インタビュー・コラム

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掲載日:2025年3月27日

株式会社コマーム

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プロフィール

【株式会社コマーム】
「こころま~るくむすぶコマームは『子育てにしあわせな社会』を創造します」を企業理念に、1995年に木型製造業の有限会社コマツの子育てフォーラム事業部として主婦3人で設立。子どもと保護者だけでなく、地域社会や社員にとって「子育てにしあわせな社会」を目指した保育・子育て支援サービスを提供している。
また、「人は財産である」という考えから、2020年に人事部を「人財部」に改称。「人材」ではなく「人財」として、一人一人が価値を持ち、成長できる環境づくりに力を入れている。
埼玉県「多様な働き方実践企業プラチナ」認定、埼玉県「シニア活躍推進宣言企業プラス」認定、厚生労働省くるみん認定等を受ける。

従業員:885名うち、女性796名、男性89名(2025年2月現在)

○取材対象者○
人財部・総務部部長  村井  昭仁(むらい  あきひと)さん
人財部・総務部課長  小松  将人(こまつ  まさと)さん

URL:https://comaam.jp/

女性が働きやすい柔軟な働き方のできる職場へ

コマームで働くスタッフは、9割が女性です。女性が、「結婚・出産・育児など、様々なライフイベントがありながらも社会と繋がっていられる環境を創りたい」という創業者である主婦3名の想いから会社がスタートしました。

コマームには、正社員や短時間正社員、契約社員、パート社員、スポットスタッフなど多様な働き方がありますが、それはスタッフ一人一人が「働く」ということを軸に「今、何を大切にしたいのか」を共に考え、追い求めてきた結果でもあります。

また、スタッフ間の「お互いさま」の心も大切です。現在も多くのスタッフが家庭と仕事を両立していますが、子どもが急な発熱で看病しなければならないとき、学校の行事に参加したいときなど、施設内で助け合うことは勿論のこと、他施設や本社からのヘルプ体制を作り対応しています。

これからは、育児に加えて介護との両立に悩むスタッフが増えることが予想されます。これまでにも増して柔軟な働き方ができるよう制度を整えていきたいと考えています。

社員として働きたいが、家庭も両立したいという方のために、短時間正社員という6時間で働ける制度を導入しています。
そのほか残業時間を減らすために毎月社員の残業時間を会議で共有して残業の多い施設の対策を考えたり、残業申請に終業1時間前までの承認を必要とするなどの工夫も行っています。

                    職場

仕事と家庭の両立がしやすい制度と環境づくり

産休や育休に入る前のサポートには、やはり自分が施設を空けることに不安を抱く社員が多いので、安心して休みに入ってもらえるように本社の社員も交えつつ、誰に引き継がれるのかというところまで、しっかりフォローしています。

休業から復帰する時には、短時間勤務制度を希望する社員が多いです。その場合は子どもが小学1年生になるまでは短時間勤務を選択することができます。中には短時間勤務になって、元々仕事をしていた施設の労働条件と合わなくなってしまうようなケースもあります。そういったときは、社員が何を優先したいのか、例えば、子どもとの時間を優先して短い時間単位で仕事をしたいのか、仕事内容にこだわりたいのかなどによって、最大限会社として希望に沿うような形で対応しています。

また、育児や介護休業などは、法律で定められたものより少しだけでも上回るような対応をしています。例えば、子の看護休暇は、就学前のお子さんを看護するため、1年間につき5日間の休暇を取得できる制度ですが、コマームでは小学校1年生まで1年につき6日間取得できるようにしています。法律が労働者にとって有利に改正になったときは、もう一歩スタッフを優遇できるように就業規則を変えていこうというのが当社の方針なのです。

この先を支える人財を育てる

現在、管理職は男性5名、女性1名ですが、来年度には女性管理職が2名になります。
当社は女性管理職を50%以上にすることを目標にしており、そのための様々な研修を行っています。

次世代の育成が会社として大きな課題であり、例えば、施設長を支える立場の副施設長の方たちに対して、リーダーとしての心構えやマネジメントコミュニケーションの手法などを学ぶ機会を作るようにしています。

そのほか、全スタッフを対象に基礎講座という入社時研修を必ず受けてもらい、会社の理念やビジョン、保育方針について学んでもらうことにしています。また、入社したスタッフが安心して仕事に就くことができるよう、配属された部署ごとに分かれて専門分野の基礎を学ぶようにしています。
仕事と学校を両立して保育士資格の取得を目指す高卒者向けには、会社で学費を負担する就学支援制度もあります。

今後は仕事に関する学びを希望する声が上がった時に、会社として資格取得を目指す社員を応援する制度も取り入れたいと考えています。

様々な人財が長く働きやすい環境にするために

60歳定年で再雇用が65歳までという定年制度は設けていますが、その後も健康状態などに問題が無ければ、正社員であれば契約社員、非常勤職員であればパート社員として、引き続き雇用を継続している場合が多いです。今も契約社員として76歳、パートだと82歳くらいの方も働いています。長い方だと創業した頃から働いている方もいて、勤続10年20年30年という節目には、会社側からお祝いするなど、長く勤めている方には、ありがとうという気持ちを伝えさせていただいています。

今ダイバーシティが謳われる中で、保育もいろんな人財が働きやすくなるように、例えば髪型や服装の自由化など、働きやすい環境や募集しやすい環境にしていくのが必要かなと思っています。その中で人員を確保するための処遇をどうしていくか、課題も感じています。昨年は埼玉県アライチャレンジ企業にも登録しましたが、LGBTの方にも働きやすい環境にしていくために、より制度を充実させていく必要があると考えています。

保育の仕事の魅力をもっと伝えられる会社に

保育の仕事は大変というイメージが定着しており、そのイメージを払拭できる会社にしていきたいと考えています。

潜在保育士という言葉もあるぐらい、保育士の資格は持っているものの、保育から離れてしまっているような方も多くいます。

また、児童館の仕事や放課後児童クラブの仕事など、資格がなくてもスタートできる仕事もあるのですが、そのことがあまり知られてないがゆえに選択肢に入らないようなケースもあります。今後はそういった方に向けたアピールや広報活動も必要だと思っています。

あとはキャリアの話になりますが、自分がこの会社に入ったらどんなふうに成長していけるのかを、もっと分かりやすく見えるようにしないといけないですし、実際にそうなっていけるような制度をしっかり作り込んでいきます。

コマームは、子育て支援にかかわる様々な事業を展開しており、成長のチャンスがたくさんあります。「専門性を深めたい」「専門性の幅を広げたい」「リーダーとして施設運営をしてみたい」「本社でマネジメントを学びたい」など、スタッフの「なりたい」を実現できる会社を目指していきたいと考えています。

                会長
                                                                                               (小松君恵取締役会長)

 

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