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掲載日:2023年12月28日
Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
人手不足が深刻化しています。埼玉民主フォーラムでは、夏から秋にかけて毎年会派で各種団体と意見交換会を行っており、今年も50近い団体と意見交換を行いました。その中で最も多く出た話は、昨今の原油・原材料価格の高騰と人手不足の問題でした。
人手不足の大きな要因は少子高齢化による人口減少、それらを踏まえて平成30年に働き方改革関連法が成立し、平成31年4月から順次施行されています。来年、令和6年4月からは、これまで時間外労働の上限について適用が5年間猶予されていた建設業や運輸業についても上限規制が適用されることになっており、残業規制に違反した場合には6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金の罰則が設けられています。
建設業や運輸業に大きな影響を及ぼす、いわゆる2024年問題が4か月先に迫ってきました。意見交換会でも話題になりましたが、2024年問題に直面する建設業界や運輸業界にとっては、働き方改革を進めることがかえって人手不足を助長し、足かせになるのではないかと懸念されます。
特に運輸業では、就業者のうち55歳以上の占める割合が全産業平均より高い水準で増加傾向にある一方、29歳以下の占める割合の増加は緩やかであり、将来の担い手不足が懸念されています。また、建設業の技能者のうち60歳以上の割合が約4分の1を占める一方、29歳以下は全体の約12パーセントとなっており、将来の建設業を支える人材確保が急務となっています。
人口減少、少子高齢化が進む中、人材確保はどの業界においても喫緊の課題ですが、特に社会を支える仕事の分野での人手不足が顕著となっています。働き方改革を進めることにより、各企業において働きやすい職場環境が整備されてくれば、将来的には人手不足も解消の方向に向かうものと期待しています。
働き方改革の趣旨は理解できます。しかし、人手不足に対しては、短期的な考え方と長期的な考え方の2つの見方が必要だと考えます。現実は目の前に迫ってきています。特に9割以上が中小企業で占められる本県にあっては、目の前の人手不足に悩まされている企業が多いのも事実であります。
令和5年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針」でも、「人手不足への対応も視野に入れ、多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットを構築するとともに、個々のニーズ等に基づいて多様な働き方を選択でき、活躍できる環境を整備する」とあり、働き方改革の一層の推進とともに、人手不足にも対応していくことの必要性がうたわれています。
長い目で見ると、働き方改革は労働者にとって働きやすい環境をつくることで人手不足解消につながると思いますし、そういう社会にしていかなければならないと思いますが、その理想と目の前の人手不足に苦しんでいるために改革が進まない現実とのギャップを埋めることが必要だと考えます。その理想と現実のギャップを埋めるために、県として今後どのように働き方改革に取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
A 大野元裕 知事
まず、「県内企業の働き方改革と人手不足への対応について」のお尋ねでございます。
来年4月から建設業などに時間外労働の上限規制が適用され、労働環境の改善が図られる一方、事業者にとっては人材確保が喫緊の課題となっております。
県は、企業人材サポートデスクで人材確保に関する相談に対応するほか、様々な面接会を随時開催をし、マッチングを支援しています。
特に人手不足の業種については、現場のニーズを丁寧に伺い、業界団体と連携して取り組む、若者をターゲットにした新たな人材確保対策を検討しているところであります。
他方で、人口減少や少子高齢化が大きく進展する中でも、企業の生産性の向上を図りながら、高齢者や女性を含め就業を希望する誰もが個々の事情に応じて多様で柔軟な働き方を選択できる社会の実現が不可欠と考えております。
働き方改革は、多様な働き方の推進と生産性向上との両輪で進めてまいります。
県では、テレワークや短時間勤務など、柔軟な働き方ができる企業を多様な働き方実践企業として認定するほか、中小企業診断士など専門家による助言を通じ、働き方改革に取り組む企業を支援しています。
人手不足や人件費の高騰はDXや機械化などの設備投資を促進させ、生産性の向上をもたらすとされており、認定企業の中には、建設現場の業務を一部リモート化し、DXを活用して長時間労働を是正した事例もございます。
国でも、IoTやロボット等への省力化投資を支援する新たな補助事業を創設すると伺っており、国の事業も活用しDXを支援してまいります。県といたしましては、企業が直面する人手不足に対応しつつ、未来の活力を生み出す働き方改革をしっかりと支援し、県経済の持続的発展につなげてまいります。
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