トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和2年6月定例会 > 令和2年6月定例会 一般質問 > 柿沼貴志(県) > 令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(柿沼貴志議員)
ここから本文です。
ページ番号:179695
掲載日:2020年7月6日
Q 柿沼貴志 議員(県民)
御案内のとおり、秩父線は三峰口駅から羽生駅まで県北部を東西に横断する路線であります。その間において寄居駅では東武東上線などと、羽生駅では東武伊勢崎線と乗り換えることができます。私は、今回の質問を行うに当たり、平成26年から30年の市町村ごとの観光入込客の統計調査から、沿線ごとに観光客の動向を再分析してみました。
西武池袋線、東武東上線、高崎線、東武伊勢崎、秩父鉄道、この5つの路線を対象に、来訪者がどこから来たかを表すFrom─to分析や、消費額等から仮想観光市場の推計を行いました。その結果、秩父鉄道沿線の自治体は、観光入込客数、客数の伸び率、仮想観光市場額の全てにおいて、最下位であることが分かりました。また、休日14時に秩父市や長瀞町にいらっしゃった方がどこから来たのかを確認すると、東京都や神奈川県、千葉県など南からの来訪者が約7割を占めており、群馬県や栃木県など北からの集客は相対的に少ない状況でした。私は、ここにチャンスがあると考えます。北からの集客は、まだまだ増やせる余地があるのではないでしょうか。秩父鉄道が他社線と連携を強化し、アクセスを向上させることにより、北からの観光客を今以上に呼び込める可能性があると考えます。
加えて、秩父鉄道は地域住民にとっての生活の足であり、高齢者や車を持たない学生などの交通弱者にとって欠かせない交通手段であります。しかし、人口減少やマイカーの普及により利用者が減少しており、その経営が大変厳しい状況にあると聞いております。このまま利用者の減少が続けば、現在の路線を存続することも困難となってしまいます。こういった背景を鑑みても、地域の足を存続させるために県として更なる支援が必要です。
そこで、集計結果も踏まえ、秩父鉄道の更なる利用促進を図る観点から、企画財政部長に三点質問させていただきます。
一点目として、秩父鉄道と東武東上線、東武伊勢崎線間の連携の強化が必要であると考えます。相互乗入れをはじめ、駅の乗換え改善など利便性の向上について、県からの支援が必要だと思われますが、お考えをお伺いいたします。
二点目として、秩父鉄道を軸として鉄道事業者各社間の相互キャンペーンなどをより進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
三点目として、県北地域の交流人口、観光人口を増加させるには、群馬県、栃木県など北関東地域へ目を向けることが必要と考えます。特に秩父鉄道沿線地域においては、北関東へのキャンペーンがより一層重要になると思いますが、いかがでしょうか。
A 堀光敦史 企画財政部長
まず、「利便性向上への県からの支援について」でございます。
秩父鉄道と東武鉄道の相互乗り入れや交通系ICカードシステムの導入は、利便性を大きく向上させるものと考えます。
しかし、議員御提案の他社線との相互乗り入れを行うには、車両の性能や安全装置が各社間で異なるなど多くの課題がございます。
そのような中、秩父鉄道では、安全輸送設備の老朽化が進んでおり、現在、安全性の確保を最優先の経営課題として取り組んでいるところです。
県では、これまでも、秩父鉄道の安全性の向上を図るため、輸送設備の更新等に対し財政的な支援を行ってまいりました。
まずは、この最優先の経営課題への対応をしっかりと支援してまいります。
こうした経営上の課題に対応しつつ、相互乗り入れを進めるためには、利用者数の増加につながる地域の魅力づくりが必要不可欠でございます。
県といたしましては、より大きな効果が見込まれるまちづくりの取組と一体となって進めていけるよう、秩父鉄道に働き掛けることはもとより、沿線市町村とも十分に連携を図ってまいります。
次に、「秩父鉄道を軸とした鉄道事業者各社間の相互キャンペーンなどを進めるべきについて」でございます。
秩父鉄道と西武鉄道は、令和元年度、「秩父鉄道創立120周年、直通運転30周年の記念キャンペーン」として、記念スタンプの設置や、記念ヘッドマークの掲出などを実施しました。
秩父鉄道が単独で実施した令和元年度のフリー切符の販売枚数は、台風19号の影響などもございまして前年度比で7%程度減少いたしました。
これに対し、西武鉄道と共同実施したフリー切符は、記念キャンペーンの効果もあり前年度比1%程度増加したとのことでございます。
これは、西武鉄道の集客力に加え、秩父鉄道の強みであるSLに乗車でき、限定の記念品を贈呈したことなどが功を奏したと分析されています。
こうした鉄道事業者の相互キャンペーンにつきましては、多くの観光客が広域で回遊していただけることから、人の流れを呼び込むのに一定の効果があり、さらに進めるべきものと考えております。
次に、「秩父鉄道沿線の北関東地域へのキャンペーンについて」でございます。
県北地域の交流人口を増やすには、北関東地域にも着目して、広く潜在的な需要を掘り起こすことは重要です。
車を多く御利用される北関東地域の方々に、鉄道を利用して来ていただくためには、単に観光地をPRするだけでなく、鉄道に乗ること自体の魅力もPRすることが効果的と考えます。
例えば、新型コロナウイルスの影響で残念ながら運休となりました「群馬ディスティネーションキャンペーン」におけるSLや観光列車の運行は、まさに鉄道に乗る魅力を発信するものでございます。
県といたしましても、このようなキャンペーンの際に、北関東地域に対しても、効果的な情報発信がなされるよう取り組んでまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください