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掲載日:2026年6月8日

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少子・高齢福祉社会対策特別委員会視察報告

調査日

令和8年1月29日(木曜日)

調査先

⑴一般社団法人アーツアライブ(東京都豊島区)
⑵社会医療法人社団 埼玉巨樹の会 所沢美原総合病院(所沢市)

調査の概要

(1)一般社団法人アーツアライブ

(認知症福祉における取組について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 障害の有無にかかわらず、人生の最後までその人らしく生きる共生社会の実現が求められている。

■視察先の概要と特色

  • 同法人は、アーツ(美術・音楽・ダンスなど)の力を通し、全ての人に日常では味わえない新たな感動を届け、創造する喜びと生きる活力を得てもらうこと、人と社会を元気付け「ALIVE 活き活きさせる!」ことを目的に、平成21年に設置された。
  • 取組の一つである「ARTRIP®」は、認知症とその家族を対象に実施する対話型鑑賞プログラムで、絵画を鑑賞しながら会話を重ね、感情・記憶を呼び起こしていくものである。認知症の参加者は、鬱の軽減と単語記憶力の改善兆候などが見られている。
  • また、ARTRIP®による取組は、内閣府の「令和6年度孤独・孤立対策活動基盤整備モデル」に採択されている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • アートと福祉を結び付ける活動を始めたきっかけは、1999年のイギリスで行われた「CHARTS:芸術と健康の国際会議」で、障害のある方がアートによって人を喜ばせて生きがいを得ている姿に衝撃を受け、日本でも実施しようと考えた。
  • 認知症の方に最後まで残るのは情動の部分であり、物は忘れるが感情は忘れない。好き嫌いという感情が人によって違うが、それがその人らしさにつながっている。ARTRIP®によって感情という残された脳の機能を活性化すると、その周辺部分についても活性化されていき、良い変化が生まれる。
  • ARTRIP®では何を言ってもよく、こちらも全て肯定する。忘れてしまっても構わないから、その瞬間を楽しんでもらう。また、社会参加がなくなると病気になるというデータもあり、参加すること自体も大事である。ARTRIP®には、その家族や介護士と対等に、認知症であることを忘れて参加することができる。
  • 鬱と認知症は併発しやすいが、鬱が改善すれば認知症も改善されることがある。国立長寿医療研究センターと共同研究した「アートの認知症、うつ病予防効果の医学的検証」では、アート鑑賞と創作を交互に行うことで、参加者の描く鳥の絵がだんだんと大きく自信ありげになり、実際に鳥を見に行くなど行動にも変化が現れた。

■質疑応答

Q:ARTRIP®を横展開していく際に、介護士が研修を受ければ簡単にできるものなのか。また、人材育成に係る期間やコストはどうか。

A:今まで400人が受講し、現在は全国で90人が活動している。その中には介護士もいるが、会社員や学校の先生、退職された方もいる。養成講座はできるようになるまで教えるため、受けてもらえればARTRIP®が開催できる。費用は初級講座では一人約70,000円、中級講座は全部で半年かかるため約200,000円となっている。今後オンデマンド版も始める予定で、費用も抑えることができると思う。

Q:ARTRIP®に向いている方、そうではない方はいるのか。

A:アートは敷居が高いと煙たがる方も多いが、やっているうちに絵が分からなくても楽しめることや、好きなことを言えばいいということに気付ける。元々アートは楽しいものであり、それほど嫌がる方はいないと考えている。

(2)社会医療法人社団 埼玉巨樹の会 所沢美原総合病院

(救急医療に係る地域医療支援の取組について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 急速な高齢化により、医療需要の増加が見込まれる中、医療を必要とする県民が、地域で必要なサービスを受けられる体制の確保が求められる。

■視察先の概要と特色

  • 同院は、令和5年11月、所沢明生病院と狭山中央病院が合併し誕生した221床(うちICU8床、HCU16床)の二次救急医療機関であり、「断らない救急」を基本方針としている。
  • 1日平均20.4件の救急受入を行っており、令和6年9月には鈴木昭一郎院長が、救急医療功労者として知事表彰を受けている。
  • 防衛医科大学校病院をはじめ、地域の病院、診療所、クリニック、在宅医療など多岐にわたる医療連携を図り、逆紹介の推進も行うことで、地域医療の課題に対応している。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 同院の基本理念は「志は高く、敷居は低く、懇切丁寧に」であり、その一丁目一番地である「断らない救急」を実施している。一番の特色では、24時間365日昼夜を問わず通常の検査と治療が可能であるところが挙げられる。
  • 地域医療を支える取組としては、医療機関と切れ目のない連携を実施しており、登録医制度を設けることで、紹介率74%、逆紹介率87%とスムーズな実施につながっている。さらに、病院救急車も積極的に活用しており、令和7年の下り搬送の総件数は217件、お迎え搬送は130件に上っている。なお、通常の救急受入件数とお迎え搬送を合わせると、年間7,162件が同院で受け入れた救急車の総件数となる。
  • また、医療機器については、地域医療機関との共同利用を行っている。MRI等がない施設が、同院の医療機器を使用することができる取組で、令和6年度はCTは271件、MRIは73件の利用実績がある。
  • そのほかにも、毎月開催する地域医療研修会において、看護師のほかにもケアマネジャーなどにも参加いただき、地域全体の医療・介護の質を高めている。また、4か月に1回の救急症例検討会においては、地域の救急隊と協力して搬送から治療の流れを確認することで、連携の強化を図っている。

■質疑応答

Q:医療機器の共同利用について、CTやMRIを他の医療機関の患者が使用する場合に、予約から検査結果が判明するまでに、どの程度かかるのか。

A:当院にはCT及びMRIが2台ずつ設置してあり、現在の患者数であれば、検査や予約待ちをせず、大体その日のうちに使用することができる。また、24時間体制であるため、夜中でも対応することがある。

Q:「断らない救急」を継続する上で、病院として最も重荷となっていることは何か。

A:昼夜を問わない医療には、どうしても人件費がかかる。収入源となる診療報酬がほとんど上がらない中で、支出はどんどん上がる。現状では、我慢強く少しずつ節約をしてやっているところである。

所沢美原総合病院にて議員とスタッフの集合写真

所沢美原総合病院にて

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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