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掲載日:2021年4月20日

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知事記者会見テキスト版 平成30年4月24日

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平成30年4月24日(水曜日)

知事発表
医師、看護職員の確保対策の成果について

医師、看護職員の確保対策の成果について(PDF:1,046KB)

知事

今日は医師や看護職員の確保が順調に行っているという御報告をいたしまして、県民の皆様にも大変心配をかけていることについても、若干方向としていい傾向だなということを知っていただいて、安心しろとは申し上げませんが、少しいい方向に行っているんだねということを確認していただければと思っております。まず、医師確保については、医師の総数は全国で9番目でありますが、10万人あたり一番少ないということがよく指摘されて、埼玉県としてもこれはまずいという考え方の中で医師確保、あるいは看護師確保については力を入れてきたところでございます。その結果が、例えば直近の2か年でありますが、平成26年から平成28年までの2か年の間に609人、これは全国で3位の増加数であります、医師の。増加率に関して言えば、同じく全国3位です。10年間を見ても、2,089人増加しておりまして全国で6番目。この間の増加率も21.8パーセントで全国で5番目でございます。したがいまして、平成28年12月31日現在で11,667人で、増加数が加わっても順位は変わりませんが、着実に増えてきているということでございます。とりわけ、初期研修医でありますが、平成15年から現在の制度になったわけでありますが、この間の増加数は177人で第1位であります。平成15年から平成29年。平成30年度の採用予定者数も342人で、5年連続過去最高を更新しているところでございます。増加率も平成15年から平成29年まで2.07倍で第1位ということになります。この部分がどんな意味合いなのかということを考えていきますと、例えばここに1都3県の首都圏だけを見ていきますと、埼玉県がこの赤の折れ線グラフでありますが2.07だと。初期研修医の採用予定者数の制度が始まってほとんど、例えば東京都は1.08であんまり増えておりません。神奈川県も1.11でそんなに増えているわけではありません。千葉県も1.45でそれなりに増えているところでありますが、埼玉県の2.07と比較すると、埼玉県が非常に伸びているということがここで分かります。とりわけ、この辺りから一気に伸びてきているところで、これはなぜだということでありますが、実は平成25年に県医師会と県が中心になって、埼玉県総合医局機構というものを創設してから、この初期研修医の数が大幅に増えてきていると。そして、直近の2年間の伸び率なども、この時期から正確に言えば伸びてきているという、このことの理由は次のページで御案内したいと思います。

なぜ、この医師確保がうまくできつつあるのかということについて改めて申し上げれば、まず埼玉県の、先程申し上げました医師確保や医師の偏在の解消、例えば小児が少ないとか産科が少ないとか、こういったものの偏在を何とか解消しようということで、コントロールタワーが必要ではないかということで埼玉県総合医局機構というものを平成25年12月につくりました。センター長は埼玉県医師会の会長であります金井忠男先生にお願いをしているところですが、この運営協議会の構成員として県立大学理事長、埼玉医科大学学長、公的病院協議会会長、県医師会副会長、県経営者協会専務理事、埼玉大学名誉教授、保健医療部長などが入っておりまして、委員会の構成の中にも、県内の主要病院長さん、県の医師会の主要メンバー、県の看護協会の主要メンバー、県薬剤師会のメンバー、県立大学など、関係機関の皆さんたちと一緒になって、とにかく医師を確保する、とりわけ医師の地域偏在を解消しようということを目的にコントロールタワーをつくりまして、まさに国の病床規制に対する様々な提案なども行いまして、特にこれまで5年前の国勢調査の人口で病院の増床を決めていたところですが、住民基本台帳でいいという新しい解釈になりまして、この段階でも1,502の増床が実現できるなど、大幅に医師確保の条件が整ってまいりました。具体的にどんな取組を行っているのかというと、まず高校生のうちから医師養成のための志をしっかりつくっていただこうということで、高校生の志養成ということで、県内病院での医療体験など、どんどんやっていただいて、医師の崇高な理念や医師の社会的役割などについて医師の皆さんたちと懇談していただくなど行っています。それから、奨学金制度を大幅に拡充いたしました。平成29年度までに215人の医学生に貸与しております。これまでたくさんの方々、215人の方々に。この方々には奨学金を貸与する代わりに、医師不足地域などに勤務をすれば返還免除というルールをつくって養成に勤しんでいるところでございます。また、県内の臨床研修病院への誘導を行っております。具体的には臨床研修病院の合同説明会を行う。あるいは見学ツアーなどを行ったりして、医師不足地域の見学会、研修なども行って、そういったところで、より医師の志というものを高める努力をさせていただいています。加えて、一旦研修医になっていただくと交流会や情報提供の場を提供して、できるだけ埼玉に定着していただくための様々な展開をしているところであります。何よりもキャリアを形成するのに支援をする、有力な病院などでモデル専門研修プログラムを作成したり、専門コーディネーターの設置など行って、要するに行き届いた研修をすると、そういうプログラムが要請されているということでございます。こういうのを着実に行うと、先輩連中が後輩の皆さんたちに埼玉の臨床医、あるいは初期研修というのは、プログラムが非常に丁寧になっているとか、研修内容が優れているとか、指導医が優れているとか、そういうのが着実に伝わっていきます。そうすることで、徐々に増えていくという傾向がきて、30年度は342人ということで、極めて数の多いメンバーが研修をすることになりました。また、地域医療教育センター、小児医療センター内に設置したところで、開設からの利用実績がございますが272件で10,077人、こうした様々な、例えば臓器のモデルなんかを置いて、そこで実際執刀すればどうなるかとか、そういったものを指導医の先生たちが来て具体的な形で指導するという、そういうことなどがこの地域医療教育センターの、非常にできたばかりで先進の機器類も揃っておりますので、研修のし甲斐があるというのでしょうか、そういう実態があります。私も見学しながらずっと見てきましたけれども、なかなかできたばかりの新しいところでもありますので、そういったものが功を奏していると思っています。

合わせて、看護師の方についても御報告したいのですが、こちらの方も順調に伸びておるところでございます。これまで、直近の2年間では増加数において2位と、増加率においても第1位と。10年間で第5位と、そして増加率では1位と。看護職員の総数、これは平成28年12月31日現在でありますが64,491人で全国で8番目に多い看護職員がいるということでございます。これまでの主な取組についていえば、新人看護職員の養成のために県内大学、養成所から毎年3,000人が誕生しております。約2,000人が県内に就職しております。そして、潜在看護師の着実な復職支援も行っています。結婚とか出産等でいったん看護師を退いた方々が、一定程度子育てが落ち着いた段階で復職していただけるように県の方で病院などを紹介し、一定期間病院での研修費用を県の方が負担して、病院側の負担を軽くするかたちでお願いして、こうしたものが功を奏しまして年平均600人が現場に復帰したりしております。また、離職防止・職場定着の促進ですが、特に子育てということになると、病院内保育所の運営が一番ポイントにきますので、この病院内保育所をつくっていただきたい、それからつくっていただく場合には県としても運営費の補助をさせていただくということで、こうした利用者数が年間3,000人以上おります。こうしたことにおいて、年平均1,700人程度の増加がこれまで実現してきたということでございます。とりわけ、直近の2か年がさらに、これまでと違った勢いで増加してきているということですので、着実に打ち込んできた様々な成果が具体的な形で実りつつあると、こんなふうに理解をしているところでございます。引き続き、関係機関の御協力を得て、さらに成果が出るように努力していきたいと考えております。まだまだ、これから高齢化社会に向かって、医師、看護師、あるいは介護にかかる職員の定着というのが非常に重要だと思っていますので、埼玉県としても各関係機関の皆様と同時に協力して、その充実に努めていきたいと考えております。以上です。

NHK

幹事社から2問ほど伺います。まず、医師確保の取組の点で、おそらくいろんな取組が総合的に功を奏したということがあると思うんですけど、知事がお考えになる一番県内定着に着実に成果を上げている理由というか、それは若い時からの意識改革なのか、それともまさに奨学金のように経済的な意味での支援なのか、その後の交流の場を設けるというかたちなのか、何が一番確保に向けて効果を発揮している取組だとお考えになりますか。

知事

基本的には2つかなと思っております。1つは奨学金制度の拡充で、医師の勉学には大変な費用がかかるということでありますので、事実上医師の子供に生まれなければ私立の医大などは、まず卒業できない。入学卒業ができないという現況がございますので、そうしたところでも普通の家庭の子供でも、この奨学金を活用することでできると。ただし、縛りがあると9年間医師不足のある地域であるとか、あるいはまた小児や周産期などの地域的に偏在感のあるところに勤めていただくとか、そういう縛りはあるのですが、ただ医師を志している方はそれなりの使命感がありますので、仮にその縛りがあっても学費が免除できるのであればその奨学金を活用したいと思われる方々も決して少なくはないと。こうした数が300近く(貸与者累計215人)、これまでに出てきておりますので、時間が経てば経つほど、この奨学金を受けた人たちがどんどん卒業していくと、したがってどんどんそういう方々が初期研修を埼玉で受けて、そのまま任地に向かわれるというパターンが増えてきますので、時間が経てば経つほど埼玉県的には有利になると。もう1つは、それだけではダメで優秀な医師や優秀な機器が揃った病院などで研修をしっかり受けられるかどうかという空間の問題です。経済的な問題ではなくて、今度は自分自身のスキルアップとかステップアップとする空間、それがまさに金井プランと通常私たちは言っていますが、現在の医師会会長であります金井忠男会長が、こういうのやりませんかと、今のままだとなかなか全体をコントロールしているところがないと、かつては医局制度というのがあって、力のある教授などが自分の教え子たちをいろいろ頼まれていろいろ総合的に考えて、どうだろう君はあそこに行かないかと、そういう指導ができたけど今はそれが無くなっていると、縛りが。したがって、縛るわけではないけれども、まさにコントロールタワーでどうですかと、仮に埼玉で勉強したいという方々も我々のプログラムで少し勉強されて、良かったらこのエリアに行きませんかとか、そういうことをこちらの方で勉強された方々が。埼玉医科大学の学長をはじめ、有力病院の、有力な病院長もしくはそれに準ずるような学科長というのでしょうか、そういう方々が参加されていますので、そういう方々の高度な指導を得て、結果的にさいたま赤十字病院に行くとか、あるいは小児医療センターに行くとか、何々病院に行くとか、有力な病院もたくさんありますので、そういう200人とか300人クラスの医師がいるようなところは20名、30名なんかの研修生を受け入れることができるわけですね、大きな病院などは。そうすると、仲間意識もありますので、そういう中で切磋琢磨して育っていくという。この奨学金制度とまさにこのコントロールタワーができたこと、この2つが主な原因、このコントロールタワーでしっかりと研修をやって指導を行っていただいているという、これが一番のポイントで、交流会とかまさに20人、30人単位でお付き合いをしている話が、場合によっては100人、200人単位でのお付き合いの可能性が出てくるというような流れにもなってくるし、また、友人や良き先輩とか後輩につながっていくとか、そういうものでどちらかというと、奨学金制度と埼玉県総合医局機構、この2つの部分が着実に功を奏していると理解しています。

NHK

ここまで成果を上げてきたということですけど、これは改めてですけど、今後の目標というか、それは数値なのか、ここまでは引き上げたいとか、今後の目指すべきところを改めて教えてください。

知事

時間との勝負みたいなところがありまして、先ほどもちょっと申し上げました。奨学金を獲得される学生の数が年々増えております。この数である程度見込まれます。もとより、それは50人いらっしゃれば1人は何かの事情で返還できるので、埼玉に留まる理由はないということがあったりするかもしれませんが、大体基本的には留まっていただきますので、この奨学金の卒業生の数が将来の人数につながっていきますので、その数(貸与者累計215人)、今ちょっと手持ちで持っていませんので、その数である程度積算ができます。加えて、日赤や小児(医療)センターという、駅前留学ではありませんが、駅前の場でもありませんけれども、駅前の交通至便なところに有力病院ができたというのも魅力の1つでもありますので、大量にさいたま日赤などでは研修生の受け入れが可能になっている。また、比較的、埼玉医科大学あるいは(上尾)中央病院グループなど大きな病院はたくさんの研修生の受け入れ態勢ができるということで、これが受け入れ態勢がなかったら、いかに埼玉が好きだと言っても、受け入れる病院がなかったら話になりませんので、当然それとの見合いになってきますので、埼玉県的にはやはり医師の数が増える、そして病床数の確保を確実にしていく。今後、順天がこられて、順天の枠がまた増えてくる、そうするとまた枠組みが増えますので、たくさん手を挙げて埼玉で勉強しようという方が増えてくる。このいい循環がくるので、かなり今後、期待が持てると思っています。もちろん交通の便なども、地方から出てくる方々にとっても、東京に勝るとも劣らない交通の至便さというのも、やはり今後大きな要因になってくるのではないかと思っています。

埼玉

着実に施策が実を結んでいるということですけれども、敢えて今後さらに定着を進めていくために、敢えて課題を挙げるとしたら、どういったところが課題になってくるでしょうか?

知事

やはり受け入れ先の充実がないと、むやみやたら増やせるわけではありませんので、やはり今後は順天堂大学がより早期に、着実に、工期を早める努力などをしながら、また、場合によってはキャパのあるところですので、より拡大をしていただくとか、こういったことも重要な要素になってくると思っています。埼玉県、当然、医師も多ければ患者さんも多いもので、患者さんを取り扱うことによって、より優秀な医師が育つ。より優秀な医師が育てば、より優秀な指導教授が増えると、そういう優秀な指導教授の下にまた人が集まるという循環ができますので、今後はやはり、それぞれの病院が手を挙げて拡大される時に、残念ながら病床の枠がありませんと、したがって医師を増やすことができませんということにならないように、不適切な今、病床基準になっていますので、西高東低と言われるような、必ずしも実態に合っていない病床基準が出来上がっていますので、引き続き厚労省に対しては適正な病床基準を設定していただいて、大幅に病床がアップするように、埼玉県に関して、そうすることで意欲のある病院などは手を挙げられることによって、医師を多く研修できると、医師の研修が多くできれば、そこにまた立派な医師が育っていく可能性があると、立派な医師が育てば、また立派な医師がそこで養成されていくといういい循環がつくられていくと思いますので、まずは病床基準の是正を迫っていくということだと思います。

朝日

採用が増えているのは分かったのですが、医師の偏在が解消されているかどうかについて、知事はどう考えていますか?

知事

比較的、小児に関しては着実に偏在の部分が縮小しております。ただ、周産期の方がまだまだ希望が少なくて困難な状況にございます。ただ、色々希望を聞くと、必ずしも一般的にリスクの高い周産期や小児みたいなところを嫌っているというわけではなくて、敢えて積極的にそういったところに行きたいというのが、比較的埼玉の関係の研修医の、まさに研修医の一年生というのですか、晴れて一年生になった人の30人と意見交換しましたけれども、案外皆さんがそっちの方面に進みたいというような話をされておられましたので、すごく嬉しかったのですが、やはり埼玉で医師になろうという人たちは、そこの部分を少し意識されているような気があるかと思います。何が足りないかといったところはやはり気にして、そこの方面に行かなければというような意識が結構あると思っていますので、今後そういった気持ちが途中で挫折しないように研修プログラムや指導教授の力で、気持ちを持っている人たちをそのまま全うにお育ていただきたいなと思っています。自分がやれるものではないもので、またそちらの方にお願いしなければいけないことですけれども、できればやはりそういったところを特にお願いしたいなと思っているところです。

東京

知事が冒頭におっしゃられた人口当たりの医師数ですけれども、全国最下位ということですけれども、今、順調に増えているこの状況が続くと、知事としては最下位脱出は可能だとお考えですか?

知事

これも最下位脱出がいいか悪いかというよりは、一番大事なのは現在、地域偏在、そしてまた分野偏在、これを減らすことがもっと大事ですので、結果としてどんどん増えて、最下位を脱出したり、あるいはもっと上位にいくということは時間との闘いだと思っていますので、そちらの方はあまり気にしないで、できるだけやはり、地域偏在、例えば秩父エリアであるとか、あるいは利根エリアであるとか、比較的交通の便の悪いようなところ、こういったところで、若い人は街の中が好きですので、そういったところに確実に医師が配置されること、それから今、小児の方は徐々に解消しつつありますけど、周産期の方はまだ光が見えてませんので、周産期の方、産科医の方ももっと増える、仕掛けが功を奏するかたちになってくれば、そちらの方が優先課題、地域偏在と医師偏在、分野偏在というのでしょうか、診療科偏在、この部分が一番大事なことだと思っています。量の問題は、うまくネットワークを生かせばいくらかカバーできると思っていますので、そのへんは時間との勝負で焦ることなく、時間が経てば自ずから増えてくると理解していますので、何とか地域偏在、診療科偏在、これを早く解消したいと思います。

東京

おっしゃることは良く分かるのですが、ただ最下位というのがどうしても象徴的に見られてしまう部分があるかと思うのですが...

知事

これは数字のトリックみたいなところがありますので、医師が少ないわけではなくて、結果的に多いわけでありまして、埼玉県も。ただどうしても人口割にすると少ない、それもちょっとした怪我や風邪などは勤めている企業先の診療所などで皆さん治療される、そういった部分もありますので、実態がそうだというかたちには決してなっていない。例えば場合によっては50万人分抜いてもいいのではないかとか、100万人分抜いてもいいのではないかというような話もよく聞きますが、どこを抜けばいいかというのは細かくもっともっと分析しなければいけないかもしれませんが、実際、都内で医療行為を受けておられる方々がたくさんおられることも事実だし、本庄周辺まで来ると、むしろ大宮あたり出てくるよりも高崎の方が早いとか前橋の方が早いということで、大きな前橋の病院とか高崎の病院に行かれるとか、こんな話もございますので、そういったものを差し引いたときにどうなのかなというところを細かく分析して、開き直って実質はこうですよということを私は言うつもりはないですし、言いたくもないですから、それはそれで重く受け止めながら、どちらかといえば、最下位がどうのこうのということではなくて、医師はそれなりに多いということ、それから一番我々が心配しなければならないのは、地域偏在ということと、分野別の偏在が著しい形にならないようにすることが一番のポイントだと思っています。あとはまさに救急車が着実に来て、救急の搬送ができることとか、あるいはドクターヘリが着実に運航して、救急時に人を救うことが可能になるとか、そういうことが一番大事だと思っていますので、あまりそこでこだわって粗製濫造みたいなことになるのもいけないと思っています。

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幹事社質問
財務事務次官のセクハラ疑惑について

NHK

財務省の福田事務次官が女性記者にセクハラ発言をしたとされる問題に関しまして、大きく2点伺います。1点は今日の閣議で事務次官辞任というのが認められて、正式に承認されたわけですけれども、改めてこの一連の財務省をめぐるセクハラ疑惑の問題に関して、知事はどのようにお考えかというのが1点、それから今回の問題に端を発して、財務省に限らず組織の中でのセクハラをどう撲滅していくかということが改めて議論になっていますけれども、埼玉県としてこうした被害を生まないための取組ですとか啓発活動、あと、残念ながら起きてしまった場合の通報とか対処の仕方ですとか、どのようにこの問題に向き合っていらっしゃるのか、この2点についてお聞かせください。

知事

報道されていることが事実とすれば、たぶん事実に近いというような感想を私は持っておりますが、そういうことが起こっているということは、もう明らかに女性に対する人権の侵害行為だと。何か1つ誤解があるみたいな感じがいたしますね。加害者は自分自身が主観的に加害者ではないという考え方に立つのではなくて、被害者がどう受け止めたかというところが一番のセクハラのポイントですね。ここのところを、根本的に分かっておられないと思われます。自分としてはそんな気持ちで言ったのではない、というのは通用しない。被害を受けた方の感性がそういうことであれば。しかも残った録音などによれば非常に品のない言葉遣いなどが見られるところですので、これはもう明らかに一般的に言えば、そのくらい言われて慣れているわよという人の範囲をはるかに超えているのではないでしょうか。少なくとも一般社会では、少なくとも例えば県庁であのようなセリフを聞いたら不愉快千万という話だと思いますので、多分に普通の男女の会話の中で、そういう会話が女性記者に対して行われること自体、ちょっとやはり常識に欠けておられる、そんな気持ちがなかったと言うことは、もう全く分かっておられないと、セクハラというのはどういう意味なのかという、そう私は受け止めております。それから県がどうしているかということでいえば、今の部分が非常に重要でありまして、自分ではそんな気持ちがないんだと、パワハラとかセクハラというのは、そういうことを言いたくなる部分があるので、それは違うと。相手がどう感じるかがポイントだよということを、常に理解をしておかなければならないということです。個人の主観でものを判断しないで、相手側の感覚で勝負しなければいけないということを、普段から学んでおかなければならないと。これはかつてはそのようなことを学ばなくてもよかったのですが、今は完全にこれを学んでおかないと、ある意味では社会的常識に欠ける方になってしまいますので、県では各課に男女1名ずつセクハラなどの防止(推進)員をつくっておりまして、その防止(推進)員を通じて最小限度の研修を行っております。また、防止(推進)員そのものがまた研修を受けなくてはいけないわけですね。どういう教え方をすればいいのかということで。ちょうど4月18日にその研修を終えたばかりです。この防止(推進)員を中心に各課で「こういう事はだめなんだよ」と。「自分自身がどう思うかというよりも、相手がどう思うかかがポイントだからね」と。そのポイントは何だということについてきちっと理解していただくということをやって、県においてはそういうことが無いようにということで、あらかじめ申し上げれば、ではセクシャルハラスメント、俗に言うセクハラの相談件数が具体的にどうなんだと申し上げれば、27年0、28年3、29年0ということで、残念ながら28年に3件あったということですので、やはりあることはあったと。何らかのかたちで感じた人がいて相談があったと。この中身まで詳しくは聞いておりませんけれども、より強いものなのか軽いものなのか、ここまでは聞いておりませんけれど、軽いものであってほしいなとは思いますけれども、過去3年で3件あったと。3か年で3件と。そういうことで、0の年なんかもございますので、まあまあできているのかなと思っているところです。

NHK

知事、1点だけ。数字の話ですけれども、届出というか件数としては客観的にはそういう事かなと思うんですけど、あるという前提で聞いてるわけじゃなくて、一方で今回の問題でもよく言われましたけど、非常に届け出しにくいというかですね、言いにくい問題だっていう事でまた別の議論もあると思うんですけれども、そうした意味では今のところこういう3年間で3件という状況ですけど、より例えば窓口の通報のしやすさとかですね、客観的な課所に言える通報の仕方とか、何か今後工夫していかれる所って、改善していける所はありますか。

知事

それがまさに防止(推進)員なんですね。特別な窓口があるとそこには話し辛いんですね。普段から仲間意識の中での上司もあれば先輩後輩もあるかもしれませんけれども、基本的には仲間内ですので比較的ものが言いやすいということです。一応、見聞、受けた人だけではなくて、こういう話を聞いたとか見たとか、そういう人も相談ができるということですので、いくらか窓口が広い、こんなふうに思っているところです。今のところはそのレベルで止められる。それ以上の話になってくれば、当然、もう場合によっては法律相談の話になってきますので、そこから先になってくると当然また訴訟の問題だとかそういう話だと思いますので、そこまで至らないように我々はするというのが1番大事な事だと思っています。内部で20人の中から2人、20人から30人ぐらい、課によって違いますけれども、2、30人の課の中で男女それぞれ1名ずつ選んで、そういう防止(推進)員が皆さんに対して「こんなことがあったらこうします」ということで「遠慮なく相談してください」ということですので、2人でどちらかには相談がしやすいだろうと。よしんば2人とも相談しにくければ、他の課の方に相談すればいいと思いますし、他に全体を見る人事委員会などもございますし、そういった所は第三者機関でもありますので、そのようなところにも相談ができるはずだし、いくつかやはり実質的な窓口はありますので、そのあたりで止まるというのでしょうか、相談の窓口が結構それなりにはあるのではないかと思っています。

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その他の質問
久喜市長選挙について

テレ玉

先日の久喜市長選で現職の田中市長が敗れまして、田中市長は市長会の会長も務められてますけども、会長が落選したというのは今までになかったと思いますが、それについて知事の受け止めを伺えればと思います。

知事

いささか厳しいというお話は聞いてましたけど、まさか敗北されるとは思っておりませんでした。原因が何なのかというのは、中々見にくいのかなと思います。長いとかというお話もありますが、新しい久喜市になってからは今度が3期目ということになりますし、久喜市全体では合計で6期目になるというかたちになるのが長いというふうに思われたかもしれませんし、旧菖蒲や旧栗橋、旧鷲宮にとってみれば2期8年ということですので、そうでもないと。何か特別な失政があったかというと、そうには思えないと。むしろ、子育ての全国ランキングなんかでは非常に高く、埼玉県では1位とか、意外に久喜市のようなやや県北寄りというのでしょうか、県東部寄りの市で子育てナンバー1などという評価を得られるような実績もありますし、圏央道と東北道との交差点でもありますので、企業誘致などでも実績が非常にあると。こうしたところでいくと、あまりそんな失点があるとも思いません。ただ、いくつか考えられるところでは、済生会栗橋病院の一部が加須の方に移転したいという話が済生会病院の中では意思決定がなされたと。ただその中身がどの程度なのかというのもまだまだはっきりしてませんし、それまでにまだ時間もあることだし、どのような形で、例えば本体の方にどの程度残すのかとか、そういったのも細かくはできてませんので、まだそこが決定的に失敗したとかという話ではない。盗られたという話でもないと。一方、厚生連、つまりJA系の病院であるところが新久喜総合病院になって、こちらの方が非常に活況を帯びているというのでしょうか、非常に丁寧な医療体制ができているということで、こちらの部分ではむしろ骨を折って頑張っていただいたわけですから、そちらの功績で帳消しになるぐらいの実績にはなるのではないかとは思いますし、プラスの面を一生懸命自分で言うのは難しいんですね。自分で自分を褒めるというのは。その辺を周りの方々が丁寧に説明ができればよかったんでしょうけど、逆にマイナスのところに見えるようなところを、「東京理科大学が逃げたじゃないか」とか、「済生会栗橋病院の一部が加須に行ってしまうじゃないか」とか、こういう話というのは割と分かりやすいので、そういったものがすごくマイナスに聞こえたかもしれませんね。病院のことに関していえばまだ細かくは決まってないし、それをはるかに補う以上の状況が新久喜総合病院の方で行われていますし、東京理科大学の方も考えようによってはちゃんと補償をさせて大きな空間が残ったわけですから、それを最大限に活用していけば、これはまたこれでいい話だったのかもしれません。無茶苦茶多くの学生がいなくなったわけではありませんので、元々少人数の学生ですので、見合いでいくとどうなのかなというような、そういう損得勘定なんかが丁寧に説明ができなかったのかななどというような感じはいたしますね。中々立派な方ですので、往々にして立派な方は自分の事をよく褒めることができませんので、その辺が少し、十分、市民に浸透しなかったのかなと思っています。マイナスイメージの部分は浸透しやすくて、そんな感じがいたしますね。もし敗因があるとするとそんなところでしょうか。

テレ玉

会長と言う立場で臨んだ選挙でこのような事態になるということは今までなかったことだと思うんですが、その点についてはいかがですか。

知事

それはたまたまもう会長だからどうにもなりませんね。会長だから当選するという事でもないでしょうし、たまたま当落に関して決まって、今たまたま市長会の会長であるということですので、これはどうにもなりませんね。もうコメントのしようがないという感じがします。

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順天堂大学医学部附属病院等の整備計画について

朝日

順天堂の病院に関して伺います。改めてなぜこんなに建設が遅れることになったのかについて教えてください。

知事

2点です。まず土地の取得に関して、一般的にはそうですが、やはり遅れがちというのが1つです。地権者との交渉の中で県の取得が約2年前、市の取得が1年前というかたちで、基本的にもう少し1年ずつ早く取得する予定になってましたけど、県も市も取得の時間が遅れたことが1つ。もう1つは順天堂大学そのものの計画が大きくなったことです。これによって環境アセスなどの作業が入りましたので、それをやってからでないと事業ができなくなりました。この2点です。我々の方の取得が遅れたこと、ただ、この手のやつで強制しようという話では中々ありませんので、10年も道路で1軒だけががんばっていて、中々言う事を聞かないから強制しようというのだったらともかく、極めて短い時間の間で取得をさせていただいたことも事実ですので、ではぐずぐずしているから強制収用かという世界ではありませんので、これはもう1年ぐらい予定よりも遅れたことについては御理解をいただくしかない。この点では順天堂的には御理解をいただいております。ただ順天堂の計画が大きくなりましたので、敷地の規模が大きくなることで環境アセスが入ったので、これでまた遅れるということになりました。

朝日

建設が遅れることでどのような影響があるというふうにお考えでしょうか。

知事

先程も少し申し上げましたが、1年早ければ1年分早く僻地へ研修生を送ることが可能になります。できてからすぐ送れるわけではありませんが、それもまた6年後の世界になりますけれども、それでも7年後、8年後よりは6年後の方がいいわけですから、そういう部分が遅れるわけであります。当然、従前の、まだ協定書そのものは結んでおりませんが、内々の話し合いの中でそれを了解していただいてますので、大学院を卒業された方々が初期研修を受ける場合、埼玉からいわゆる僻地というのでしょうか遠隔地に派遣することについて同意をいただいてますけど、人数はどの程度にするのかというのは細かく打ち合わせしておりませんが、そういった部分で人数を順天堂大学の方でも確保できるというのは強みですね、我々とすれば。先程の事ではありますが、まさに地域偏在を解消する部分では非常に助かると。この部分が6年後の予定のものが7年後、8年後になっていくという部分での遅れ、こういう影響はあります。

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ラグビーワールドカップ2019™公認キャンプ地について

埼玉

ラグビーワールドカップのキャンプ地についてお伺いしたいんですけれども、先日、県内のキャンプ地がさいたま市と熊谷ラグビー場の周辺ということで決まりましたけれども、それの受け止めと今後期待することをお聞かせください。

知事

大変7つ(後に「7か国」に訂正)、県やさいたま市、熊谷市で受け入れるというかたちで、ありがたい発表をいただきました。これをまた機会に、やはりつい先だってもそうなんですが、所沢にイタリアの競歩の選手たちが来て、所沢の航空公園などを集団でユニフォームを着た明らかに何か違う集団というかたちで、皆さんが指差して「どうもオリンピックの選手らしいよ」とかいう話で、新聞などを皆さん読んでいらっしゃいますので「あれがそうか」というかたちで自ずから盛り上がる部分が、皆さん何か「がんばって」とか、何かお声掛けをしていただいているそうです。それと同じような効果が具体的にやはりキャンプをやっていただいて、練習をしていただいて、あるいはまた宿泊地に泊まられることで、ちょっとホテルからコンビニに来るだけでも「おっ」という感じになってきますし、ちょっと街中を散歩されるだけでも、やはり違うことがはっきりしますので、「あ、始まるんだな」というやはり実感というのですか、そういうのが全体としてのラグビーワールドカップ2019の盛り上げに役に立つので、やはり何か具体的なものが、僕らが一生懸命色んなアピールはしているつもりですけども、やはり選手が来られてキャンプをされたり、具体的に市民と交流されるというのですか、これが1番インパクトが大きいのではないかなと思っていますので、そういう点では1日でも早くキャンプ入りしていただきたいなと思っています。

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「T・T彩たま」について

埼玉

先日、10月に開幕する卓球のTリーグにさいたま市を拠点とする男子のチーム名が「T・T彩たま」と発表があり、また、同チームにはリオデジャネイロ五輪団体銀メダリストの吉村選手が加入をするという発表がありましたが、この件に関する知事の受け止めと、今後、県と卓球の関わりといいますか、何かスポーツ振興、健康増進などに何か関連していくようなお考えがあればお聞かせください。

知事

卓球も比較的パワーが無い人でも幅広く世代を超えてやれるというかたちで人気があります。ちょっとした空間で卓球はできるということで非常に裾野の広いスポーツですので、そういうプロチームが埼玉に「T・T彩たま」、まさに彩の国の「彩」と普通のひらがなの「たま」を使って埼玉をアピールに繋がりますので。また、メダリストの吉村選手も加わられるという話も聞いておりますので、そういったことを考えるとそこそこ人気が出そうでありますので、より有力なチームになっていただいて、日本全体の中でトップ争いをされるようになると、自ずから埼玉のイメージアップにもつながりますし、卓球の裾野が広がることでスポーツ人口が増えて、さらに健康長寿の枠組みが増えていくことを大変期待をしています。大変ありがたいなと思っています。何かいい名前を付けてくれたなと、そう思っています。

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(終)

お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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