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掲載日:2024年12月13日
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埼玉県と埼玉大学では、平成22年度から学生が知事に政策提言を行う取組を行っています。これは若者の感性を県政に生かすとともに、学生の生きた学習の場として活用されることを目的としています。
学生は県政出前講座の受講や調査活動などを行い、政策研究を進めてきました。意見交換会では、学生が知事に政策を提言し、意見交換を行いました。
11月1日(金曜日)に、埼玉大学にて意見交換会を開催しました。
【政策提言の要約】
自転車盗の現状や現地調査から、有効な手段として、「地域との連携」や、「犯罪者と駐輪者の行動心理の把握」など、5つのアプローチ手法を選定。「体験型の防犯意識向上イベント」と「視覚聴覚と地域連携教育による対策」を提案した。
【知事からのコメント・意見交換】
(知事)街全体で対策を広げると、狙いがよりソフトターゲットに移るのではないかと少し心配している。この点についてどう考えているか。
(学生)防犯意識を高めることに注目している。未施錠の自転車がより目立ってしまい、そこに被害が集中する可能性はあるが、県全体で鍵かけを徹底することで、未施錠の自転車を減らしていくことを目指している。
(知事)子供たちを防犯活動に参加させるというアイデアはとても良い。特に、いろいろな体験をした後、数年経つとその経験が薄れてしまうことがある中で、上級生が下級生に教えるという再体験の仕組みはとても面白いと思った。
【政策提言の要約】
消費者理解醸成のための課題を、下水汚泥肥料についてアンケートを実施し、「知名度の向上」「悪印象の払拭」と分析。「ポスターを使用した広報」や、「下水汚泥肥料の名称変更」を提案した。
【知事からのコメント・意見交換】
(知事)アンケート調査結果について質問したい。県が、今年、日本で初めて下水汚泥肥料を発売した時、農業従事者からの抵抗感が強いとの反応を得た。ポスターでイメージが向上したという結果があったが、その詳細な結果は出ているか。
(学生)農業従事者の場合、詳しい成分がわからないと不安、重金属の問題があるかどうか心配との意見が多かった。一般のかたよりは、イメージ向上の効果が少し低かった。
(知事)県が肥料登録している下水汚泥肥料の名称「荒川クマムシくん1号」について、イメージ向上の良いアイデアがあれば教えてほしい。
【政策提言の要約】
見沼代用水を活用した地域活性化への課題を、現地調査及び関係者へのヒアリングから「若者世代の認知不足」と「周辺の地域資源とかんがい施設との連携」と分析。「二次元コードラリー」、「食をテーマにした拠点づくり」、また制作した「PR動画」を提案した。
【知事からのコメント・意見交換】
(知事)サイクリングロードなどの周辺の地域資源とかんがい施設の繋がりが見えにくいという指摘の後で、サイクリングロードや遊歩道をセットで整備するのが有効との話があった。新たに整備をするということか、それとも繋がりを見せていくということか。
(学生)二次元コードラリーの提言の話になるが、直売所など現在の県のヘルシーロードマップに載っていない小さな直売所や掲示板などを巡って欲しいという考えである。そのような施設とサイクリングロードを繋げたり、セットで考えたりしたいと思っている。新しく作るというわけではなく、既存の地域の資源と絡めたい。
(知事)人の回遊性を持たせることが大切である。提言されたイベントや直売所中心のアイデアは非常に面白いと思う。ただ、それをどうPRするかが課題だ。県公式SNSだけでなく、学生の皆さんも、かんがい施設遺産について広く投稿してもらうのが良いかもしれない。
【政策提言の要約】
企業ヒアリングを実施し、中小企業は、人員の観点から、育児休業を取得しづらい現状を把握、課題を「社内制度を整備するためには経営層に働きかける必要がある」ことと分析した。大学等に男性育休推進宣言企業を紹介する「採用活動を支援」や、経営者と学生の座談会を行う「経営者の意識向上」施策を提案した。
【知事からのコメント・意見交換】
(知事)皆さんにとって、就職活動の際、男性の育児休業取得について前向きな企業であるかというのは、どのくらい重要だと思っているか。重要だと考えているかたが多いのであれば、企業も男性の育児休業取得を促進すると思われる。学生と企業の座談会や説明会を開くと、学生と企業の温度差はどんどん縮まると思うか。
(学生)アンケートでは、若年層が育児休業を取得したいという意向が強いという結果が出ている。そこで、経営者とその差を埋めるようなパネルディスカッションを行えればと思って提案した。
(知事)実現したら、是非皆さんにも参加してほしいと思う。
【政策提言の要約】
学生に対するアンケートや既存施策の成果を分析し、課題を「就職活動を始める前に、埼玉県庁に興味を持ってもらうこと」と設定。県庁に対し、堅苦しい、興味がない、仕事内容を知らないと感じる学生に対し、県主催の課題解決型ワーク「埼玉カレッジピッチ」の実施を提案した。
【知事からのコメント・意見交換】
(知事)県職員の仕事について、具体的に、何がわからないと感じているか。
(学生)職業の内容がよくわからない、部署が広範囲にわたって転々と異動したり、多岐にわたる分野での仕事が多かったり、詳しくそれぞれの内容がわからないなという印象が強い。
(知事)県職員も、いずれは充足率が低くなる時代がくると思う。そのために、県庁内で、デジタルトランスフォーメーションなどの改革を進めている。頭を使って、未来の埼玉県を作る人たちに来てもらいたいと思っている。是非、意欲のある人は県庁にきていただきたい。
本日は、皆さんが熱心に議論を重ねた結果のプレゼンテーションを拝見し、とても刺激を受けた。特に、今回の議論は我々にとって非常に身近で、すぐに対処しなければならないトピックが多く含まれており、大変有意義であった。
これからも、社会的課題の解決に向けて、共に取り組む余地がたくさんあると思う。御指導いただいた先生方を含め、前向きに進めていきたいと考えている。改めて感謝申し上げる。
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