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埼玉県職員を希望する皆さんに対し、先輩職員からのメッセージです。
年月 |
所属 |
平成30年 4月採用 | 農林部 加須農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 |
令和 3年 4月 | 現所属 |
農業技術研究センターは、埼玉県の稲作や麦作、園芸及び畜産に関する公設試験研究機関であり、栽培技術、品種改良等の試験研究をしています。私が所属する水田高度利用担当では、水田における作物生産に関する様々な研究をしています。具体的には、水稲を苗ではなく種子の状態で水田にまく乾田直播栽培に関する研究、埼玉県の気象条件や加工適性に優れた麦類品種を選定する奨励品種決定調査、二条大麦「ニューサチホゴールデン」をより少ない肥料で収量を多くするための肥料の与え方の開発などをしています。
試験研究は、課題を自ら発見し、その課題を解決するための計画を考え、実際に試験・調査を実施します。そのため、比較的裁量が大きく、自分の考えに従って業務が進められることにやりがいや楽しさを感じています。
職場は玉井試験場という農業技術研究センターの支所であり、夏は水稲や大豆、冬は麦類が田んぼを覆う、静かでのんびりとした環境です。
しかし、作業をするときは担当内職員総出で田植えや稲刈りなどを、連携しながらテキパキ進めるメリハリのある職場です。
時刻 | スケジュール |
8:15 8:30
8:45 11:00 12:00 13:00 15:30 17:30 |
出勤 1日のスケジュール確認 メールチェック 麦類の生育調査 試験ほ場の観察 昼食(弁当) 調査データ入力 データ解析 退庁 |
前所属では、農家の方と接する機会が多く、新たに農家になった若者に栽培指導等をしていました。その方はネギなどの露地野菜をスーパーや直売所などで販売していましたが、ネギの花であるネギ坊主が出てしまうと販売できなくなってしまうことも少なくありませんでした。そこで、苗を育てる際の温度管理の方法を助言した結果、ネギ坊主の発生を抑えることができ、感謝されたことが印象に残っています。
大学で学んだ知識を活かして農業に関わる仕事がしたいこと、生まれ育った埼玉県で働きたいことから志望しました。特に埼玉県庁のインターンシップを経て、職員の人柄や仕事に対する姿勢を知り、志望する思いは強くなりました。
中学生の時から陸上競技(長距離走)をしており、休日は走ることが多いです。県庁走友会(県庁のランニングサークル)にも所属し、月1回の練習会への参加や県内で行われる駅伝にチームで出場しています。
水稲などの作物の栽培は基本的に年に一回しかできません。「農家は年一作だが、普及職員は様々な農家と接することで一年に十数作分の経験を積むことができる」という言葉を聞いたことがあります。この言葉は農家に対して、謙虚に学ぶ姿勢を忘れてはいけないということを意味しているのだと思います。
現所属は農家の方と接する機会が多くないので、農家の方と関わる際には積極的に農家の皆さんの声を聴く機会を設け、同じ目線で農家のための仕事ができる職員になりたいです。
専門試験は、大学の講義資料や市販の参考書等を何度も読み返しました。論文試験は、市販の参考書を使用して想定問題の解答案を作成しました。人物試験(面接)は、大学生時代に頑張ったことなどの想定質問の回答案を作成し、本番で言葉が詰まらないように、何度も声に出して練習しました。
このほかに、埼玉県の農業の概要が紹介されている「埼玉の食料・農林水産業・農山村※1」などが人物試験(面接)の参考になるだけでなく、入庁後にどのような業務をするのか大まかに把握するために役立つと思います。
※1 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0901/saitama-shokuryou-nouringyou-nousannson.html
公務員には、失敗を恐れず挑戦することが求められていると思います。農業職は普及活動や試験研究など自ら考え、挑戦がしやすい職種です。埼玉県の農業をよりよくするために、一緒に挑戦できる日を楽しみに待っています。