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掲載日:2025年3月7日

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株式会社ワイ・エス・エム(令和6年度受賞)

Maison & Objet

 株式会社ワイ・エス・エムは、埼玉県八潮市で板金という加工技術を使って特注の照明や建築金物を設計・製造している会社です。特注製品を作ることでクライアントの喜んだ笑顔を作ることはできますが、エンドユーザーの笑顔を作ることはできません。そこでエンドユーザーの笑顔を作りたいという想いで2017年から始まった事業が、照明の自社ブランド事業「Y.S.M PRODUCTS」になります。普段は作り手である裏方の私たちが、販売することまで一貫で行うことで、エンドユーザーと直接触れ、喜んでもらい笑顔を作ることで、裏方の私たちの会社にも光が当たり、関わる人に笑顔が循環していく効果が表れています。

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and-on(埼玉県の小川和紙を使った製品)

 自社ブランドを立ち上げたときには海外展開をしていくという大きなビジョンは掲げておりません。むしろ海外展開のことは全く考えておりませんでした。偶然JETROが主催する海外バイヤーとの商談会が無料で開催されることを知り、「海外に売り込んでいくつもりではないが、海外の人から見たときに私たちの商品はどのように映るのか?今後の商品開発できっと役に立つだろう。」という観点で参加したところ、スイスにある家具メーカー「VITRA」から「あなたたちの商品が欲しい」。ということ、「あなたたちの商品はフランスで開催される世界最大のインテリアの展示会Maison&Objetに出展すれば、きっと評価されると思う!」と言われたことがきっかけで、海外展開をその場で決断しました。規格や貿易のことをJETRO、SAITEC、MTEPなどの制度を使い2年間学び、2019年の1月に初めてMaison&Objetに出展しました。

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Maison&Objet会場                                           ブースの様子

 出展するにあたり埼玉県八潮という地域性を出していきたいと考えました。八潮市にある6人しかいない私たちの工場で、金属の板から手加工で作られる職人の想いが込められた光。できるだけ地場の素材や協力会社を使うことで地域との繋がりや技術を伝え、ブランド名の下にはLED LIGHTING made in YASHIOとうたいました。私たちの光を使うことで日常の何気ない会話が豊かになったり、いつもの食事が少し美味しく感じたり、いつもより安らげたり、そんな大切なひとときを作りたいという想いからコンセプトは「大切なひとときを作る光」としました。

 私たちはMaison&Objetに2019年から5回出展させて頂いております。ありがたいことに初回出展からオーダーを頂き、回数を重ねるごとに成果は上がっています。海外の展示会に出展することは、日本の展示会に出展するよりもコストがかかりますが、それでも出展する理由があると実感しています。なぜなら会社の規模やブランドではなく商品という目線で判断されるため、中小零細の企業でもビジネスチャンスは大いにあるということがわかったからです。私たちの商品もパリにあるルイヴィトン・ミュージアムやラグジュアリーブランドに採用が決定するなど、日本では絶対に出会えない方たちとの出会い、また決済者が来られるので展示会中にオーダーが決まっていきます。このような普段工場でモノづくりをやっていては絶対に味わえないエキサイティングな日々は、私たちの仕事の意味やモノづくり屋としての誇りを体感させる良い機会にもなっています。また、単発の出展ではなく継続的出展を目指したので、出展に関してもコストを抑えられる工夫をしています。自分たちで現地のホームセンターで材料を購入し、自社ブースを自分たちで施工していきます。ブース設営会社に発注するよりも大きくコストは抑えられ、ブース作りもモノづくりのストーリーとして伝えられ、何よりチームワークが向上します。

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  ブース自主施工の様子                             フランスのホームセンター

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Maison&Objet ブース                                     ルーブル美術館

 海外に挑戦したことでわかったことがあります。当たり前ですが世界中どこでも日が昇れば照明を消し、日が暮れれば照明を灯します。日本は天井の照明から光をとることで空間全てを均一に照らします。この照明はとても合理的な光ですが、光の楽しみ方はそれだけではありません。特にヨーロッパは天井の照明がほとんどなく、光がないところに光を足していく文化です。照明は光の強さ、光の向き、光の色を少し変えるだけで空間を変化させることはもちろん、その人の感情も変えることが出来ます。私たちの商品はこのヨーロッパの灯りの文化にコンセプトがマッチしたのだとわかりました。また、展示会に出展することで世界中に同じ志を持った企業に出会い、仲良くなれることも大きな発見となりました。

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フランス大手照明メーカーとの会食                                  ブースでの様子

 このような経験から私たちはこれからも、埼玉県八潮市にあるYSMで生まれた光を海外に提案し続けていきたいと考えています。それは工場で一つ一つやっている加工が誰かに繋がっていて、まわりまわって世界中の誰かを喜ばせることが出来ると気付いたからです。また、現在でもMade in Japanのブランドは信頼されています。日本のモノづくりは精巧であると信じられ、支払い面でも日本だからこそ前金でOKと言って頂いたりします。これは先人たちが築いてくれた信頼であり、私たちの代でもその先の代でも無くしてはいけない日本人としての文化だと思うので、妥協せずモノ作りに励み、後世にもMade in Japanを繋げていけるために、挑戦をし続けていきます。

お問い合わせ

県民生活部 国際課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第三庁舎2階

ファックス:048-830-4748

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