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掲載日:2024年3月15日
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モデレーター 秋田
第2部なんですけども、こちらに出てるように「ガバメントピッチの参加自治体によるトークセッション」ということで、舞台も揃えさせていただきました。
今からこの前やったガバメントピッチ、今年度やってたんですけども、そちらに参加していただいた9つの自治体の方に登壇していただいて、ひな壇芸人みたいになっていただいて、私の方からいくつか質問を振って少しずつ答えていただこうかなと思っています。その前にガバメントピッチの概要説明、「そもそもガバメントピッチって何なんだ」みたいなのがよくわかってない方も結構いらっしゃるかなと思うので、それの概要説明をしていただきたいと思います。
埼玉県庁のエネルギー環境課小林さん再び登場していただいて。よろしくお願いします。
埼玉県 小林
埼玉県庁のエネルギー環境課小林です。先ほどに引き続き、今度はガバメントピッチという取組につきまして簡単に御説明させていただきたいと思います。
ガバメントピッチ、言葉としてはなかなか聞き慣れないかなと思うんですが、どういう意味かというと、「ガバメント」は「行政」ですね。「行政」が「ピッチ」をする、「ピッチ」っていうのはプレゼンテーションを指す言葉です。短いプレゼンテーションを指す言葉なんですけども、行政の側からの短いプレゼンテーションの機会、これを「ガバメントピッチ」と言います。
ガバメントピッチは、市町村が地域課題やニーズ等を企業に向けて発信するイベントって(説明資料に)書いてありますけれども、我々、埼玉版スーパー・シティプロジェクトの推進に向けて、企業の皆様と市町村の皆様をマッチングする機会を設けるっていう支援を行っていると先ほど御説明したところですが、そのマッチングの機会を創出するためには、こういったセミナーを開催したりとか、交流会を開催したりとか、そういう機会を設けるっていうのは、お互いの信頼関係を構築する上で非常に大切かと思います。
ただその一方で、市町村がどういうことを考えているのかわからない、市町村のニーズがわからないとか、企業の皆様にどういうことをやってもらえるかわからないという市町村からの悩みというか、そういったものもあるかと思います。
そうしたところを解消するために、具体的な市町村における課題ですね、「こういったことに困ってるんですよ」というものを発表し、企業の皆様からは市町村の発信内容を踏まえた提案をいただく。それをマッチングして事業化につなげていったらどうかという取組です。
例えば、ここ(説明資料)に書いてあるのは、「高齢者の移動手段には、どんなことがありますか」というような市町村の課題、これから少子高齢社会に向けて課題としてあるんですよっていうその問いかけに対しては、「デマンドタクシーにしたらどうか」とか、「自動運転バスをやってみたらどうか」とか、またちょっと考え方を変えて、「逆に高齢者が出かけるんじゃなくてきてもらう、移動販売」なんていう考え方もありますよね。そうした企業の皆様からのアイデアを募って、それをマッチングさせていきたいなというようなところで取り組んでおります。
今年度、このガバメントピッチのイベントにつきましては夏に、8月22日と23日、2日間に渡って開催をしました。2日間合計で365人の方に視聴いただきまして、また、その後もアーカイブ動画を県のホームページ上で公開しております。それを見ていただいて、本日お集まりの企業の皆様も多くの方に参加していただいたり、提案も125件いただいたんですけれども、本日は実際に提案していただいた企業の皆様もいらっしゃるかと思います。この場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
(参考:埼玉版スーパー・シティプロジェクトに係るガバメントピッチ)
それで今回このガバメントピッチが9団体、10テーマ、こちら(説明資料)に書いてあるようなテーマで発表をしていただきました。この発表内容っていうのは、多分お手元にQRコードが配られているかと思いますが、そちらからグラフィックレコーディングという形で御覧いただくことができるかと思います。また、県のホームページでもまだ発表内容については公開しておりますので、もしまだ見たことないという方がいらっしゃいましたら、見ていただけるとありがたいかなというふうに思います。
このガバメントピッチの取組につきましては、(説明資料にある)このようなタイムスケジュールで進めております。
まずは登壇が決まった春先から、どのようにしていったら企業の皆様にうまく伝わるだろうかというところを、県と市町村と今回お手伝いいただいている官民連携事業研究所と三者で一生懸命いろいろ考えながら、資料を作っていきます。
8月にガバメントピッチで発表をして、1か月程度企業の皆様からの提案を受け付けておりまして、そこで市町村のニーズに合ったものがあるかどうかを確認して実際に面談を進め、実証事業化協議を進めていくという形になっております。
これは、現在も企業の皆様とこれから登壇していただいている市町村の皆様でまだ協議を進めているところもあります。
協議が整いましたら随時、この下(説明資料)に書いてありますが、連携事業の開始ということで、例えば12月に小鹿野町さんはマッチングの1例目ということで成立をしまして、連携事業をもう既に開始をしているところでございます。
こうしたことにより、市町村と企業さんの皆様をつないでいく。こういった取組を実施しているんですが、その成果というか、どのように取り組んでいたのかというところで、これから登壇された市町村の担当者の皆さんにお話を聞いてみたいと思っております。
私からの説明は以上になります。どうもありがとうございます。
モデレーター 秋田
ありがとうございました。
モデレーター 秋田
はい、ではですね、ここからは、市町村のガバメントピッチに参加されている皆さんに登壇していただきたいと思いますので、お待ちの皆さん、どうぞこちらの方へよろしくお願いします。今、後ろ(舞台上のモニター)に挙げているようにですね、9名の方、自治体としては8つなんですけども、本庄市の方が2つテーマを持って出ていただいていますので、それぞれの担当者の方、出ていただいています。
今回ちょっと時間があんまりなくてですね、こちらで3つほど質問を用意して、全員に喋ってもらいたいんですけども、いろいろとあんまり時間がないということで、本当に1人3分ほどしか喋っていただく時間がなくて申し訳ないんですけども、せっかくなので皆さんでこの時間を利用してですね、例えば「ウォーカブルやってる自治体の職員の担当者はあの人か」みたいな、つながってみたい人を選んでおいてもらえたらなというに、「後で交流するためにあの人のとこに行こう」みたいなものがですね、あればいいなというふうに思っています。
はい、ということで皆さんよろしくお願いします。早速ですね、マイクを順番に、こっちから順番に答えてもらおうかなと思ってますので、(舞台の)後ろからいきましょうかね。
最初の質問なんですけども、「このガバメントピッチに参加しようと思った経緯」っていうのを答えていただこうかなというふうに思うんですけども、本庄市の方から自分のまちも少し紹介しながらお願いします。
本庄市 大野
皆さんこんにちは、私、本庄市役所市街地整備室の大野と申します。
今回ガバメントピッチでは、本庄市の本庄駅北口の中心市街地の活性化に向けた取組の一環として進めております「ウォーカブルなまちづくりの取組」について、民間企業の皆様のお力添えを頂けたらということで、参加をさせていただきました。
このガバメントピッチ、まず初めて目にする・耳にする言葉だったので、何だろうというふうでいろいろ調べていくと、今までにないスタイルでの取組だっていうことで、ちょっと目を引きました。プラス、ウォーカブルっていう取組、この取組は本庄市では令和4年度から初めて着手をしておりまして、私がその着手のタイミングから担当しているもので、庁内にウォーカブルを担当している人は他にいないし、まだまだ事例も少ない中の取組だったので、自分の中でも(令和)4年度から小さな社会実験を繰り返しながら検討、検証を進めていたんですが、少し煮詰まっている状況が令和5年度の頭だった、そのタイミングでガバメントピッチっていう県の皆さん、また民間企業の皆さんからの御支援をいただけるチャンスがあるということで、今まで私、そういったところには引っ込み思案な性格もあって、あまり手を挙げることがなかったんですが、あえて少し自分を変える、また取組の風向きを変えるっていう意味も込めて、今回、勢いよく手を挙げてみました。
これが、私が今回ガバメントピッチに参加した経緯となります。以上です。
モデレーター 秋田
はい、ありがとうございます。自分を変えるためってなかなかできないじゃないですか、結構難しいですよね。それほど煮詰まってたってことですか?なかなか動かなかったって。
本庄市 大野
そうですね。まず、ウォーカブルっていう取組、多分今日お見えいただいてる皆さんもあまり聞き馴染みのない言葉かなと思うんですが、これ、令和元年に国土交通省が提唱し始めたまちづくりの方針となっていて、今だと大都市とか、観光地での取組というのはいろいろ見るんですけれども、本庄市は約7万8000人ほどの人口の埼玉県の一番北の方に位置する地方都市です。こういった地方都市での事例とか、そういったものがまだまだ少ない中で、私1人というか、(市街地整備)室内でいろいろ検討するには、少しもうキャパオーバーな部分があったので、今まで私、あまり人にお願いするっていう性格でなくてですね、そういうのがあって、少し自分を変えることでもしかしたらこの取組っていうものが変わって、もっと言うと自分が1人の市職員としても何か変われるきっかけになるかなと思って参加を決めました。
モデレーター 秋田
なるほど。少し先の話しちゃうんですけど、実際少しやってみて、今変わりつつありますか自分の中で。
本庄市 大野
はい、こういう視点があるんだって、ウォーカブルをずっと自分の中で小さな社会実験をやって、終わった後にパソコンの画面とにらめっこしてどうだったかって検証をずっと繰り返すっていうのが令和4年度だったんですけど、令和5年度で県の皆様とか民間企業の皆様、いろんな方からいろんな視点っていうのをいただけて、そういういろんな視点とか考えを受け入れられるような、そういう少し柔軟っていうか、そういったものが自分の中に出てきたなとは思っています。
モデレーター 秋田
なるほど、ありがとうございます。ちょっと申し訳ない、もっと実はめちゃくちゃ聞きたいんですけど、僕、ウォーカブル好きなんで。次にいこうかなと思ってます。美里町でよろしいですかね。同じように、参加しようと思った経緯って聞かせてもらっていいですか?
美里町 飯野
はい、美里町総合政策課の飯野と申します。よろしくお願いします。
美里町がこのガバメントピッチに参加しようと思った経緯なんですけれども、まず美里町の御紹介からなんですけれども、県の北側に位置してまして、農地が多い地域です。夏になると田んぼの景色がバーッと広がって、米だったり麦だったりの時期はかなり綺麗に見えるような景色が広がっているそんな地域、田園風景が広がる地域なんですけれども、一方で課題としてはそういった、中心市街地であったり商店街みたいなのがないもので、どうしても生活する上で、町外に頼らざるを得ないというか、実は本庄市は隣町で、結構栄えている地域でありますので。
モデレーター 秋田
ということは交流があるというか、皆さん本庄市に行ちゃうみたいな。
美里町 飯野
皆さん本庄市に買い物に行って、地域の中でお金、その経済循環がうまく回っていかないという課題がありました。今、ようやく中心市街地の形成に向けて、まちづくりをこれからスタートしていこうという時期になります。役場が美里町の真ん中にあって、その周辺で今、開発の計画がございます。
話は戻って、参加しようと思った経緯なんですけれども、ハード整備するだけじゃなくて、やはりその地域の魅力っていうのは、ソフト事業をやってなんぼかなと考えているものがありまして、やっぱり買い物をして、何もしないでそのまま家に帰っちゃうというのは、非常にもったいないのかなと。やっぱり付加価値を、ソフト面の付加価値がこれからのまちづくりにおいては必要になってくるんだなというところで、職員の考えだとありきたりなことしか出てこないっていう、そういったお恥ずかしい話になってしまうんですけども、そういったところで民間事業者のノウハウや知恵をお借りして共創していけたらなというところで、これは大きなチャンスだなと思った次第でございます。
モデレーター 秋田
なるほど、先ほどの本庄市の方でもあったんですけど、民間の力の方がいいアイデアが出るんじゃないかみたいなのは、よく言われる話じゃないですか。今回初めてですか、そういうパターンで言うと?
美里町 飯野
初めてです、はい。
モデレーター 秋田
広く開いて、民間の人の考えを聞こうみたいなのは?
美里町 飯野
そうですね。あまり民間企業に出向いてっていう機会はうちの町はあまりなかったものですから、なかなか一歩が踏み出せなかったところではあるんですけれども、県から来たピッチの通知を見て、調べていくと結構面白そうだなというところで、提案したところやってみようかということで決断に至りました。
モデレーター 秋田
なるほど。その決断に至るのは割と早かったんですか?結構大変だったんですか?
美里町 飯野
早かったです。
モデレーター 秋田
もうやってみようよっていう。それはやっぱり、県が動いてくれているからっていうのはありますか?安心感みたいな。
美里町 飯野
やっぱりそれは一つ大きいかなと、はい。
モデレーター 秋田
自分たちだけで動くと、企業とうまくつながらないといった危機感があるみたいな。
美里町 飯野
そうですね、やっぱり埼玉県が間に入ってくれることによって、庁内の意思統一っていうのがしやすいところがあるかなと思います。
モデレーター 秋田
なるほど、ありがとうございます。わかりました、またいろいろお話聞かせてください。
美里町 飯野
ありがとうございました。
モデレーター 秋田
次ですね、(舞台の)後ろの方に行って、杉戸町いいですか?まず、経緯だけ教えていただけますか?
杉戸町 松本
はい、杉戸町総合政策課の松本と申します。
杉戸町、皆さん調べていただければわかると思うんですけど、ほとんどの方が知らないところかなと思いますので、電話対応なんかでですね、隣の千葉県の「松戸市のどこどこで」っていう話をされたりとか、「ここ杉戸です」と言うと、そのまま切られてしまったりとかですね。知名度がかなり低いというところで、このガバメントピッチに参加させてもらって、杉戸町の名前をより多くの人にまずは知ってもらうことから始めた方がいいということで、見ず知らずの方々に、いろんな杉戸町を知ってもらいたいという思いから、何でもやってみようということで参加させていただきました。
モデレーター 秋田
一番メインは、課題を解決するとかじゃなくて、よし、このついでに名前を知ってもらおうみたいな。
杉戸町 松本
そうです。名前を知ってもらわないと、どうにもならないというぐらい人口減少も進んでおりますし、高齢化も進んでおりますし、空き家率も上がってきているという状況でございますので、まずは知ってもらうことから始めて、併せて一緒に課題解決ができたらいいんじゃないかなと思ってます。
モデレーター 秋田
なるほど、そういう意味ではもう認知して、認知がちょっと上がった感じありますか今回?
杉戸町 松本
いや、まだ実感はないです。
モデレーター 秋田
ないですか。僕、かなり覚えましたけど今回で。
杉戸町 松本
ありがとうございます。
モデレーター 秋田
そうですね。でも関わった人が多ければ多いほど、やっぱり増えますよね。そういう意味では開くっていう今回の経験が、初めてかどうかわからないですけども、大きく民間企業に対して開くっていう経験ってどうですか?今後効果が出そうみたいな、その認知の面で。
杉戸町 松本
そうですね。今、私は総合政策課に配属になってまだ1年目というところなんですけれども、14、5年まちづくりの部署にいまして、それだけ携わってくると、知名度って大事だなっていうのを非常に実感していて、多くの方々に関わっていただいて杉戸町っていう名前が世間に広がってくると、関係人口が増えてくるというのを実感しておりますので、もっともっと名前を知ってもらいたいっていう思いがあります。
モデレーター 秋田
そうですね。少し先の話なんですけど、うまく連携できたらメディアにも出して、うまく成功したらメディアにも出て、失敗してもメディアにも出てみたいな感じでいろいろ注目度が上がる可能性ありますもんね。プレイヤーを増やしていくのは結構大事だなというふうに思いました。ありがとうございます。
では続いて、少し質問を変えようかなというふうに思っていて、「このガバメントピッチに参加してみた感想」。さっきもいくつか聞いたんですけども、経緯も含めていろいろ話してもらってもいいかなと思うんですけど、どんな経緯でやって、今どんな感じで思ってるかみたいなことを聞きたいので。まずは久喜市さん、よろしくお願いします。
久喜市 諏訪
はい、久喜市都市計画課の諏訪と申します。本日はこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
本市もガバメントピッチは、当然初の経験でした。まずガバメントピッチって、事前の準備から始まるんですね。その事前の準備の段階で、課題の解決、どういった課題を解決するかって明確化するステップがあるかと思います。そのような中で本市では、皆さんももしかしたら聞いたことあるかもわかりませんが、南栗橋において、「ブリッジライフプラットフォーム構想」という名前知ってる方いらっしゃいますか?
モデレーター 秋田
南栗橋駅前ですよね?
久喜市 諏訪
そうです、はい。産官学連携の5者連携のまちづくりプロジェクトが現在進行形で進んでいたんですね。そういったこともあって、特定の課題を解決しようというよりは、この「BLP構想」、「BLP」って略してますけども、これと連携した新たなチャレンジを募るのはどうかという、ちょっと別の切り口での方向性を考えてみたところです。こういった切り口は他の自治体でいう特定の課題を解決するという、別の方向性にはなるかと思うんですが、(このトークセッションのモデレーターの)秋田さんがずっと久喜市の担当として伴走型で支援してくださったこともありまして、秋田さんからも前向きな言葉をいただきまして、自信を持ってピッチに臨むことができました。
モデレーター 秋田
そうですね、僕伴走してたんですけど、あんまり課題がないんですよ、今からやるところなんで。だけどそのチャレンジが欲しいっていうのが課題だったんですよね。そういう意味では、すごく開き方はわかりやすかった、民間企業に関して。結果、いろいろ提案が来た。結構いろんな問い合わせがあって、提案もあってという感じで、それはどう感じました?
久喜市 諏訪
そうですね。実際、昨年8月22日の方のピッチに参加させていただきました。その結果、実際に複数の事業者の方から、新たなチャレンジに関する御提案をいただいたところです。その企業の皆様と実際に話し合ってみると、こういう領域に踏み込んでいきたいんだという、そういった思いがひしひしと、本当に手に取るように伝わってくるようなこともありまして、こういった新たなチャレンジをしたいという思いを持ってくださることは、私としても非常にありがたく感じているところであります。
モデレーター 秋田
ありがとうございます。そういう意味では、民間企業の方も久喜市の捉え方が変わってきた、新しい場所でチャレンジできるんだみたいなのもあったし、そういう意味では久喜市の中でもちょっと変わってきたところってありますか?感想的には。自分自身でですけど。
久喜市 諏訪
これを自分自身のことに置き換えてみると、私自身の仕事のやり方が何か変わってきたような気がしますね。それもやはり「BLP構想」が一つのきっかけとなって、民間企業の方と触れ合う機会が今まで当然なかったんですよ。それが急に、この5者でやるぞってなったときに、民間企業のスピード感についていくのがもう精一杯だったんですね。そういったこともあって、役所にありがちな、PDCAサイクル、「計画を作るのが大事なんだ」みたいなところから、「目の前にあるできそうなことをやってみよう」っていう、そういったスタンスに変わってきたような気がします。
モデレーター 秋田
いいですね、素晴らしい。PDCA、Doから始まるって大事ですね。ありがとうございます。次、本庄市さんの「道の駅」のテーマの担当の方ですね、お願いします。
本庄市 小暮
本庄市企画課の小暮と申します。道の駅ということで、今回ガバメントピッチをさせていただきました。
実は本庄市、(現在は)道の駅がないんですよね。「本当に道の駅を本庄市に作るの?」みたいなところが市民の中でもありましたし、職員の中でもあったわけですが、「いやいや本当に作るんだよ」ということで、作るに当たってはやっぱり行政だけじゃどうしようもないですから、その辺は「いろいろな民間の方々とつながり合っていかないと道の駅は絶対できないぞ」っていう思いがあって。(本庄市では)最初にウォーカブル(をテーマにした市街地整備室)が、ガバメントピッチをやるぞと表明したんですが、「いやいやごめんなさい、道の駅っていうことでもう1テーマ参加させてくれない?」って、「本庄市だけで2つのテーマをねじ込んでも大丈夫なの?」っていう話があったんですけど、埼玉県や(県が事業を委託している)官民連携事業研究所といろんな協議をさせていただいて、「本庄市、テーマを2つ出していいですよ」ということになったので、私、参加させていただきました。
参加した感想としては、すごく楽しかったです、面白かったです。というのは、まず1つは、道の駅を作るといっても、どんな課題があるのかが頭の中で整理ができていなかったんですよね。こういうストーリーで本庄市の将来がこうなるから道の駅が必要なんだよっていう、そういった道筋を、いろんなミーティングの中で、頭の中で整理がしっかりとできたということがまず1つ大きかったなと。
もう1つは、これまで企業といろいろやるに当たっては、競争入札とかプロポーザルの選定とか、そんな方法ばかりだったんですが、「ガバメントピッチ、これって新しくない?」ということで、要はウィン・ウィンの関係っていうんでしょうか。常に行政マンというのは、お金のない中で、いかに成果を上げるかっていうところが課題となってきます。本庄市も同じくお金がない中でどうにかしようっていう中で、企業の方で何か実証実験をしたいことがあれば、是非本庄市というフィールドを使っていろんなことをしてくれと。その成果でうまくいったら道の駅という将来がありますから、その中でうまく落とし込んでいけたらいいなということで、今回ですね、こんなガバメントピッチをさせていただいて、そんな感想を持ってます。
道の駅を作るかどうかというのは、まだ決定していません。作るっていうことが決定していない中でも、提案してもいいのかっていうところだったんですが、是非提案して一緒に進めていく、スタートから進めていくっていうのが必要だったと思いましたので、すごく今回はためになったというか、面白い経験をさせていただきました。
モデレーター 秋田
はい、ありがとうございます。たくさん語っていただいたんですけど、僕もここの道の駅の課題ってすごく気にしてて、「道の駅を作りたい」っていうのは本来、課題じゃないんですよね。「何のために道の駅がいるんだ」みたいなところを、今回ちゃんと深掘ってできたっていうことは、すごく大きいなと思って。やっぱりその普通の道の駅だとプロポーザルになっちゃう、「こういう道の駅作ってください」になっちゃうんだけど、このまちのためにどんな課題を解決したくて道の駅を作るかっていうのを、今回、すごくいろいろと検討していただいたので、道の駅によってはすごくいい、将来的にできる道の駅もなんか楽しそうだなみたいな感じがしてくると思ったので。すみません、これは感想だけでちょっと終わりますけども、ありがとうございます。面白かったです。
はい、じゃあ次すみません、横瀬町かな。
横瀬町 町田
横瀬町のまち経営課の町田と申します。横瀬町は秩父市の隣にある小さな町なんですけど、今日も(舞台の)お隣に秩父市の方がいてくださっているので、視覚的にもわかりやすい配置にしていただいたなと思っています。
今日の質問の内容で、私、1個目の質問じゃなくて本当に良かったなと思ったんですけど、ガバメントピッチを申し込んだ経緯みたいなところって、昨年度ですね、(埼玉県)エネルギー環境課の方から「ガバメントピッチを(令和)5年度にやるので、横瀬町も是非参加してくださいよ」みたいな話をしてもらってですね。そのとき私、「めちゃめちゃ忙しいんでちょっと嫌です」っていう話をしてたんですよ。「いや、ちょっと厳しいですよ」って、忙しいからっていう話をしていたら県の人がですね、「サポート、めちゃめちゃやります」って言ってくれて、「県の人がサポートしてくれるっていうんだったらいいですよ、やりますよ」っていうような話でやったんですけど、ここからがやってみての感想ってところになりますけど、めちゃめちゃサポートしていただいて。正直、私の自治体、本当に人口が7000人ぐらいの自治体で、職員数も100人切っているようなところなので、職員1人当たりの業務量っていうのも、なかなかのものだというふうな自負もあるんですけれども、その中で県とかですね、あとは(県が事業を委託している)官民連携事業研究所が、ガバメントピッチをやるに当たって、担当が私1人だったんですけど、6人も7人も集ってくれてですね、スライドを作るのであったりとか、課題の深掘りみたいなところをすごく一生懸命熱意を持ってやっていただいたなっていうのがすごく印象的です。
おかげで、うちの町、結構官民連携事業って実はたくさんやらせていただいてはいたんですけれども、あまり課題とかを決めずに、民間の事業者がやりたいプロジェクトみたいなのを自治体で実証試験をやってもらうっていうような取組が非常に多かったんですけれども、今回、町が課題に思ってるものを、民間から提案をいただくっていうものを、町としてもかなり久しぶりというか、滅多にない取組だったなと思ってまして、そういった中で町の課題っていうのを改めて言語化して明確化するってことができたなっていうところもありましたので、そういったところも非常に良かったなというふうに思ってます。
モデレーター 秋田
それまでは民間企業がこんなことやりたいんです、みたいなのをどうやって受けるかみたいなスタンスだったって感じですかね。
横瀬町 町田
そうですね。横瀬町、「よこらぼ」っていう官民連携事業をやってるんですけど、是非、民間事業者の皆さん気になったらググっていただければと思うんですけれども、もうまさに「民間企業がやりたいことを町で実証試験をやってみましょうよ」みたいなことをやってたんですね。これ、町の課題解決にもつながるっていうところもあるんですけど、町の課題に的確にヒットすることがあんまりなかったっていうのもあるので、今回町が本当にやりたいことっていうのをお出しできたかなというふうにも思いますね。
(参考:よこらぼ)
モデレーター 秋田
そういう意味ではちょっと新しいパターンの官民連携のやり方を、横瀬町は得たかもしれないって感じですかね。ありがとうございました。
次の質問に移りたいと思います。3つ目はさらに先に進みます。少し進んだ自治体に喋っていただきますけども、「提案企業との共創についてこれからどんな期待がありますか」ということで、まずは北本市から、お願いしていいですか。
北本市 國友
はい、北本市役所政策推進課の國友と申します。よろしくお願いします。
北本市は、北本団地という2000戸ほどある、50年ぐらいもう築年数が経っているような集合的な団地があるんですけれども、そこの活性化をテーマに、ガバメントピッチでは「ファンが広がり、好きが繋がる北本団地」というテーマで発表を行いました。
今、マッチングが成立して、今度記者発表もする予定(注:2月13日に発表済み)なんですけれども、現状は活性化っていうところを人と人とがつながる新しい場所だったり取組が持続的に続いていくようなものを作ろうということで、そういったものをスキーム化して実証実験をしていくっていうところまで話が進んでいるような状況です。これは、なかなか自治体だけだと難しいことで、自治体だけでできること以外のところを、多数のノウハウを持っている民間企業の力を借りながら進めていく。それを実証実験しながら、何回も回していくことで確立していくっていうところをすごく期待しているところです。
モデレーター 秋田
なるほど。その先の感覚でいうと、何か新しいものが生み出せそうな、新しいものでそういう場を作るとさっきの「よこらぼ」みたいな感じでいろんなものが生まれる場っていうところになると思うんですけど、そんな可能性って今、見出せていますか?
北本市 國友
そうですね、自治体がやるものって大体1回やって、何となく終わっちゃうものだったりとか、そういうものが多いんですけど、民間企業がちゃんと今入っているところが、何回も試行錯誤しながら1回で終わりじゃなくて1回目やって駄目だったところはこう直していこうとか、そういったような形でスキームを組めてるので、形になってきて、2,3年ぐらいかかると思うんですけど、そこで形になってくるんじゃないかなと思ってます。
モデレーター 秋田
今の話だと、今までの自治体では結構難しかったじゃないですか。ある意味仕様書があって、年度内予算があってという中でやらなければいけないけど、今回いろいろやって試してみよう、変えてみようっていう話と、2年3年やろうみたいな話があったんですけど、大分違いますよね、それって。
北本市 國友
そうですね、先まで見通してやることっていうのは、多分、なかなかなくて、今まで大体「この取組やってみよう」ってその次のことはあまり考えてなかったと思うんですけど、スキームを実証実験で繰り返していくっていうところが入っているのが、やっぱり一番大きいかなと思っています。
モデレーター 秋田
いろいろ繰り返しながら、いいものができるといいですよね。ありがとうございます。次、小鹿野町さん、お願いします。
小鹿野町 山下
小鹿野町役場地域商社推進室の山下と申します。よろしくお願いします。
先ほど横瀬町の方も言っていたのですが、ちょうど立地がこんな感じで、小鹿野町は(秩父地域で)一番端っこの、一番奥みたいな感じになっていて、観光入り込み客数的にもアドバンテージが全くなくて、中山間地域の過疎地域ということで、人口減少や高齢化もかなり厳しいという状況の中、何とかしないといけない、みたいな背景があるということで御承知おきいただきながらですね、我々が掲げたテーマは、外部から来る方にとっつきやすいのは、やはり道の駅が観光の玄関口になるのかなと。外部から来た人は、検索するときのキーワードで「小鹿野町」ってあまりピンとこない。秩父市の「秩父」という名前は、ピンとくるんで検索してくれるんですけども、それで検索してしまうと、やはり秩父市で終わっちゃうみたいな感じになってしまうので、「何か目玉を1個作れたらな」みたいな形で、道の駅を対象に森をコンセプトに。やっぱり山に囲まれていますから、何か尖ったコンセプトを持たせた形で、(ガバメントピッチで)発表させていただいたところですね、企業の方から多くの提案をいただいています。
「これからどんな期待がありますか?」というところなんですけれども、概ね5社様と御相談の方を進めさせていただいておりまして、全て一旦の短期的なゴールみたいのも見据えているところがございます。
イベントを実施することで効果検証してみたりだとか、アドバイザーを入れてみて現場改善を図ってみたりだとか、データの収集をDX的な観点でやってみようとかですね。それらの実証実験的な形の取組を短期的に行った後の先のビジョンを、やはり民間企業ですから、会社を持続させていく観点でアドバイスを多々いただいておりますので、町にこれまでなかった、先ほども(他の自治体の方が)述べられていましたけれども、町の視点だとちょっと足りないところがあるので、民間企業ならではの視点を入れてですね、自分の方も勉強になるというか、改めて目が覚めるというか、そういう思いを持ちながら期待を膨らませて今後に挑んでいく、今も挑んでいるという現状にあります。
モデレーター 秋田
なるほど、小鹿野町は珍しくて、1社だけじゃなくて5社ぐらいと同時に交渉を進めているというのは、大丈夫ですかそれは。体力的には。
小鹿野町 山下
はい、何とか頑張ってます。一緒にやってくれている新村さん(県が事業を委託している官民連携事業研究所のファシリテーター)も結構頑張っていますので。ありがとうございます。
モデレーター 秋田
なるほど、官民連携事業研究所のメンバーも頑張ってやってるっていうところですね。ありがとうございます。
最後に、先ほどからずっと名前が出てきていた秩父市にお願いします。
秩父市 山中
秩父市先端技術推進課の山中と申します。今、横瀬町の方と小鹿野町の方に囲まれて、同じ地域ということで心強いなと思って最後は喋らせていただきます。
モデレーター 秋田
やっぱり仲良いんですね、みんな。
秩父市 山中
今、我々は観光による2次交通の課題解決ということで、横瀬町や小鹿野町、秩父市もそうなんですけども、この山間エリアの中に広く観光スポットが点在しています。そことそこをつなぐ公共交通、バスだったりだとか、あとはタクシーやレンタカーといったモビリティもあるんですけれども、バスもなかなか本数が少ないということもあって、うまく観光地を回っていただくことが難しいというような課題がありました。
そこで新しい、そこをつなげていただくようなモビリティとかそういったものを御提案いただければなということで(ガバメントピッチで)発表をしたところです。民間企業からの提案を官民連携事業研究所に取りまとめていただきまして、全部でまず8社、ピックアップしていただきまして、その後3社ですね、自動運転バスとライドシェア、電動モビリティバイクというこの3つのノウハウをお持ちの事業者とWebでミーティングをしました。
今現在は電動モビリティのノウハウをお持ちの事業者と打ち合わせをしている最中でして、先月までで3回ミーティングを行ったところです。この中で今、ちょうど来年度、国の観光庁の観光に関する補助金のスキームの中で少し、来年度実証実験ができたらなというところを検討してまして、申請をするための費用の概算とか、そういったものを出していただいている状況で、今後そこを精査しながら次につなげられればいいなと思っているような状況でございます。
モデレーター 秋田
なるほど、ありがとうございます。モビリティの問題って、特に地方に行くとすごく難しくって、そもそも利益が出ないからなかなか事業者が入ってこないっていうパターンがあるんですけど、今回結構入ってきていただいて、さっきの観光庁の予算も使いながら実証やってみましょうみたいな話なんですけど、ゆくゆくはちゃんと提案してきていただいた事業者は利益が出る方法みたいなことも、提案はある程度出てきてるんですかね?
秩父市 山中
運用面のコストとかそういったものは出ていますが、やはりなかなか自治体がそのモビリティを直接買い取って、それを運用していくってなかなか難しいかなってところもありますので、どこかの事業者さんではない地域にいらっしゃる秩父地域の事業者に入っていただいて、運営をしていただくようなスキームができればなというところは考えてるんですけども、まだ現時点でそこまでちょっと踏み込んだところまでは話ができていないですね。
モデレーター 秋田
ということは先の方のステップとして、入ってきていただいているツール持ってるモビリティの事業者と地元の交通事業者を今度は組み合わせるみたいなことが、次考えられているステップ、可能性があるステップっていうことですかね?
秩父市 山中
やっぱり、今のモビリティの事業者も実証ありきということじゃなくて、その先の実装を見据えたところで実証ができればというようなお話いただいているので、そこの実装の部分を考えていかなくちゃいけないなと思っているところです。
モデレーター 秋田
なるほど、もう1個だけ。(トークセッションに参加している秩父地域の自治体が)3つあるかと思うんですけど、エリア的に隣り合っているところもあるんですけど、やはり交通とかって結構同じような課題で、同じようなエリアじゃないかなって思うんですけど、その辺の連携ってどうなんですかね?
秩父市 山中
まさにですね、デマンドタクシーをこの3地域でそれぞれやっています。昨年度、令和4年度は横瀬町と一緒にデジタル田園都市国家構想の推進交付金を使いまして、秩父市はそのときデマンドではなくて普通の、AIではなくて普通の交通をやっていたのですが、そこを横瀬町に倣って、AIのデマンド交通を入れたりということで、このデマンド交通で連携している3自治体になります。
モデレーター 秋田
ありがとうございます。
時間が来たのでこれで、皆さん申し訳ない、もっといろいろ自分のまちのPRもしたいし、喋りたいとかいうのはいっぱいあると思うんですけども、今のお話しした中でいろいろ興味のあるネタをやっているなっていう、自治体の方の顔がわかったと思うので、是非またこの後の交流とかでいろいろ皆さん捕まえて、話をしていただければなと思います。
最後、秩父さんの話であったんですけど、今回ガバメントピッチって、一地方自治体、市町村が「こういうこと困っています」というところから始まって、民間企業と組むっていうパターンをやってるんですけども、やっぱりその横同士、結構似た課題があるとか。競合するっていう場所もさっきの本庄市や美里町の話があったと思うんですけども、そういうのもあるかもしれないけども、お互いに連携ってしていかなきゃいけないので、官民の連携なんですけど、官官の連携もあるし、また民民、さっき言った地元事業者と外から来た事業者さんの連携もあるってことで、結構複雑にいろんなものが絡んでくるというのがあるので、たぶん1社が提案しただけではなかなか課題解決できないんですけど、いろんなところと連携が始まる良いきっかけになるのかなというふうに僕は聞いてて思いました。
ということで時間になってしまったので、これでこのトークセッションを終わりたいと思います。ありがとうございました。