、子育ち・子育てに関する不安を解消するとともに、その希望や喜びを共有することができる場の確保

4 県は、ひとり親家庭その他の特別な配慮を要する子育て家庭に対する必要な支援を行うものとする。

5 県は、子育ち・子育てに係る経済的負担の軽減を図るために必要な施策を講ずるものとする。

第20条(財政上の措置等)

県は、子育ち・子育てに関する施策を推進するため、財政上の措置その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 

附則 この条例は、公布の日から施行する。

お問い合わせ

福祉部 こども政策課 政策推進担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-4784

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