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掲載日:2022年7月12日

令和4年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(蒲生徳明議員)

ドクターヘリによる地域医療の充実について

Q   蒲生徳明 議員(公明)

空飛ぶ救命救急室と呼ばれるドクターヘリは、国のモデル事業として平成11年の開始から23年目を迎え、今年4月に香川県にドクターヘリが導入されたことで、全都道府県で運航されるようになりました。私たち公明党は、国政において、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法の制定をリードし、ドクターヘリの全国配備に向けた取組を推進してきました。私自身、一般質問でドクターヘリの必要性と早期導入を訴えてきましたが、今回、全国配備が実現されたことは感慨深く思います。
埼玉県のドクターヘリは、平成19年10月の導入開始以来、令和3年度には420件の運航を行うなど、今や埼玉の救急医療にとって欠かせないインフラとして活躍しています。また、平成27年3月には群馬県との間に連携協定を締結し、それぞれの県内でドクターヘリの出動要請が重なってしまった場合、互いにカバーし合える体制も整えました。
一方、県は、救急医療体制の充実を図るため、脳卒中、心筋梗塞、頭部損傷など生命に関わる重篤な患者に対し高度な救急医療を提供する第三次救急医療機関、救命救急センターの設置も進めています。この6月には、県北東部に初めて救命救急センターとして、社会福祉法人恩賜財団済生会支部埼玉県済生会加須病院が指定されました。
しかし、センターの所在地を見るとその多くが県南部にある一方で、秩父地域や比企地区など未整備の地域があり、偏りが見受けられます。
ドクターヘリは、消防機関などから要請があれば、山間部などの地形や渋滞等道路事情にとらわれることなく、時速約200キロメートルで救急現場に到着できるなど、大幅に搬送時間を短縮することができます。私は、特措法の目的である救急患者の救命率の向上や障害の軽減だけでなく、救急医療における地域偏在の解消を図ることができる重要なツールになると考えます。
そこで、ドクターヘリのこれまでの実績と、本県の救急医療体制の整備のために、地域偏在の解消に向けたドクターヘリの活用について、保健医療部長に伺います。

A   山﨑達也 保健医療部長

まず、ドクターヘリの実績についてでございます。
本県のドクターヘリは、平成19年10月に、埼玉医科大学総合医療センターを基地病院として、全国で12番目に運航を開始しました。
活動当初の5年間では年平均約210回の出動でしたが、直近5年間では年平均約500回と約2.4倍に増え、令和3年度までの15年間で5,300回を超える出動となっています。
厚生労働省の研究によると、ドクターヘリの出動により、従来の救急車による搬送であれば死亡していた患者の27%の命を救い、重度な後遺症を免れなかった患者の45%の後遺症を削減したとされています。
こうしたことから、本県のドクターヘリは、多くの患者の命を救うとともに、重度な後遺症の軽減に大きな役割を果たしてきたと考えています。
次に、本県の救急医療体制の地域偏在の解消に向けて、ドクターヘリをどのように活用していくのかについてでございます。
本県のドクターヘリは、要請を受けてから5分以内で出動、基地病院から最も遠い地域にも20分以内で到達し、医師による早期治療を開始することが可能になっております。
令和3年度の出動要請は、秩父地域、比企地域など救命救急センターがない地域からが全体の約7割と多くを占めており、秩父地域から70件、比企地域からが81件となっております。
また、平成27年の群馬県との連携協定締結以降、群馬県のドクターヘリが秩父地域や北部地域などへ100回を超える出動を行っています。
速やかな救急活動のため、平成26年から救急医療情報システムにドクターヘリの運航情報をリアルタイムで表示させるとともに、離着陸場は、運航開始時の144か所から約4倍の602か所へと増加しています。
さらに、ドクターヘリの運航に当たっては、県内全消防本部や救命救急センターを擁する医療機関などで構成される運航調整委員会を開催し、迅速な出動要請を行うことができるよう定期的な検証を行っております。
今後も、ドクターヘリを効果的に活用することにより、救急医療における地域偏在の解消を進め、全ての県民が安心して暮らせる「日本一暮らしやすい埼玉」を目指してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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