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掲載日:2024年10月8日

平成30年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(小川真一郎議員)

農業生産工程管理(GAP)の推進について

Q   小川真一郎  議員(自民

東京オリンピック・パラリンピック競技大会まであと2年弱と間近に迫ってまいりました。大会組織委員会では、大会に必要な物品やサービスの調達に関して基準を定め公表しております。そして、選手村や競技会場で提供する農産物については、GAPに基づき生産された物を使用することが規定されております。このGAPとは、「Good Agricultural Practice」という英単語の頭文字で、良い農業のやり方を意味しており、農業に関する法令や規則などのルールを守り、農産物や農作業の安全性を高めるとともに、環境への軽減をする取組のことです。オリンピック・パラリンピックが近づくにつれ、使われる食材がメディアで取り上げられる機会が今後増え、社会の関心も高まってくるものと思われます。
私は、この機会を生かしてGAPを普及させることにより農作業事故のリスクを減らし、農産物の安全性と経営効率を高め、収益性のある埼玉農業を確立するチャンスであると考えております。
このような中で埼玉県においては、平成26年度に県独自のGAPとしてS-GAPを策定しております。平成28年には全国に先駆け農場評価制度を創設し、現場での普及推進を図っていると聞いております。私の地元の深谷でも、約200戸の農家が構成員となっている大規模な野菜生産組合が集団でS-GAPの実践農場になったと聞き、大変心強く思っているところでございます。
S-GAPの推進や活用策について、私が平成28年12月定例会で質問したところ、農林部長から「将来的には県内全ての農家に普及を図る」との答弁をいただきました。そこで、その後の取組状況や普及状況はどうなっているのかお伺いします。
また、県内の販売農家の平均年齢は68歳であり、高齢者のみで経営されている小規模な農家も多くいらっしゃいます。そうした小規模の農家の方からは、GAP認定の取得には費用がかかる、取得には手間がかかる、何から手をつけていいのか分からないなどの声が聞こえ、GAPに対して抵抗感を持つ方も多くいらっしゃいます。
そこで、現場の普及指導員がどのように指導して普及していこうとしているのか、併せて農林部長に伺います。

A   篠崎   豊   農林部長

まず、平成28年12月定例会での質問後、S-GAPの取組状況や普及状況はどうなっているのかについてでございます。
S-GAP実践農場の数は、平成28年度末5農場であったものが、本年9月末現在377農場となっています。
その内訳は、米麦が22、野菜が242、果樹が2、茶が111です。
県では平成28年にS-GAP農場評価制度を創設して以来、県内各地で説明会を開催するとともに、138名の普及指導員が農家を回り精力的に推進しております。
また、農家の方々に、積極的に取り組んでいただくためには、S-GAPの認知度を高め、流通業者や消費者にもよく知っていただく必要があると考えております。
そこで、本年7月開催されたオリンピック2年前イベントにおいて、農林水産省と共同でブースを設け、GAPをPRいたしました。
当日は約2,000人の方々にお立ち寄りいただき、クイズやゲームを通じてGAPの知識を深めていただきました。
今後も、彩の国食と農林業ドリームフェスタなど、県民を対象としたイベントでS-GAPのPRを積極的に行ってまいります。
さらに、埼玉農業を担う次世代への普及も重要です。
県農業大学校では、学生が将来、農業経営をする際に、確実にGAPに取り組んでいただけるよう授業に取り入れています。
また、県教育局では、『高校生の「農力」育成強化プロジェクト』の一環として、全ての県立農業関係高校においてGAPの実践と認証の取得に取り組むこととしております。
本年8月には杉戸農業高校において農林振興センターの職員が講師となり、初めてS-GAPの授業を実施いたしました。
今後もあらゆる機会を捉え、S-GAPの普及に取り組んでまいります。
次に、普及指導員はどのように指導してGAPを普及しようとしているのかについてでございます。
GAPについて、議員お話のような農家の声があることも承知しています。
そこで、取り組みやすく費用がかからないというS-GAPの特徴を農家の方々に説明し、普及を図っております。
説明に使用するS-GAPのガイドブックは、写真やイラストを数多く使用して、初めての方でも理解しやすい内容にしており、このガイドブックを活用して普及指導員が丁寧に説明しております。
農薬の保管や廃棄物の処理、作業をする上での危険な箇所の把握など、個々の農家の抱える経営上のリスクや改善のメリットを説明していくことで、当初は関心のなかった高齢農家の方も理解を深め、S-GAPに取り組む意欲を持っていただいております。
例えば、秩父地域では、70歳代のしゃくしな生産農家4名がS-GAPに取り組んでいます。
今後も、S-GAPの特徴を農家の方々に丁寧に説明し、普及を図ってまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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