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掲載日:2019年10月17日

平成28年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(沢田 力議員)

看護職員の量的確保について

Q 沢田 力議員(自民

2025年に想定される医療ニーズと、それに必要な病床数などの将来像を明らかにした埼玉県地域医療構想案が今定例会で議案上程されています。将来を見据えた医療機関自らが主体的に必要な医療機能を分化、連携できるよう、今後協議や財政支援などが進むことを期待します。今後の対応として急性期から回復期への病床転換、慢性期に対応する医療・介護サービスの確保が求められるとともに、医療従事者の需給見通しや養成数の検討が急務です。
人口10万人当たりの医師数が日本一少ない、つまり日本一医者が足りない埼玉県では、この問題に対して順天堂大学医学部を誘致し、総合医局機構や地域医療教育センターを設置して対応しています。同時に、看護師などの人材もまた需給ギャップが慢性的に発生しており、平成26年末に1,659人も不足しています。2年に一度の調査、医療関係従事者届で実態を把握するとともに、5か年計画である看護職員需給見通しといかにかい離しているか確認ができます。今年12月末に2年ぶりの調査が再び行われ、何人不足しているか判明します。
看護職員は、慢性的にこの埼玉県では払底している状態です。ところが、看護職員に関する予算は二の次になっています。地域医療介護総合確保基金は医療分に関しては、病床の機能分化連携に関する事業に重点的に配分されて、医療従事者の確保に関する事業のプライオリティーは低くなっています。特に看護師などの確保対策に関する埼玉県の予算額は、平成26年は14.8億円、平成27年度は16.6億円、平成28年度は12.1億円と推移して、総じて増えていません。
上田知事は、今年2月定例会において看護師確保に関してこう発言しています。「現在のところ、2025年までに看護職員を約1万6,000人、平均して毎年1,600人程度確保する必要があると試算しております。これまでの取組により、毎年1,300人から1,400人増加しておりますが、なお不足する分を補うための新たな確保策が必要になります」、そういった旨です。
また、上田知事は、今年5月17日の定例記者会見で、将来にわたる看護教育の在り方に関して曖昧な発言をしています。いわくこう言っています。「最終的には正看護師だけの世界が望ましいと私も思っています。ただ、そのプロセスの中で准看護師が絶対悪だという話にするにはちょっと酷な話があると思う。現実にニーズがあるし、希望される方々がいて、なおかつ医師の方々もそれを許容しておられると。より高いレベルでということも要求される看護協会の皆さんたちの公式論もよく分かります。しかし、現場は違うところの論理でも動いておりますので、この辺がなかなかつらいところですよね」、こういった御発言です。
准看護師の資格は知事免許に基づくもので、医師会などが運営する准看護学校を将来停止するのか、廃止するのか、知事の発言は大変重要です。看護教育の在り方をめぐり上田知事の発言は曖昧模糊のままですが、埼玉県庁としては2025年までに看護職員が1万6,000人不足すると試算しています。どのように試算して、どのように充足するのか、どうも納得がいきません。
そこで、保健医療部長に質問します。
2025年に看護職員が約1万6,000人も不足すると試算した根拠を示すとともに、看護職員の必要数について、より精査の上で行政計画などに盛り込むべきですがいかがでしょうか。

A 三田一夫 保健医療部長

まず、看護職員が約16,000人不足すると試算した根拠です。
県内では現時点でも看護職員の需給ギャップが発生しており、需要見込みと実際の従事者数との差が1,659人となっております。
これに加えて、今議会にご提案しております地域医療構想におきまして、2025年の医療需要を推計したところ、病床の増加が見込まれたところです。
このことから、病床の増加に応じた看護職員の必要数を算出し、病院部門において8,796人の増加を見込んだところです。
さらに、在宅医療等の患者数が1.8倍に増加すると推計しております。
そのため、訪問看護については1,165人、介護老人保健施設、特別養護老人ホームなどの施設については4,296人の増加を見込んだところです。
これらを合わせて15,916人となるため、約16,000人の増員が必要とご説明させていただいております。
次に、看護職員の必要数はより精査の上、行政計画などに盛り込むべき、についてです。
現行の本県の第6次地域保健医療計画では、国が示した全国統一の算定方法により作成した「看護職員需給見通し」に基づき、全体で63,500人の看護職員を確保することを目標にしています。
現在、厚生労働省では地域医療構想との整合性を図るため、平成30年からの需給見通しの算定方法の改定を進めており、その結果を近々各都道府県に提示する、と聞いております。
県といたしましては、この看護職員需給見通しの策定において、看護職員の必要数を精査し、平成30年度を初年度とする次期第7次地域保健医療計画に盛り込んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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