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掲載日:2022年8月31日

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知事記者会見 令和4年8月30日

知事記者会見動画【全体:YouTube】
知事会見パネル(PDF:2,451KB)

知事発表

BA.5対策強化宣言実施中について【該当部分動画(YouTube)】

知事

 私の方からまず何点か御報告をさせていただきたいと思います。まずは「BA.5対策強化宣言実施中」についてであります。「基本的な感染防止対策」をはじめとし、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ取組を行っていただいている県民の皆様に対し、まずは心から感謝を申し上げます。本県では、8月4日から9月30日までにわたり、「BA.5対策強化宣言」を発出しておりまして、県民・事業者の皆様には、より高い緊張感を持って感染防止対策を行っていただいております。大変、皆様の御協力をいただいていることに重ねて感謝申し上げます。しかしながら、それでもなお、未だに新規陽性者数及び病床使用率等については、高止まりの状況になっており、医療機関への負担も厳しい状況があります。そこで、県民の皆様には、次の点について、改めて徹底を図っていただくようお願いを申し上げます。1点目になりますけれども、帰省や旅行等、県境をまたぐ移動の際には、「三つの密」の回避を含め、基本的な感染防止対策を徹底していただくようお願いを申し上げます。2点目になりますけれども、体調がすぐれない場合には、外出を避けていただくようお願いをいたします。そして3点目ですけれども、お出かけになる際には極力、御家族や普段行動を共にしているお仲間等と少人数で、そして可能な限り混雑している場所や時間を避けていただけるようお願いをしたいと思います。第7波では、感染力が強く、気を付けてもうつってしまうではないか、あるいは重症化しにくいのではないか、こういった指摘もありますけれども、しかしながら、高齢者や基礎疾患を抱える方がお亡くなりになったり、重症化する例も相次いでいます。大切な人や御家族を守るためにも、全ての皆様の御協力をお願いを申し上げます。

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知事就任3年間の主な成果についての報告【該当部分動画(YouTube)】

知事

 次に、「知事就任3年間の主な成果」について御報告をいたします。私が埼玉県知事に就任をして、明日で4年目を迎えることとなります。これまでの3年間を振り返れば、知事に就任して以来、豚熱、令和元年東日本台風、新型コロナウイルス感染症が立て続けに発生しました。また直近では、降ひょうや集中豪雨による被害、さらには原油価格や物価の高騰への対応も求められました。危機対応に追われ、「自分がやりたいこと」よりも「やらなければならないこと」を優先せざるを得なかった3年間というのが率直な感想であります。そういった中にあっても、「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向け、各施策に取り組んでまいりました。本日は、この3年間に取り組んだ主要施策の成果について御報告をさせていただきたいと思います。

 まずは、「埼玉版スーパー・シティプロジェクトの推進」についてであります。昨年度から本格的にプロジェクトをスタートし、現在、11の市町がコンパクト、スマート、レジリエントの3つの要素を兼ね備えたまちづくりに取り組んでいるところです。県では、「市町村事業化支援チーム」を編成し、各市町のプロジェクトの具体化に向け、全庁を挙げて支援をしております。今年度からは、市町村を財政面から支援する補助金の制度を新たに創設し、まちづくりに向けた調査や地域拠点創出の整備等に活用いただいています。その他、ワンストップ窓口の設置や、まちづくりに関する技術支援、官民連携によるまちづくりを進める「応援企業等登録制度」の創設、市町村と企業との交流会の実施等、様々な支援を行っております。なお、この「応援企業等登録制度」でありますが、令和4年7月末現時点で67の企業・団体に御登録をいただき、市町村の要望に応じてマッチングをさせていただいています。また今年7月に開催した交流会には、28の市町村、企業は37社、人数にして115人と、多くの方に御参加をいただいたところです。

 このプロジェクトでありますけれども、コンパクト、スマート、レジリエントの全ての要素を兼ね備える必要がありますが、それぞれの具体的な例について御紹介します。例えば、「コンパクト」でありますけれども、小川町においては、廃校となった学校の跡地を活用して、サテライトオフィスや地域交流スペース等を整備し、多世代が安心していきいきと住み続けられるまちづくりの拠点の一つにするということを目指しています。次に、「スマート」の取組であります。例えば和光市では、和光市駅の北口駅前と、和光の北インターチェンジ周辺の産業拠点を整備すると共に、それだけではなく、これらの拠点を結ぶ自動運転サービスを導入し、交通利便性の高いまちづくりを目指しています。最後に、「レジリエント」の取組ですけれども、さいたま市では、美園地区において、全ての住宅に太陽光パネルを設置すると共に、共用の蓄電池と電気自動車により、このまちの街区内で電力を融通する仕組みを整備し、災害があった時にもエネルギーが途絶えないまちの構築に取り組んでいます。引き続き庁内一丸となり、これら市町を全面的に支援すると共に、新たに取り組む市町村を掘り起こし、超少子高齢社会に対応した持続可能なまちづくりが進むよう取り組んでまいります。

 次に「あと数マイル(プロジェクトの推進)」であります。公共交通関係では、公共交通の利便性向上検討会議で整理された課題と方向性を踏まえた取組を推進しております。まず地下鉄7号線につきましては、さいたま市の清水市長が表明された令和5年度中の鉄道事業者への要請に向け、さいたま市と共同して、需要予測や地質調査等を行うと共に、沿線自治体等関係者との調整を行っております。東京12号線、8号線等については、それぞれの路線の課題に対応するため、県で調査を行うと共に、関係する自治体との調整を図り、取組を進めています。道路関係に移りますと、国の直轄道路や県管理道路のミッシングリンクの解消等、道路網の強化に取り組んでいます。国直轄事業の国道17号、本庄深谷間、本庄道路のⅡ期区間については、令和4年2月に斉藤国土交通大臣に対し要望をさせていただき、令和4年度に新規事業化されました。また、県の事業では、令和5年春に国道254号和光富士見バイパスの一部区間が開通予定であり、東京都と埼玉県を結ぶ道路ネットワークの強化を着実に進めています。引き続き、公共交通や道路網のさらなる利便性や交通困難地域のアクセスの向上に努めてまいります。

 次に、「女性活躍と男女共同参画の推進」であります。女性活躍は、誰もが自分の意欲と能力を発揮し、いきいきと活躍できる「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向け、不可欠な取組の一つであることから、様々な施策を進めています。まず県では、働きたいと願う全ての女性の希望が叶えられるよう支援を行っており、令和2年国勢調査では、本県の30代女性の就業率は72.4パーセントと、前回から5.7ポイント上昇したところであります。昨年度からは、女性キャリアセンターと「女性の『働く』を応援するワンストップサイト」によって、対面とオンラインで、女性の就業からキャリアアップまでをワンストップで支援させていただいています。さらに、仕事と育児の両立等の課題解決をはじめ、ものづくりや農業など様々な分野にも関心を持っていただくためのセミナーや交流会を庁内で連携して実施しています。希望する働き方が多様な選択肢から選ぶことができるよう、県では、短時間の勤務や、あるいはテレワーク等、多様な働き方を実践する企業を応援させていただいており、令和4年8月現在で、このような企業は3,674社まで増えております。なお、女性の活躍を進めるためには、男女問わずに働きやすい職場づくりが重要と考える観点から、認定する企業に対し、男性育休の取組等、3つの項目を追加させていただくほか、テレワーク等のキーワードで多様な働き方実践企業を検索できるサイトも開設させていただきました。そして県庁でも、女性活躍を進めています。女性管理職の割合は、令和元年度の10.2パーセントから令和4年度には13.2パーセントにまでなりました。今年度から、本庁の全部局に女性課長を配置し、部局長がサポーターとなって、女性課長がさらに上位職を目指すよう、また、これら幹部職員の背中を見ながら、様々なキャリアパスがあることを職員の皆さんに認識していただけるようにしております。また、若手のうちから、キャリア意識の形成や昇任意欲が向上するサポートをすることも重要であり、先輩職員に相談ができるメンター制度を導入させていただいています。さらに、女性も男性も、誰もが働きやすい職場環境づくりとして、テレワークの推進や、育児や介護のために勤務時間中に休憩時間の追加や延長ができる「育児介護インターバル制度」の活用、男性の育児休業取得促進等に取り組んでいます。次に、女性活躍の取組を進める上で、性別に関わらず、自分らしく活躍できる男女共同参画社会の実現を図っていく必要があり、本県では、この男女共同参画基本計画に基づき、施策を展開しています。女性の政策・方針決定への参画度を示す「県審議会などの委員に占める女性の割合」は、令和3年度末で39.6パーセントまで、上昇しました。また、「With You さいたま」におきましては、男女共同参画についての講演・研修の開催や、人間関係への相談支援等も実施しています。これらの様々な施策を通じ、女性活躍・男女共同参画に向けた取組を加速させたいと思います。

 次に、「埼玉版SDGsの推進」であります。まず、企業・団体向けの取組といたしまして、令和2年9月に設置した「埼玉県SDGs官民連携プラットフォーム」において、7月末現在1,056者に参画いただき、SDGs達成に向けた官民連携施策の検討をここで進めています。また、自らSDGsに取り組む県内企業や団体を、県が登録する「埼玉県SDGsパートナー」登録制度では、860者に登録いただいています。このほか、県民向けの取組として、SDGsを楽しく学べるアプリ「エスキューブ」を昨年11月にリリースし、SDGsの普及や県民の参加を促しているほか、学校やイベントでの機運醸成を図る等の取組を進めています。さらに、県庁内の取組といたしましては、私をトップとする庁内推進本部を立ち上げ、部局横断でSDGsの推進に取り組んでおります。昨年5月には、SDGs実現に向けた取組が評価をされ、国から「SDGs未来都市」に選定をされました。これらの取組の主な成果として、県内の金融機関の協力を得て、SDGsのパートナー向けの金利優遇融資商品を用意し、官民連携で支援する仕組みを構築したほか、プラットフォームの参加企業とNPOをマッチングして車いす利用者向けのヨット乗降用リフトの寄贈につながるなど、官民または民間同士での連携を促進することで、取組の輪を広げることができました。今後も多様なステークホルダーと連携し、引き続きワンチームでSDGsを推進します。

 次に、「デジタルトランスフォーメーションの推進」であります。最初に取り組んだのは本県の目指す将来像の明確化です。DX推進計画におきましては、「社会全体のDXにより快適で豊かな真に暮らしやすい埼玉県」にするための取組を体系化いたしました。それはビジョンあるいはロードマップとして体系化をされました。県民の方々は安心安全で便利なサービスを利用でき、事業者のビジネスは進化・効率化し、行政も柔軟で生産的な働き方に変わる。こうした未来を、デジタルで実現をしてまいります。DXには3つのステップがあります。我々が集中的に取り組んでいるペーパーレスは、最初のステップ、デジタイゼーションの段階であります。また、本年度は、第2段階にも歩みを進めており、業務プロセスの見直しや新たな価値の創造として、行政手続のワンストップ化やワンスオンリー化等、県民の立場に立ったサービスの向上、デジタライゼーションのステップに入ってきています。次にDXを推進する体制ですが、中堅若手職員を中心とするDXプロジェクトには、今年は400名の職員が参加してくれました。私もここでの議論に参加し、DXビジョンやロードマップの策定に取り組んでいます。DXの取組は、行政分野だけではなく、産業分野にも進んできています。昨年度、中小企業のDXを支援する「埼玉県DX推進支援ネットワーク」を立ち上げました。建設分野でも、県の公共事業でクラウドを活用した工事情報共有システムを導入し、対象範囲を順次拡大をしております。今後は県民や事業者の方々がメリットを実感できるよう、手続きの利便性向上に取り組んでいきます。また、職員のデジタルスキルも高める取組を本格化させ、DXをさらに加速いたします。

 次に、「埼玉県行財政改革プロジェクト」です。本県では、行政効率化を目指す62の取組を推進しています。このうち、特に大きな成果を上げている「デジタルを活用した取組」を紹介します。まずは「ペーパーレスの徹底」であります。DXを進めるためには、あらゆる情報のデジタル化が必要で、紙に印刷する職場文化を抜本的に改革するため、ペーパーレス支援ソフト等、デジタル化を支えるツールを導入し、オンラインで情報を共有できるようにするのみならず、コピー機のリース期間の過ぎたものは更新しない等、いわゆる腕力を使って、職員の皆様にお願いをしたところ、コピーの使用量は、全体で40パーセントの減、モデル課では90パーセントの削減を達成し、10分の1にまで減ってきています。次に、「WEB会議やテレワークの拡大」であります。WEB会議ツールを活用すれば、出張等による移動のロスが減り、自宅等どこからでも仕事ができるようになる。効率性だけではなく、コロナ禍の感染防止対策としても大きな意味がありました。リモートツールによる会議や研修は、2年前には1パーセントであったのが、令和3年度には63パーセントと大幅に拡大をしました。これを支えているWEB会議ツール、本県は約1万2,000人の職員全てが、いつでも使用できる環境を整えております。都道府県では全国トップレベルの規模の導入例であります。今後も作業効率を高めるデジタルツールを積極的に導入し、仕事そのものを変革します。

 最後になりますが、「埼玉版FEMA」であります。埼玉版FEMAとは、実動機関を県は持っていない、この現状に鑑み、平時からシナリオ作成や図上訓練を繰り返すことによって、実働部隊、関係機関、つまり国や市町村、さらには関係する団体と強固な連結を推進し、県全体の危機・災害対応力を強化しようとするものであり、県の本来有している調整能力を最大限に発揮するためのものであります。令和元年度東日本台風の経験から、風水害をテーマに、令和2年度に4回、そして3年度には6回と図上訓練を実施し、風水害における「大規模停電」や、あるいは「大規模断水」、「浸水害」の3種類のシナリオを、一定程度作成・熟成をすることができました。県が調整・連結機能を果たし、そこに関係機関が一堂に会し、訓練を通じて課題を共有することで、他の機関が災害時にどのような動きをするかを把握することができ、参加者からは「普段話すことができない消防、警察、自衛隊、企業等の情報を共有でき、非常に貴重である」などと大変好評をいただいています。引き続き、埼玉版FEMAのシナリオ作成と図上訓練を繰り返していくことで、専門的な知識や能力を有する様々な官民の機関を強固に連結し、県の災害対応力を強化してまいります。

 以上が主要施策の成果であります。現在、新型コロナ対策を最優先で取り組まなければならないと考えていますが、しかしその一方で、この4月にスタートした5か年計画に基づき、県政全般につき、私がしっかりと指揮を行うことで、734万県民の期待に応えていきたいと考えております。

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共同

 「BA.5対策強化宣言実施中」について、こちらのコロナ対応について関連しまして、政府は9月半ばにも、全国一律でコロナの全数把握の見直しに移行すると発表しましたが、これを受けまして県の対応はどのようにされるつもりか伺いたいと思います。

知事

 私ども、すでに申し上げさせていただいたとおり、3点申し上げました。1点は全数把握(の見直し)を行うには4つの課題があるということ、繰り返しませんけれども、課題があるために、そこについて、特に県民の皆様のコロナ対応に関する、そのリスクを下げていくということが大事であるということをまず1つ申し上げました。そして2点目には、これは、例えば都道府県、県境を越えてしまうと対応が異なるとか、あるいはその統計としての意味合いを持つためには、やはり、国が一括して、一律した基準を設けるべきだということを申し上げました。そして3つ目には、これらについて、しっかりと周知を図ることによって、混乱を下げていく。今、突然、これ導入してしまうとですね、混乱だけが先に立ってしまうという懸念を当時、申し上げたつもりでございます。だとすると、9月の途中から、いつになるか私も分かりませんけれども、報道等によれば、そういった報道がございますけれども、仮に統一した基準をもたらすとしても、これ2番目に申し上げた、国がやるべきだと申し上げましたが、県民の皆様の命のリスク、病気になることのリスク、さらには混乱、こういったことも考えなければならないので、一般論として申し上げれば、当然手続きや報告、これは簡単な方が良いはずなんですけれども、そういったリスクが減じられるかということも見ながら、国の方針が定まる状況を注目していきたいと考えています。

東京

 先ほど知事が、この3年間での主要施策についての成果を語っていただいたと思うんですが、逆に課題と言いますか、残りの任期1年間で、重点的に取り組みたいことがありましたら教えてください。

知事

 まず第1に、先ほど私の率直な印象として、この3年間やらなければならないことの方が、やりたいことよりも、山積して、結果として、やらなければならないことを優先したと申し上げました。残念ながら、今の新型コロナ感染症の状況では、やはりやらなければならないこと、ここに取り組まなければいけないんだろうと、もちろん、今日にでも全て終わって欲しいんですけれども、なかなかそうはならない可能性の方が高いと思うので、やはりそこは、課題と言うか、やらなければいけない、県のトップとしてですね、まずは新型コロナウイルス感染症対応というのは、しっかりやらせていただきたいと、こういうふうに思っていますし、もちろん続かない方がいいんですけれども、継続したとしても、県民の皆様が安心、安全となるような対応、これはやらざるを得ないというふうに考えています。それからできなかったと言うかですね、これまで皆さんの御協力もいただきながら、様々な取組をやらせていただいておりまして、この公約等については、すでに工程表もお示しをさせていただき、概ね順調に進んできているということですね、すでに以前、お話をさせていただきましたけれども、しかしその一方でですね、例えば国際関係等のですね、相手があることなどは、どうしても対面で進めることができない、世界のSAITAMAプロジェクトですね、こういったものについては、残念ながら実現できなかった、あるいはその制約があったと言えばいいんでしょうか、そういったことがございましたので、そこについては、なるべく早く実施をしていきたいと考えてはおりますが、ただ何せ、これ相手が新型コロナウイルス感染症なものですから、そこについては先ほど申し上げた、まずは当面する課題としてのコロナ対策をしっかりと進めた上での対応になろうと考えています。

朝日

 今の御質問にちょっと関連してなんですけれども、就任3年を振り返ってということで、まだ対策が続いているところではあるかと思うんですけれども、新型コロナの対策についてですね、まず未知の感染症に対応していかなければいけないということだったり、あと膨大な感染者の情報だったりですね、ワクチン接種の情報を、行政で管理してやりとりするっていうようなことも、これまではなかったことかと思うんですけれども、そういったことをこれまでやられてきて、知事として率直に振り返って良かったこと、課題等を教えていただけますでしょうか。

知事

 新型コロナウイルス感染症対策については、最初の段階ですね、第1波の頃から一昨年の11月ぐらいまでは、本当に正直、専門家と言われる方もおられないわけですよね、コロナ見たことないわけですから皆さん、あるいはその知見というものがない中で、全て正直、その対症療法でした。本来は、戦略を定めて対応しなければいけない危機管理体制なんですけれども、それができませんでした。こういった対症療法を余儀なくされながらも、私たちとしては、とにかく、これあんまり言い方いいかよくないかもしれませんけど、埼玉県においてはクラスターを徹底的につぶすことで、他の都道府県の事例が先行すると言うんでしょうか、その情報が入るように、つまり、少なくとも埼玉県は遅らせることによって情報をなるべく増やす、こういったその対症療法しか当初はできませんでした。これは大変残念だったと思いますけれども、ただそこで、どこまでやればいいのか分からないながらも、社会経済活動を犠牲にして、感染症対策を行ったので、そこで第1波の直後に、例の強い経済構築のための埼玉県戦略会議を作らせていただいて、経済を行いながら感染症対策をどうするかということを作らせていただきました。それが徐々に危機管理対応ですので、組織作りというのも大変重要で、特に役所は前例のないことをしたがりません。そこで、当初の話はほとんど私が指揮してきたんですが、途中から特にeMATとかですね、あるいはその診療・検査医療機関の窓口を全て公表する、これ県の役人側から上がってきた話で、これができた瞬間ぐらいに、私は危機管理体制の構築は、私の役割は、初期のものは終わったというふうに感じたし、それと大体同じ時期に、死亡者、あるいは重症者を徹底して減らすと、陽性者に関わらず、この戦略が一昨年11月に作りましたけども、これが大体でき上がったということで、危機管理体制の構築に移行したと、これが大体私たちがやってきたことでございまして、先ほど御質問にあったように、1つ1つの新規陽性者とか、連絡だとか、あるいは調整だとかってのありましたけども、私の立場から言えば、よく分からない未知のウイルスに対して、危機管理体制を構築し、戦略を作り徹底をする、もうこれは、私がやった仕事だと思いますので、あとは優秀な職員たちや、あるいはその本当に親身になって義務感で対応していただいた保健所や、あるいは医師の方々、医療機関の方々、埼玉県の場合は、他と比較しても、非常に丁寧に、我々の言うこと聞いていただきましたので、そういった方々におんぶにだっこだったというのが私の印象であります。

朝日

 女性活躍と男女共同参画のところでちょっとお伺いしたいんですけれども、これまでのいろいろな取組を御紹介いただいたところでしたが、埼玉も含めて日本の女性活躍の状況っていうのは、まだなかなか国際的にも進んでいないようなことがよく言われますけれども、知事としてはどういったことがボトルネックに、こうなっているのかというのとですね、今後埼玉県で女性活躍を進めていく上で、それを打開していくために何が急務だと思ってらっしゃるのかというのを教えていただけますか。

知事

 先ほど申し上げたとおり、日本一暮らしやすい埼玉を作り上げていくためには、女性の社会進出・活躍は不可欠だと、まず認識しています。他方で、我が国振り返って、国際的にもというお話をいただきましたけども、振り返って我が国の例えばジェンダーギャップ指数を見ると、2022年現在で、146か国のうち116位ということで先進国の中で最低レベルであります。特に気が付くのは、過去30年の間に、実は他の国と大体、日本、肩を並べていた、一部の進んだ国は別として、にも関わらず、この過去30年間で、一気に多くの国に抜き去られた、置き去りにされた、これが日本の状況だと思います。それは政治や経済の分野において、女性の参画を、国際的な様々な他の国では、一気に上げるという流れがあったんですけれども、残念ながら日本においては、それがなされなかった、置き去りにされたんだというふうに認識をしています。その中でも、もちろん、例えば法律だとか、あるいは県庁内の例えば働く制度だとか、そこに男女差別ってのはほとんどないはずなんです。ただそうじゃないんだけど、意識の面でですね、女性側もそう、男性側もそうですけども、女性であることを理由に、様々な不利益が残っていたり、実際の問題としてですね、あるいは意識の問題として、ガラスの天井をいつの間にか男性も作ってるし女性も作ってる、こういう状況だと私は思っています。実は8月10日に、川越女子高校の皆さんがですね、来ていただいて、私にインタビューしてくれて、そこで埼玉県知事、女性がなることは可能ですかって聞かれました。男の子だったら、男性がなることは可能ですかって質問を私はしないと思います。やはり、そこは、我々意識改革してるから、あなたたちも一緒になっていただいて、是非、いわゆる無意識、アンコンシャス・バイアスですね、これを払拭して、皆さん、是非県知事になって欲しいということを、当時申し上げたところでありますし、この無意識を打破するためには、男性職員も含めて全職員に、私もこれまで3回、直接メッセージを全職員に出させていただきました。そういった意味では、男性も含めて女性も含めて、働きやすい職場を全庁一丸で作っていく必要があると思います。なお、先ほどの国際的に置き去りにされたと申し上げましたが、置き去りにされたうちの要因の1つは、例えば、一部の国では、政治等でクオータ制の導入を行うなど具体的に進める、単に女性頑張れだけじゃなくて、そういった制度を作ったということが、私は大きな意味合いを持った、単にクオータ制を実現するだけじゃなくて、それが社会に与える影響を含めてと思っています。県庁でもそこで、例えば今年度は、各部局に少なくとも1人の女性課長を全ての部局、つまり時に現実の問題として、こういった部は女性の人じゃなくて男性向けだみたいな無意識の思いがありましたので、それを打破するためにも女性課長を誕生させる、それから、あらゆる職場で女性が活躍、能力ありますから、することを見せる、それから、男性であれば当たり前なんですが、例えば、ものすごいキャリアウーマンタイプだけじゃなくて、いろんなキャリアパスがある、こういったことを後進に見せる、これらを行わなければならないと思って、実際に今年度は、具体的な形で取り組まさせていただきました。大変重要な問題ですが、まだまだやるべきことたくさんあると思っています。

朝日

 今の県の人事のことでちょっとお伺いしたいんですけど、幹部に女性の比率を増やしたということですけれども、それこそ新聞社とか企業もそうかもしれないですけれども、その女性幹部に、単純に人数を増やすだけでは、もうやっぱりいろいろ女性だから登用されたとかですね、ミスマッチが生じてしまうのではないかっていうような声とかもあったりすると思うんですけれども、やはり知事としてはそういう意思決定層の中に女性を入れることが、まず数として、こう増やすことが大切だと思ってらっしゃるということなんでしょうか。

知事

 女性が意思決定の中でどれだけ果たせる能力があるかということについて、私は男性と遜色(そんしょく)があると思ってないし、女性の方が、もしかすると、優れた能力を発揮する場合があると思いますし、多様性といったことを反映するって必要あると思います。ただ、それ以上に、先ほど申し上げたクオータ制度、これ中身の問題で、まず人数これだけ増やしましょうみたいなこういった機運が高まったという国際的にありましたので、そこで先ほど申し上げた、うちはクオータ制じゃないですけれども、全ての部局に課長をまず作ること、そしてそれをみんなに見てもらうこと、そして、そこで活躍できる人材を私は選んだつもりなので、活躍してもらって、そして今若い人たちが、私には無理かもしれない、あるいは、女性が子供を産む時に、周りが女性が子供の産む時に、あなたそのポジションにいちゃいけないよなんて言う人、多分いないんですけど、女性側から迷惑かけるかもしれないと思って、そういった忙しい部局を逆に選ばないとか、そういったものが現実に県庁内にあります。そうじゃなくて、いろんなキャリアパスを作ることで、例えばお子様を産む時にも、違うことが起きる時にも、男性は問われませんから、女性はそんなこと関係ないんだよっていうことを見せるためにも、いろんなところに課長や幹部を作ってって意思決定にも入る、指揮命令もする、そういった様々なキャリアパスを示すことが、私は次に続く人たちを次々作っていく、そうなれば、もしかすると一部の方は、女性を随分ひいきしているんじゃないかと思う方おられるかもしれませんけど、それがいつの間にか普通になって、女性だからとか、逆にこういった場で、質問すら出ない世界になることを私は望んでいます。

毎日

 ちょうど今、知事就任1年目の定例会見の記事を見ているんですが、そこの中の見出しの中に、知事の言葉として、医療体制の弱さを克服したいという言葉が、見出しにとられているんですが、どうでしょうか、今、医療体制の弱さは、この時就任1年目でしたけど、2年経ち、どういうふうに評価され、克服できたかどうか、どう思われますか。

知事

 まず、医療体制については、今、人口当たりの医師数、あるいはそのベッド数等については、日本で一番下もしくは2番目ということで、残念ながら非常に低い。また、医学部を増設したいということで働きかけてきましたが、これも認められていないということで、根本的なそういった与件自体は国に働きかけなければいけませんが、ここは残念ながら、遅々とした歩みだったというふうに考えています。他方で、医療提供体制、特に今回、先ほどの1年目の時とその間に、やはりそのコロナ対応というですね、医療の中でも、私たちが特に急性期医療について大きなチャレンジがありました。そういった中で、私たちは例えば、順天堂大学の誘致のようなものは、一定程度、進み始めてきたと思っていますし、あるいはこういったコロナ対応の中で、特に医師会や様々な医療機関との連携がものすごく強まったというのは、これは正直なところで、先ほど少し話しましたけど、診療・検査医療機関が全てオープンにしていただくなど、他の県では見られなかった対応をしていただくなど、非常にありがたかったと思ってます。そういった中で例えばTele-ICU等のですね、お医者さんは少ないけれども、今の先端の技術を使うことによって、治療を行うということが、他の都道府県と違って、他の都道府県でもTele-ICUはありますが、系列病院の中だけです。私たちは、そこを超えて対応が行うことができるとか、あるいは地域枠も今年増えましたし、来年度以降は順次増やしていきたいというふうに考えているところでございますので、お医者さんたちについても、いていただけるような環境をしっかりと作り上げていきたいというふうに考えています。もちろん、すぐには病院は増えないし、医学部は作れないしっていう状況は変わりませんけれども、皆さん方の御協力と工夫で、この過去2年間振り返ると、進展を大きくしてきたというふうには考えています。

毎日

 あと、3年間で一番心に残っている出来事とかありましたら教えてください。

知事

 先ほど申し上げましたし、みんなからも言われますけど、やっぱりその危機管理ずっと続いてきた、これは、一番やはり私にとって、今もオンゴーイングで、継続中でありますけれども、本当に正直申し上げると、知事になった時には想像ができなかった。もちろんある程度は何かあると思ってましたけども、想像ができなかったことでありましたし、今も取り組んでいますので、感想というのが正しいかどうか分かりませんけれども、想定していなかった事態でありました。

毎日

 先ほどの危機管理体制の構築が自分の仕事だと強調されてましたけど、その危機管理体制っていうのはどういったものなのか、あと何がポイントになるのか。危機管理の大野と県内でも言われてるみたいですが、何がポイントなのか、どういうことかを教えてください。

知事

 危機管理は、私の特にこういった県庁組織で考えた時に、私はポイント3つあると思っていて、1つは常に申し上げてますが、準備と想像力だと思っています。想像力と準備を行って、これを訓練を繰り返すことによって、非常に危機に強い体制ができる、あるいは想定しない危機であってもマネージすることができる、こういったことができるんだろうと思っています。ただ、コロナに関して言うと準備できなかったし、想像力も多分みんな働かなかったというのは、コロナ自体を見た人がいない、ワクチンにしても打った人がいない中でリスクをどう考えるかって、こういったことを余儀なくされましたので、やっぱりそこは、大切だけど一番強調してきたことが実は、一番当てはまらないようなタイプの危機だったと思っています。2つ目には体制であります。危機管理には、ワンチームでやることも大切ですし、あるいは時に、私も以前、戦争の経験が外務省時代にあると言いましたけども、例えばみんな一気に戦争が始まってですね、それから2日、3日するとみんな寝てないことに気が付く、こうすると組織その場で止まっちゃいますので、例えば途中で、その休憩を入れることも含めて、どういった体制を作るか、先ほど県庁の話で言うと、県庁の人間から、残念ながら最初アイディアは上がってきません。したがって例の飲食店のステッカーにしても、あるいはCOVMATにしても、様々なことを私のアイディアでやらしていただきましたが、それが徐々に話が動いていくと、県庁側の方から提案が出てくる、こうなると最初の危機管理体制、ワンチームになったっていう感触が得られますので、やはりそこは2つ目の体制づくりというポイントについては、とても大切ですけども、危機管理の初動体制をどう作るかということが、極めて重要だというふうに思っています。そして3つ目には、よく言われるレジリエントで、レジリエントの中には元から創造して強固な組織を作るってのもありますが、ここで言うレジリエントという、私の場合、この場合にリダンダントと言ったらいいかもしれませんけれども、どのように、一度受けたダメージを修復させるか、これは危機管理の、例えば台風の後の復旧もそうですけれども、どのように組織も含めて、受けたダメージを復活させていくか、これは例えば、保健所、本当に最初厳しい状況の中で、そこから例えば業務をこちらにお預かりをするとか、人を入れる、これリソースでやったわけですけれども、そういったものとかですね、様々なやり方があると思いますけれども、そういったその3つのことが、今回の特にコロナで、特に一番最初に申し上げた、想像力が働かない、準備ができないということに対してやはり、この3つのポイントを組み合わせながら、危機管理は行っていくべきだろうというふうに、県庁の組織においては思っています。

毎日

 最後になりますが、あと1年後、選挙を控えますが、控えるのか分からないんですが、知事はどうされるつもりなのか、教えてください。

知事

 おかげさまで、3年間本当に多くの皆様に御理解をいただきながら、危機に直面しながらも、頑張ってくることができました。ただ、先ほど申し上げたとおり、まだ新型コロナウイルス感染症への対応、あるいはそのウィズコロナ、ポストコロナも道半ばです。それから、ロシアによるウクライナ侵攻が引き金となった原材料、エネルギー価格の高騰等、喫緊な課題に今は全力で取り組んでいるつもりであります。したがって現時点で、来年の知事選に関して、私自身の身の振り方も含めて、具体的な考えを持っているわけではなく、今はこの残り1年、まだ正直1年もありますから、その中で、この今直面する危機管理にしっかりと対応するということが、私に今求められてることだと思うので、そこに全力で取り組んでいきたいと考えています。また、5か年計画を作らせていただいて、これをスタートさせたばかりでもありますので、この端緒をしっかりと作り上げることに集中をしたいと考えています。

時事

 危機管理についてなんですが、今回のまだ続いてる第7波の危機管理なんですけれども、これうまくいっていると考えられるでしょうか。というのは、オンラインの診療が途中から受けれない人が出てきたということと伺いましたけども、こういう危機管理と言うと大体は最初に一番大きな風呂敷を開いて、それでやるんですけども、今回の危機管理は、他が千葉県とかやってまして、想像はできたと思うんですが、それ準備されずに、これだけ感染者が増えてしまったというような感じもするんですが、そこについて危機管理体制、ちゃんとできたかどうかそこら辺はどう考えますか。

知事

 オミクロン株の対応として、私ども申し上げて、以前ちょっと申し上げましたが、第5波が終わった時に、国から1万8,000(人)の自宅療養者の体制を作れという話がありました。ただ、私たち、数か月、イギリスやアメリカ等、ヨーロッパなどで、もう先行していたので、そこの状況を見て、国の言うことに関わらず、その3倍近く、5万人以上の受入れができる体制を作ってまいりました。そしてこの第7波に、7月から入るわけですけれども、7月の状況を見ていただくと分かるとおり、例えば千葉とかいろいろおっしゃいましたけども、関東の他の県の4分の1、5分の1の死者で収めることができたと、これはやはりきちんと医療提供体制を、きちんと最初の時点で通るということ、それから新規陽性者、これ5万人規模が最終的には9万6,000人にオンライン等で行うことによって、拡大したわけですけども、可能な限り一番近いところに、お医者さん方を置くによって、私たちは他県よりも4分の1、5分の1に少なくすることができたというのが実績であります。ただ8月ぐらいになると、オンライン診療とか、こういったことを行うことによって、実はほとんど他の県と差がなくなってきます。他の県は未だに全体では少ないものの、それでも有意な差にはなくなってきて、やはりその意味では、我々は、それはその、できなかったのではなくて、最も良い選択肢から、これを行わなければならないと思っています。ただし、何万人に増えるまでは我々、正直想像ができないような状況でありますし、これ実は世界の前例もなかったので、今残念ながら日本が一番多い状況になっていますから、先行した国はあったものの、ここまでの規模になったということは想定はできていませんので、やはりそこは、様々な知見を後から加えることによって、ただし、それによって、他県並みの死者数になったことも事実でありますので、我々としては、そこは安易に、例えば、全数把握もそうですけれども、それ全数把握しない方が、確実に負担は減ります。でもだからと言って、安易にそこに飛びつくということはしてはいけないというのは、同じ話だと私は思っています。

時事

 必ず陽性者に対して、医者の目を入れるという話を言われていると思うんですけど、ピーク時にやはり、もう発熱医療機関に対して電話してもつながらないという事例がある時に、そういう無症状者の方がそういう病院に行かれる枠が埋まることによってですね、重症化リスクがある方だとか、そういう方が病院に行けないっていう、ジレンマ、逆に本末転倒な状況になったと思うんですが、そこら辺についてはどう考えられますでしょうか。

知事

 診療・検査医療機関については、アンケートをとらせていただいております。毎週のアンケートでは、7割以上がひっ迫しているというふうに、最悪の時にはなりました。ただ、全部が埋まったわけではもちろんありません。そしてそういった中で、いわゆる確認、認定をする、そういった窓口を行うことによって、一部の方はですね、どちらかと言うと、そのとにかく陽性であることを認定して欲しいと、そういう方もおられまして、そちらに逃がすような仕組みを作ることによって、重症リスクのある方については、診療・検査医療機関で、受け入れられるような体制は作ってきたつもりであります。

時事

 例えば、無症状者の方にオンラインに逃がしてですね、それで、重症化リスクある方に対してはちゃんと病院に行くように、何かそういうメッセージもあっても良かったのかなって感じもするんですが、そこら辺についてはいかがでしょうか。

知事

 ずっと言ってましたけど、要するにその軽症者や、あるいは50歳未満についてのみ、そちらに行ってくださいというお話をさせていただいておりました。

読売

 今、就任後3年を迎えて、2期目については現時点で具体的な考えを持っておられないということでした。コロナ対策最優先に5か年計画に基づいて、しっかり指揮をして県民の期待に応えていきたいと御発言もありました。やはり県政運営で、行政の継続性ってとても大事だと思います。就任以降、数々の政策の種を蒔いてこられたと思いますけれども、1年後はコロナも終息していて欲しいと思いますけれど、最優先に掲げるコロナ対策も、道半ばである現状において、知事の責任っていうのは一定程度あるかと思うんですけども、御自身の責任と2期目を狙うんであれば、狙うかどうかも含めて、去就についてはいつ頃までにとかいうお考えあるでしょうか。

知事

 2期目について、今申し上げたとおり、現時点で決めていないので、いつの段階で表明するかっていうことも、当然考えているわけではありません。ただ、今優先しなければならないことにまずは取り組むということ、それから、おっしゃったその行政の継続性とかですね、それからコロナの対応がまだまだ、仮に、今日私が任期が終わるという場合にも、やはりその、今後どうするんだってのは当然、仮にそこで私が終わるとしても、全く責任がないとは思いませんし、逆に責任大きいというふうに思っています。ただそうは言ってもですね、コロナ大変なんで公選法(公職選挙法)を変えてくれってわけにもなかなかいかないと思いますので、私としては、今現時点でできること、またコロナだけではありませんが、5か年計画の端緒はしっかりと、船出させたいというのは、正にそういうことで、ここで中期的、長期的な課題も正直多いものですから、そこに対して、私ができる範囲のところの期間の中でやらせていただくことに、今は全てを傾けたいというふうに考えているところでございますが、ただやっぱり、どこかの段階で、どうしても、次どうするってのは表明せざるを得ないと思いますが、現時点で、それがどこの段階かを決めているわけではありません。

テレ玉

 知事がやりたいことよりも、やらなければならないことを優先されるというのは、私の記憶だと3年連続のコメントだと思うんですけれども、改めてですね、この県政運営、この1年間を振り返って、これまでの県政運営の自己採点、何点ぐらいつけられるかというのを伺えればと思います。

知事

 本当に毎年、これ正直、毎年思ってますし、もう言いたくないぐらいでありますけども、これはしょうがないと、正直思っています。自己採点、3年間ですね、確か去年75点って言ったのかな。75点ですか、大体そんなもんだろうというふうに思っています。ただ、一つ一つ反省することも、正直コロナ対応にしてもありますし、これも正直なところです。やはり自分自身、満点をつけられるだけの仕事をしたかと言うと、こうすれば良かったかなと後で思うことはあります。

NHK

 先ほど、新型コロナについて発表をいただいたんですけれども、先週、知事から国に要望も出されたかと思うんですけれども、それについて、もし国から何か反応が来ていれば教えていただければありがたいです。

保健医療部

 国からは特に返事が来ておりません。

NHK

 知事としては、全国一律で国がきちんと方針を示してやるのが望ましいというお考えだと思うんですけれども、今回先行して茨城など4県が来月から始まることになるかと思うんですが、結果的にこういうふうな対応になったことについて、知事として、全国一律が望ましいとお考えになっていた上で、今どうお考えか、伺ってよろしいですか。

知事

 やはりこういった感染症対応の対策を作る、これが1つ目ですね。2つ目には、感染症法に定められた、例えば就業制限とか、そういったことも関連するものですから、国民の皆さん、県民の皆さんに対して影響が大きい。それから3つ目には統計と言うからには、やはり同じ基準で取らないと統計にならない。こういったその3つの観点から言うと、私は、都道府県の知事がそれを判断するというのは、おかしな話だと思っていますので、緊急避難的にやらなければならない状況と国が把握をしているんであれば、緊急避難だと皆さん思うんだったらどうぞではなく、国として、それを対応するべき措置や基準というものを示すべきだという考え方は、今も変わっていません。ただそういった中で、一部の県、あるいは都道府県がやるとかやらないとかっていう話になりますと、先ほど申し上げたとおり、県民の皆さんに、大きな影響が及んでしまって、例えば職場でも、こっちから来た人は公休で、こっちから来た人は公休じゃないという状況になりかねないとか、そういったその様々な影響が及びますので、やはり私は、国が必要な措置を、専門家の皆さんの意見もいただきながら行うという必要があるというふうに考えています。

NHK

 そういう中で、近く全国知事会もあるというお話を伺っているんですけれども、例えば、その場で全国の知事に対して共有したいこととか、もし、大野知事から何か提言されたい内容があれば教えてください。

知事

 全国知事会で、私の方からも発言はするつもりであります。その時には、これはもう皆さんに申し上げているとおりのことで、やはりそのリスクがある以上、そこは慎重にしなければいけない。それから、その医療機関の負担を隠れみのに、行政の負担を下げるということを目的に、全数把握を止めるのであれば、これは本末転倒であるということは、きちんと申し上げようというふうに考えておりまして、その一方で、全国知事会として国に対して、一律の対応を求めていくべきであるという話も、お伝えしようというふうに考えています。

朝日

 今の全数把握の関係で何点か確認なんですけれども、まず金曜日にやられた、その国への要請というのは、これは特措法に基づいた知事からの要請ということなんでしょうか。

知事

 まず、これにつきましては、通常の国への要請と一緒で、特措法に基づいた権限での法に基づくものではありません。

朝日

 専門家会議後の会見でおっしゃられていたことの、ちょっと繰り返しになってしまうんですけれども、今の段階で知事としては、発生届の対応になっている、その診療・検査医療機関というところのひっ迫というのは、現状さほどひっ迫状況が大きくないという認識があった上で、その医療体制のひっ迫云々に関わらず、先ほどおっしゃっていたような、4つのリスクということを考えても、その緩和というのをするべきではないという考えということでよろしいでしょうか。

知事

 実はちょっと報道でもありましたけど、私ずっと申し上げてますが、医療機関大変厳しいけれども、ひっ迫しているという状況ではない、相対的にという話を申し上げたはずでございます。その上で申し上げれば、我々アンケートをとらせていただいていて、最もひどいと言うか、厳しかった8月の第1週ぐらいと比べると、当時70ポイント以上だったのが、今50ポイント台に下がってきていますので、現時点で診療・検査医療機関の方々が、特にHER-SYS等については、入力項目が少なくなった中で、これができないという状況というふうには聞いていませんし、医師会でもそういった話が出たそうですけれども、実際の臨床医の方々から、そういった声が相次いだということはなかったというふうに聞いていますので、我々としては。それからもう1つは、医療機関のひっ迫と診療・検査医療機関のひっ迫、必ずしもイコールではないので、つまり、病床とかですね、重症病床とか、我々、特に重症病床やお亡くなりになる方を、一番最大の目的にしていますけれども、それと発生届出す人達ってのはちょっと違う医療機関、診療・検査医療機関、必ずしもイコールではないので、やはりそこについては、私どもとしては、しっかりとリスクを下げることと、それから診療・検査医療機関や保健所の負担というものを、バランスを取っていく必要があると思いますが、先ほど申し上げたアンケート等を行っていますので、現時点において、緊急避難的にそれを行う状況にはなっていないし、なおかつ病床自体もフェーズⅣですので、一番最終段階にはまだ至っていませんので、そういう判断をさせていただいています。

朝日

 そこのひっ迫に関わらず、先ほどおっしゃっていた、例えば把握してない方が重症化したりだとか、医療保険の方に申請できないだとか、そういう複数の理由があって、やっぱりその全数把握の緩和をすべきではないっていう考えということでよろしいでしょうか。

知事

 ひっ迫に関わらずではありません。さっき言ったようにひっ迫度合いが下がってきていますので、それはアンケートで我々毎週、定点観測しているので、そういう状況にはないということであります。もちろん、全くみんな検査を受けられないで、その辺で放置されてるのに、緊急的、避難的な措置を取らないとは申し上げていません。我々が申し上げてるのは、両方、判断を総合的にしながら、先ほどバランスという言い方させていただきましたけども、そのバランスを考えながら、自分たちのスタンスというのは決めたいと思っています。

朝日

 先ほど申し上げた、例えば把握してない方が突然重症化するような場合とかっていうのもあるんですけれども、そういう場合は命に関わってくるので、非常に対応が難しくなってくるのかと思うんですけれども、ここについて今後協議していくというようなことを、金曜日もおっしゃってましたけれども、現状どういった対応が必要だと考えられているかというのを教えてもらえますでしょうか。

知事

 私どもとしては先ほど申し上げたように一般論として、そういった事務的な報告で、人手が取られることは望ましくないし、それを報告しなくていいんだったら、それはそれで一番いいんだと思っています。ただし、やはりそのお医者さんの目と言うんでしょうか、専門の方々の、一度そのファーストタッチで通らないでいますと、どうしても急変する人は正直どっちもいます、通っても通らなくても。ただ、その時の最初の初動の対応がなかなか難しくなってくるといったことが、一番大きなリスクでありますので、私たちといたしましては、やはりこの初動の体制を何とか確保できるようにしたいと思っていますし、だからこそ未だに、先ほど他県と同じようにやってるって話もありましたけれども、私ども未だに、自主療養は一切認めていないのは、正にそういう理由でございますので、人の命とバランスが取れないところって当然ありますので、そこは極めて重視して、今後について検討していきたいと考えます。

東京

 先ほどの知事の自己採点の質問の中での御回答のところで、満点をつけられるかと言うと、後で振り返ってみたらこうした方があったというところもあるっていうお話をされていたと思うんですが、この3年間を振り返って、その新型コロナウイルスっていうことに限定した時に、特にこの政策が良かったというふうに思えるところと、あとはこうしとけば良かったなとか、あと残りの任期1年間でこうしていきたいっていうことがありましたら教えてください。

知事

 本当に、逆に言うと良かったところもあるんですけど、自分としてはその例えば保健所とかですね、あるいは医療機関の方とかに、負担を本当に多くかけざるを得なかった。これやっぱり申し訳ないと思ってるし、でもそれでもかけざるを得ない、今もって、こういった状況にあるのはやっぱり大きかったですし、それから先ほど、医療の埼玉県の乏しい医療資源についての話もありましたが、実は最初、すごく悩んだと言うか、途中まですごく悩んだのはやはり、逆に療養施設の方です。ホテルの部屋数が、埼玉県は東京都の7分の1ぐらい、あるいは神奈川や千葉の2分の1以下、しかも、小さいところが少ないと、そこにお医者さん置けないので、どうしても部屋数少ないところに1人置けませんから、そういった意味では使いにくい療養施設も多いということで、実はそこは最初の頃ものすごく悩みました。今も、あとはそのSpO2を測るためのですね、パルスオキシメーター、これも確か最初の年の7月ぐらいから始めて、今も行っていますけども、本当に必要なのかどうかって議論、今もありますが、ただ、今も念のため、送らせていただいている状況ですけれども、どこまで我々がやるべきかってのは、先ほど全数把握の話もそうですけれども、正にバランスでですね、そこは正しかったかどうかっていうのは、後からしか、正直、検証できないってこともあるかもしれないけれども、なかなか厳しいところがあったと思っています。だから悪いところの方が正直残ってるんですが、良かったのは先ほど申し上げた、診療・検査医療機関全数を表に出したとか、あるいは何とか、今回の第6波、第7波でも、他と比べて相対的に余裕のある対応ができたとか、あるいはその例のステッカー最初に作ったとか、COVMATを作ったとかありますけど、ただ、それでもお亡くなりになる方おられましたから、やっぱりその意味では、どちらかと言うと、こうしておけば良かったなっていうことの方が大きかったと思います。

TBS

 先ほどちょっと話出たんですが、隣接県である茨城県の大井川知事が、全数把握届出の限定をですね、全国一律を待たずに、届出をしまして認められて、9月2日から実施の方向になっているという話聞いてます。先ほど知事も、隣接県で違う対応になった場合、混乱が生じるんじゃないかという危惧をおっしゃられてましたけれども、結果的に、隣接県の茨城県と対応が異なることになります。これは影響があるかないかも含めて、知事の御見解をお伺いしたいんですが。

知事

 学校の場合には、学校保健法に従って、設置者がこれを制限する等の権限があります。他方で、感染症法の12条(後に18条に修正)では就業制限等については、都道府県知事に権限があることになりますので、やはりそこについてはですね、あるいは大臣かな、だったと思いますので、そこはですね、同じ対応にしないと、こっちでは、例えば有休を使って休むけれども、こっちはお休みで、公休で保険に請求ができるとか、そういったその対応の差ができてしまうのは決していいことではないと私は思いますので、そういった措置だけではなく、もちろん一番リスクは、先ほど申し上げた県民の命ですけれども、ただ、県境でそれが変わってしまうと、様々なその行政手続きも含めて、皆さんに逆に混乱が広がってしまうと私は思うので、そこは整理をした上で、仮に都道府県ごとに決定をさせる場合でも整理を、例えば、国がこの制度はこういうふうに法律を当てはめますよ、という有権解釈権、法律持ってるのは政府だけですから、そういったものはやった上で、やはりしっかりと対応させなければいけない。ただ望むべくは、一律の対応が一番私はいいと思っています。これは今も思っています。

読売

 二期目についてちょっと繰り返しで恐縮なんですけども、具体的なお考え持ってないということなんですけども、何となくこうしたいだとか、なんかそういうのはありますでしょうか。

知事

 何となく決めるものではないような気がいたしますので、私といたしましては、今は、まずは目先の仕事に集中をさせてください。

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幹事社質問 

双葉町の帰宅困難区域一部の避難指示解除について【該当部分動画(YouTube)】

共同

 私の方でも来期の埼玉県知事選挙について質問をしようかと思っていましたが、もうすでに出ましたので、私からは1つ質問とさせていただきます。福島県の双葉町が(8月)30日本日の午前0時に、帰宅困難区域の一部で避難指示が解除されまして、11年5か月ぶりに住民の居住が実現することになります。当時、双葉町の避難住民を受け入れた埼玉県として、この節目に対する受け止めをお伺いしたいと思います。

知事

 東日本大震災によって、今も県内に避難されてる方々がおられます。改めてお見舞いを申し上げたいと思います。他方、福島県双葉町の復興拠点において、避難指示が解除されたことは、県内に避難され、帰還を心待ちにしておられた双葉町の方々にとっては大変感慨深いものだというふうに考えます。平成23年3月、大震災の際、さいたまスーパーアリーナから始まった避難生活でありましたが、これが1つの節目を迎えるに当たって、もちろん私もそうですけれども、これまで支援に関わってきた市町村、あるいはNPO団体の方々も自分のことのように喜んでおられるというふうに思います。双葉町で帰還される方々につきましては是非、これまでですね、埼玉県で培われた地域の方々の交流や友情、絆を大切にこれからもしていただきたいと思っています。一方で、県内には、福島県のほか、岩手や宮城等、親戚知人宅に避難されている方を含め、本年4月1日現在では2,600人を超える方が避難生活を今も送っています。希望する全ての避難者が、一刻も早く故郷に戻る日が来ることを願っております。引き続き、私ども県といたしましても、被災地に対して県職員を派遣をする等、1日も早い被災地の復興に向けて努力をしていきたいと思っています。改めて、受け入れていただいた県内の市町村、そしてNPOの皆さんには、本当に言葉にできないほどの苦労だったと思いますけれども、感謝を申し上げたいと思います。

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その他の質問 

パートナーシップ制度の導入について【該当部分動画(YouTube)】

共同

 性的少数者のカップルを公に認めるパートナーシップ制度について、栃木県が9月から、東京都が11月から運用を開始することになっています。埼玉県につきましては、パートナーシップ制度の導入を考えていらっしゃるかどうか伺います。

知事

 他の都県で導入予定、あるいはされているパートナーシップ宣誓制度については、双方もしくはいずれかの一方が性的なマイノリティである方々が、互いを人生のパートナーとして生活を共にすると宣誓をし、この2人に対して県が宣誓書受領カード等を交付する制度でありますが、これは婚姻等とは違って、法律上の効果が生じるものではありません。私たち埼玉県といたしましては、生計を共にするLGBTQの方々の権利、あるいは身分等に関する必要な措置について、政府の考え方に則るものでありますけれども、それぞれの制度とか手続きごとに、必要な対応があると思っていますので、互いを尊重し協力し合う関係を宣言するだけの制度ではなく、当事者の方々の権利や身分について、実現していくことこそが大切だと考えているため、パートナー(シップ)宣誓制度については、現時点で導入することについて考えていません。

共同

 公営住宅への入居ですとか、病院で家族として病状の説明を受ける等、何かこう具体的な対応を、条例の改正ですとか対応される予定はありますでしょうか。

知事

 まず、条例についてのパートナーシップですが、条例のパートナーシップでは、パートナーシップ・ファミリーシップは「互いを人生のパートナー、または家族として尊重し、継続して協力し合う関係」と定義をしています。そのパートナーシップの制度等について、この条例に基づき、生計を共にするLGBTQの方の権利や身分について規定するというのは、私は難しいと考えています。他方で日本政府は、性の多様性の尊重について、国連人権高等弁務官事務所への報告の中で、「性の多様性が尊重され、全ての人が人権を大切にし、互いを尊重し、活動的な生活を過ごす社会の実現をする」と言っていますので、この考え方に則れば、私たちも共に生活をする人たちが人権を尊重されて、活動的な生活をする社会を作る必要があると思っています。そこで、例えば県立病院における手術の際に、これらのLGBTQの方々であろうとも、仮に同意をできるよう、実はすでに運用で対応しております。そして、今後は、県営住宅の入居等、それぞれの手続きごとに、条例や規則の制定・改正だとか運用によって、それぞれについて権利や身分を尊重すべき対象とする範囲を、それぞれ定義して対応していきたいというふうに考えています。ちなみに法律においても、一部ですけれども、例えばその介護等の場合には、実際に入籍をしているとか、婚姻関係にある、そういった関係でなくても、どこまでの範囲については介護の対象になるとか、その法律の範囲内での身分や権利をそれぞれ規定をしていますので、それと同様に、県においても、先ほど申し上げた、活動的な生活を過ごす社会の実現のために必要な制度を、それぞれ運用や条例の改正によって、成し遂げていきたいと考えています。(終)

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お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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