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埼玉県職員を希望する皆さんに対し、先輩職員からのメッセージです。
年月 |
所属 |
平成 31年 4月採用 |
現所属 |
子どもの療育手帳の判定及びそれに関係する業務、子どもの心理判定、子どもに関する電話相談等を行っています。
療育手帳の業務では、知能検査等を行ったり保護者から生まれた時の様子や日常生活の様子を伺ったりし、療育手帳の等級に該当するかどうかを判断しています。
心理判定では、虐待を受けた子どもや発達・性格・行動が気になる子どもに対して心理検査や面接等を通して、どのような子なのか発達や特徴を確認します。保護者に対してその子の特徴や行動の原因を説明し、それに対する対応方法を提案することもあります。場合によっては継続して面接を行うこともあります。
判定する子どもは困っていること等を言葉で伝えられなかったり自覚をしていなかったりすることが多いです。その中でその子がどういう子で、どう支援することが望ましいのか考えることは難しいと感じています。しかし、子どもの気持ちを代弁し、保護者に伝えることによって保護者が子どもを理解したり対応方法を変えたりして、親子関係が改善された時にはやりがいを感じます。また、あまり感情を出さなかった子どもが、複数回の面接を通して次第に笑顔が見られたり自分の気持ちを伝えられるようになったりと、子ども自身の変化が見られることもやりがいにつながります。
所沢児童相談所は約80名の職員がいてそのうちの約10名が心理職員です。心理職の業務は一人で行うことが多いですが、困っている際にはすぐに上司や同僚に相談できたり声掛けをしてもらったりして一人で抱え込まないような環境が整っていると思います。仕事をする上で参考になる本や研修があったりすると共有をしてみんなで専門性を高めようという雰囲気もあります。心理面接は一人で担当していても、福祉職等他の職種の人とチームになって対応することもあります。お互いに子どもや保護者について情報を共有して、どのようにすれば子どもやその家族にとっていい方向に行くのか互いに意見を言い、協力し合っています。
時刻 | スケジュール |
8:15 8:30
9:00 10:00 12:00 13:00
14:30 16:00 17:15 18:30 19:00 |
出勤 1日のスケジュール確認 メールチェック 療育手帳判定準備、電話対応 療育手帳の判定 昼食 電話対応 療育手帳の所見作成 心理判定 心理判定の記録作成 退庁 帰宅 夕食 |
子どもから話はするけれども私が話をすると一切話を聞いてくれないことが続いた面接が印象に残っています。始めは戸惑い、どうしたら話を聞いてくれるのか必死になっていた自分がいました。しかし、面接をすること自体に不安が強まっているのだと気づき、まずはその子がしたいことに付き合おうという気持ちになりました。そういう気持ちでその子のやりたいことに付き添うと、次第に一緒に遊んだり散歩をしたりと共同作業ができるようになり、最終的には会話ができるようになりました。会話ができるまで時間はかかりましたが、その子に寄り添うことを諦めなくて良かったと思いました。
療育手帳業務では、保護者が子どもに障害があることを受け止めきれなかったり子どもの行動に苦労していたりと、様々な思いを抱えながら療育手帳の申請をされることもあります。その中で子どもについての話を聞き、保護者の思いを受け止めていると「家族の前では言えなくて、でも話せてよかったです」とすっきりした表情でお話されることもあります。保護者の不安や心配事が少しでも軽くなったと思うと嬉しく思います。
もともと子どもに関わる仕事がしたいと考えていました。大学院では知的障害や発達障害について学び、障害をもつ子どもや保護者に対して支援する仕事をしたいと考えるようになりました。加えて、幼い頃から埼玉県で育ち、馴染みのある埼玉県で仕事がしたいと漠然と考えていました。埼玉県の説明会などで先輩職員の方とお話をした際には、穏やかで優しい雰囲気ですが強い信念をもって働いている姿を見て、一緒に働きたいと思いました。また、心理職の研修も充実していることも魅力に感じました。
実際に職員になると、先輩職員から手厚く仕事を教えてもらえ、仕事も段階的に学べる環境だったので、児童心理司としての現場経験がなかった私でも安心して仕事に取り組むことができました。また、育休を取得後に復帰しやすい環境が整っていて、ワークライフバランスを取りながら働けることも、埼玉県職員になって良かったと感じるポイントです。
今後も心理的ケアに関する知識や技術等を磨き、様々な子どもに寄り添うことでその子が少しでも気持ちが軽くなったり、自信を持てたりできるような支援ができる職員になりたいです。また、子どもだけでなく保護者に対しても家族が良好な関係を築けるように支援したいと考えています。そのためには、心理に関する知識だけでなく、あらゆる分野に関心を持ち、多面的に物事を見て課題解決に向けて取り組める職員になっていきたいと思います。
休日には、買い物に出かけたり家で映画鑑賞をしたりとゆったり過ごすことが多いです。新型コロナウイルスが流行する前には夏期休暇などを利用して地方に旅行に行き、温泉に入ったりその土地の美味しい食べ物を食べたりとリフレッシュしていました。
1週間の勉強スケジュールを立てて教養科目と専門科目をバランスよく勉強するように心がけていました。大学院の授業があるときには数時間しか勉強ができなかったため、休日に10時間以上勉強していました。面接対策としては、私はなぜこの仕事につきたいのかを自問自答を繰り返し、なぜ他の都道府県ではなく埼玉県で働きたいのかを伝えられるように練習していたと思います。
児童相談所の業務は、子どもだけでなくその保護者や家族等とやり取りをするので、人それぞれに合わせた対応の仕方が求められる場所であると思います。難しさもありますが、それ以上にやりがいも感じる仕事です。みなさんと一緒に働けることを楽しみにしています。