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掲載日:2026年6月8日

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地方創生・行財政改革特別委員会視察報告

調査日

令和8年2月2日(月曜日)

調査先

⑴平沼水産株式会社(児玉郡上里町)
⑵深谷市役所(深谷市)

調査の概要

(1)平沼水産株式会社

(地域ブランドの創出について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 地域の特色や資源を生かした農林水産業を振興し、生産力強化やブランド化、6次産業化を推進するとともに、地域の魅力を発信することで観光資源としての活用を図るなど、地域振興を促進する必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 同社は、一度にウナギ90,000匹を育てられる陸上養殖場「上里halk」を整備した。飼育水をろ過して再利用する閉鎖循環式の技術を採用し排水を抑えることで、環境への負荷低減に取り組んでいる。
  • 上里町と包括連携協定を締結し、地産地消、地場産品の振興、観光振興、健康づくりなど「食と健康」に着目した分野で町と協働し、地域産業・経済の持続的発展やブランド価値の向上に貢献している。
  • 養殖場見学や食育イベントなどの体験型観光コンテンツを販売しており、ふるさと納税返礼品にも提供している。これらを通じて、町と連携しながら観光資源の魅力発信に取り組んでいる。
  • 併設レストランやキッチンカー事業では「採れたて・捌きたて・焼きたて」のうなぎを提供し、観光誘客と地産地消の推進に寄与している。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 企業理念として「うなぎを通じ人々の健康と幸福に貢献する」を掲げ、「日本の未来の食料自給率の向上」、「次の世代へ食の安全安心の伝承」、「ブランド化と信念をもった養殖の両立」に挑戦している。
  • 施設名の愛称「上里halk」は、養殖場が持つ機能・役割である「h=Hydroponics(水耕栽培)」、「a=Aquaculture(水産養殖)」、「l=Laboratory(研究室)」、「k=Kitchen(厨房)」の頭文字に由来する。
  • 閉鎖循環式陸上養殖システムを採用しており、海に近い場所であるなどの立地条件に左右されず、飼育環境を人為的に管理できるメリットがある。徹底した水質管理と高品質な餌で育てたウナギは、同社オリジナルブランド「侍うなぎ」として販売している。
  • 養殖場を活用した体験型観光コンテンツは、旅行会社を通じてツアー販売を行うなど、全国から観光客を受け入れている。過疎地域への誘客に資する仕組みとして、地域活性化への効果が期待される
  • 併設レストランやキッチンカーで提供するうな重等の食事には、県産の醤油、みりん、米を使用し、地産地消に取り組んでいる。

■質疑応答

Q:地元雇用や職業訓練に注力しているとのことであるが、具体的な取組はどうか。

A:うなぎ職人の担い手不足が深刻である。レストラン厨房に焼き台・蒸し台等を各2基整備しており、実地訓練の場として活用し、担い手を育成していく考えである。

Q:従来の水産業のイメージと異なる養殖環境を、どのように整えたのか。

A:浦和の老舗うなぎ店から指導を受け、飼育方法、清掃手順、水質管理を整備した。現在では、同店でも取り扱っていただける品質水準のうなぎに到達している。

平沼水産株式会社にて職員とスタッフの集合写真

平沼水産株式会社にて

(2)深谷市役所

(地方自治体のDX推進について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 県庁舎の再整備を進めるに当たり、DXによる社会変革等を踏まえた、行政サービスのデジタル化・オンライン化、新しい働き方、危機管理、セキュリティなどの再構築が求められている。

■視察先の概要と特色

  • 深谷市は令和2年の新庁舎開庁に合わせて「窓口業務支援システム」を導入し、職員が申請書作成を支援する「書かない窓口」を開始した。総務省「業務改革モデルプロジェクト」に採択され、庁内ワーキンググループ設置、BPRによる業務棚卸しなど、導入に向けた検討を進めた。
  • 職員が住所や氏名、申請内容等を聞き取り、同システムへ入力して必要な申請書を作成・印刷することで、市民にとっては窓口で迷うことなく、記入負担軽減と手続漏れ防止が実現した。入力内容は自動で住民情報システムに反映されるため、職員にとっては入力業務の削減など業務効率化につながっている。
  • 令和7年4月現在、8課94手続で導入している。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 新庁舎整備は、事業費総額約90億6,000万円で、平成27年度の基本計画策定から令和3年度の工事完了までの7年間で実施した。ICTネットワークは開庁に間に合わせるため、従来の建物完成後ではなく、前倒しで工事に着手する手法を採用した。
  • 当初設計段階では「書かない窓口」の構想はなく、記載台の設置を想定していたが、開庁1年前の検討で方針を転換した。「書かない窓口」は、BPRにより業務課題と解決策を整理し、RPA等のICTを活用することで実現した。来庁者は、記載台で申請書を記載する必要はなく、番号札を取得して着席待機する。申請書は1枚に統一し、発行された内容を確認して署名するのみで手続が完了する。
  • 効果として、担当職員を4人から2人へ削減し、手続時間の短縮(証明書発行は平均9分、住民異動は平均25分)を実現した。市民から好評で、特に外国人にとって分かりやすいとの声が寄せられている。
  • 来庁者の世帯状況をシステムで判定し、必要な「手続案内書」を発行する仕組みを導入し、令和7年4月から取組の横展開を開始した。

■質疑応答

Q:窓口業務の改革が成功した要因は何だと考えているのか。
A:来庁者と市役所双方に最適な受付、バックヤード事務の整理、課題の洗い出しを行い、解決策に結び付けるBPRのプロセスを徹底したことが要因であると考えている。
Q:今後、改善したいことや導入したいことは具体的にあるのか。

A:申請書類の見直しや集約化、事前予約制度の導入等については研究していきたい。また、国が進める自治体情報システムの標準化に対応し、オンライン手続の普及を一層進めていく。
Q:窓口業務におけるAIの活用は検討しているのか。
A:業務フロー全体を網羅したマニュアル整備が課題である。また、窓口での来庁者対応は対人コミュニケーションが必要であると考えている。                                                                                       

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