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埼玉県職員を希望する皆さんに対し、先輩職員からのメッセージです。
年月 |
所属 |
令和 2年 4月採用 | 現所属 |
療育手帳の判定及びそれに関係する事務、子どもの心理判定、子どもに関する電話相談等を行っています。
療育手帳の判定業務では、子どもに知能検査を実施したり、保護者から成育歴や生活状況を聴き取り、療育手帳の等級に該当するかどうかを判定しています。
心理判定業務では、虐待や養育者不在等の理由により親から離れて暮らしている児童や、発達・性格行動に課題があり、児童相談所に通所している児童に対して心理検査等を実施しています。検査後に、子どもや保護者、関係機関などに対して検査結果を伝えることも大切な業務の一つです。ただ結果だけを伝えるのではなく、その子の特徴や生活の中で起きている課題など理解してもらい、これからどのように支援していくかについても一緒に考えています。必要に応じて、子どもと継続面接を実施することもありますが、面接を繰り返す中で少しでも子どもや家族に変化が見られるとやりがいを感じます。
草加児童相談所には約50名の職員がいます。児童心理司が約10名で、その他は児童福祉司などの専門職が在籍しています。他の児童相談所と比べて、小さな事務所ですが、所全体で協力しながら業務を行っています。
心理職は基本的に一人で子どもの対応を行うことが多く、対応の難しさを感じることもあります。しかし、上司や先輩に“どのように面接を進めていくか”“どのようなことに気を付けたらよいか”などを相談することで、新たな視点を持つこともできます。このように丁寧に話を聞いてもらいながら相談できるため一人で抱え込まず、仕事に取り組むことができています。
また、心理職のみで行う研修もあり、子どもに接するときの先輩方の姿勢や対応などを学ぶ機会にもつながっています。場合によっては、福祉職等他の職種の職員とチームになって対応することもあります。子どもや保護者の情報を共有し、今後どのような支援が必要かなど意見を交わし合うことで支援の幅を広げることにつながっています。
時刻 | スケジュール |
9:15 9:30
10:00 12:00 13:00 14:00 17:00 18:30 |
出勤 1日のスケジュール確認 メールチェック 療育手帳の判定 昼食 電話対応、記録作成、出張準備など 児童の心理判定 電話対応、記録作成など 退庁 |
親と離れて暮らしている子どもとの面接で、初回と2回目に会ったときの様子や態度などが大きく変化したことが印象に残っています。初回はとても明るく、活発な子でしたが、2回目は目も合わせず、ほとんど無言状態でした。子どもの変化に驚き、何かしてしまったのか、次回からずっと無言かもしれない、など様々な不安を感じました。上司や先輩方に相談しながら面接を進めていく中で、子どもが先の見えない不安などを抱えているのかなと考えるようになりました。その過程の中で、自分自身が“面接をしなければいけない”と焦っていたことに気付かされました。
まずは子どもの抱えている気持ちに寄り添い、“ここは安心できる場所”であることを感じてもらい、“私は敵ではない、味方である”“あなたのことをちゃんと知りたい”という気持ちを持ち、面接を継続していきました。その後は、子どもから生活の中で楽しい出来事や困っていることなどを話してもらえるようになり、改めて子どもの気持ちに寄り添い、理解しようとする気持ちをもつことの大切さを感じました。
前職で、児童相談所とも協力しながら家族関係で悩んでいる子どものケアをすることがありました。その中で、家族全体に働きかけることの難しさを感じました。しかし、児童相談所であれば子どもだけでなく家族全体に対して支援することができるかもしれないと思い、今の仕事を希望しました。また、これまで私が育ち、なじみのある埼玉県へ恩返しをしたいと思い、志望しました。
埼玉県には、新規採用職員指導員制度(ブラザー・シスター制度)があり、困った場面でも安心して先輩職員に相談できます。加えて、手厚い研修もあり、初めてのことばかりでも安心して学べる環境が整っていると感じました。休暇も取りやすく、産休、育休や時短制度などライフプランに合わせた働き方ができるのも大きな魅力であると感じています。
休日は家で好きなお菓子を作ったり、好きなアニメを見たりして過ごしています。遠出するときは、キャンプに行ったり、SUP(スタンドアップパドルボード)をするなど自然と触れ合い、リフレッシュしています。
これからも児童心理司として心理に関する知識や技術を深め、子どもに合った心のケアを選択できるような支援をしていきたいと思います。
また、子どもだけでなく、子どもを取り巻く環境にもアプローチできるように多角的な視点を持ちたいと考えています。その中で、子どもや保護者が過去を振り返ったときに、“あの時、この人に出会えてよかった”“児童相談所に相談して良かった”と思ってもらえるような関わりができる職員になりたいと思います。
働きながらの受験でしたので、仕事の前後など少しの時間でも毎日勉強するように心がけていました。試験問題が選択肢でも、自分の知識をより深めるために記述式にまとめるなど、表面的な知識にならないよう対策をしていきました。
面接対策としては、なぜ他の自治体、今の仕事ではなく、埼玉県でこの仕事がしたいのかについて具体的に答えられるように練習していました。
児童相談所には様々な背景を持った人が来ます。決まりきった支援方法はなく、個々の子どもや家族に合わせた柔軟な対応が求められます。多角的な視点で物事を捉えることが必要になるため、それが大変な部分でもありますが、家族全体が少しずつ変化していき、抱えている問題を解決した時はとてもやりがいを感じることができる仕事です。
みなさんと一緒に働けることを楽しみにしています。