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掲載日:2024年10月8日
Q 小林哲也 議員(自民)
この件は、6月定例会で保育士確保と離職防止のための処遇改善を求める決議がなされたところですが、私はあえて地元問題として取り上げたいと思います。
熊谷市における保育の公定価格の地域区分は100分の3、その周辺の深谷市、行田市、鴻巣市、滑川町の地域区分は100分の6で、東松山は100分の12と設定されています。この地域区分は公務員に支給される地域手当の地域区分に準拠し、国が定めていることは承知していますが、地域の実情から考えて、熊谷市だけが100分の3と低く設定されているのは全く理解できません。
地域区分の違いは保育所の運営費収入の差になり、市内の保育所は保育士確保のため非常に厳しい経営を強いられています。都県境は待機児童も多いことから、地域区分は格差が大きい東京都と隣接する市の問題として取り上げられることが多いところですが、決してそれに限ったことではありません。熊谷市のように隣接市町と比べて公定価格が低い地域においても大きな問題となっていることを強く訴えさせていただきます。
そこで、熊谷市の公定価格の地域区分が周辺市町と比べて低く設定されていることについて、県はどのように認識しているのか、熊谷市の保育士確保と保育所の安定的な運営のために、県は今後どのように取り組むのか、以上、2点について、福祉部長にお伺いします。
A 知久清志 福祉部長
まず、熊谷市の公定価格の地域区分が周辺市町と比べて低く設定されることについて、県はどのように認識しているかについてでございます。
現在の制度では、生活圏域が重なっている地域でも公定価格の地域区分の違いにより保育所の運営費収入に差が生じており、都県境だけの問題にとどまるものではなく、県としても重要な課題として認識しております。
次に、熊谷市の保育士確保と保育所の安定的な運営のために、県は今後どのように取り組むかについてでございます。
県では、本年8月に県内の各市町村に現行の地域区分に対する考え方を確認したところ、39市町村は現行の地域区分で妥当と回答する一方、24市町は近隣自治体との格差解消が必要と回答しております。
特に、熊谷市周辺、川口市周辺、所沢市周辺の3地域で、生活圏域が重なっているにも関わらず地域区分に差があり解消すべきという問題意識が示されました。
そこで、この3地域ごとに周辺自治体が協議できる場を設定し、例えば、熊谷市周辺では、熊谷市、本庄市、深谷市、行田市の4市で協議を行いました。
協議の中では、格差解消のため自治体が単独で賃金補助の取組を行うことは、新たな地域間競争を発生させるなど限界があることから、広域で保育士確保の取組を行う必要性の認識が共有されました。
具体的には、保育士の合同面接会の開催や潜在保育士の合同開拓、育児休業中の保育士の復職支援などを議論しております。
県といたしましては、こうした協議を促し、保育士確保に向けた取組が地域一体となって効果的に実施されるよう支援してまいりたいと考えております。
一方、根本的な解決のためには、保育の公定価格の地域区分制度そのものが見直され、同じ生活圏域の自治体間で大きな差が生じない仕組みとなることが必要です。
県といたしましては、地域区分について都県境に限定されることなく、県全体の課題として具体的な見直しに向けて国に強く要望するとともに、引き続き保育の量の拡充と質の向上に取り組んでまいります。
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