自然再生・循環社会対策特別委員会視察報告
調査日
令和8年1月29日(木曜日)
調査先
(1)株式会社ウム・ヴェルト・ジャパン(大里郡寄居町)
(2)株式会社シタラ興産(深谷市)
調査の概要
(1)株式会社ウム・ヴェルト・ジャパン
(循環型社会の推進について)
【調査目的】
■本県の課題
- 本県の持続可能な発展のため、生産、消費、再資源化を一つの輪とすることで廃棄物を減らし、貴重な資源を循環させることが課題である。
■視察先の概要と特色
- 同社は、県内初の太陽光パネル処理業として先駆け、将来の大量廃棄に備え研究し、太陽光パネル専用設備の独自ラインを整備し、より高度なリサイクルを追及している。
- 廃蛍光管に関しては、独自の水銀加熱回収機を用いて、人体に有害な水銀を安全に取り除く工程に着手し、総量の90%を占めるガラス部分をガラスガレットとして水平リサイクルを実現するなど、リサイクルに取り組んでいる。
【調査内容】
■聞き取り事項
- 蛍光管は、2017年の法改正により、水銀使用製品産業廃棄物として扱われ、処理が厳格化された。これにより処分場は減っており、全国でも13か所ほどしかない。
- 同社では、蛍光管に含まれる水銀を適性処理し、試薬品などにリサイクルをしている。また、ガラスについても、再度蛍光管に再生する水平リサイクルを行っている。
- 蛍光管は2027年末には製造、輸出入が廃止される。その後2、3年もすると量が減ってくると考えられるので、現在は太陽光パネルリサイクル事業にも力を入れている。
- 2012年に電気の固定価格買取制度が開始され、太陽光パネルは加速度的に増えたが、近年の災害による破損や水没で、使用済みとなるパネルが想定より多く発生し、今後は製品寿命を迎えるパネルが廃棄される時期も迫っている。
- 同社は本県で初めて太陽光パネルのリサイクル事業を始めた。両面発電の特殊なタイプや破損したり曲がったりしたものもリサイクルが可能である。東京都の太陽光パネルリサイクル促進事業の指定工場に指定もされている。
- 住宅系パネルのリサイクルを見越して事業を開始したが、現在はメガソーラー系のリサイクルが多く、栃木県、山梨県からの搬入量が多い。今後は、県内からの搬入量をいかに増やすかが課題となっている。
- また、現状はリユースとして海外へ販売するケースも多い。同社としては、国内の資源循環を目指して、住宅系のパネル回収のスキームをどうするのが良いか検討している。
■質疑応答
Q:蛍光管の処理は、水銀を含むことで扱いが難しいということであるが、太陽光パネルの処理事業者が増えない理由はどのようなものか。
A:太陽光パネルの処理はそれほど難しい技術ではないと考える。しかし、リユースとリサイクルで動いている中で、リユースの方に8、9割動いてしまうと物量がなくなってしまうため、どう物量を確保するか考えて事業を展開しなければ、事業として成り立たないということが要因かと考える。
Q:太陽光パネルの需要はどのくらいあるのか。
A:稼働率としては、10%から20%となっている。月に数十枚から数千枚と幅があり、月により差が大きいのが現状である。
Q:パネルメーカーにより規格が統一されていないと聞いているが、どのように対応しているのか。
A:銀やセレンの含有量を簡易測定できる機械を持っており、それにより各メーカーのデータを所持している。既にないメーカーの製品もこれで把握し、対応している。
(2)株式会社シタラ興産
(産業廃棄物処理の対策について)
【調査目的】
■本県の課題
- 産業廃棄物処理業は、循環社会を形成する重要な社会インフラとしての機能を求められている。そのために、これまで以上に社会からの信頼を得て、かつ社会からの要請に応えることができる環境産業へと飛躍していくことが必要である。
■視察先の概要と特色
- 同社は、ウェアラブルカメラを導入した工場見学の実施や、アジア初のAI搭載自動選別ロボットを導入するなど、DXの推進に積極的であり、社会貢献活動、情報発信、社内教育など、産業廃棄物処理業の課題解決に向けた、幅広い取組を行っている。
- 建設中の焼却発電施設では、焼却時の排熱を利用して施設内の電力をまかなうサーマルリサイクル機能を備え、温室効果ガス排出量を削減するなど、環境への配慮にも力を入れている。
【調査内容】
■聞き取り事項
- 同社は3S(スマイル、セイケツ、スタイル)の取組を中心に、産業廃棄物業のイメージアップに取り組んでいる。
- スマイルという点では、ウェアラブルカメラを用いた工場見学による客も従業員も笑顔で見学できるような活動を行っている。セイケツという点では、日々業務の一環として周辺道路の清掃を行っている。スタイルという点は、社長も特に力を入れており、レーシングチームを彷彿とさせるようなデザインにロゴを一新し、チームの一体感を生み出している。
- 3Sのみならず、「Read to 2030」という計画の下、「DX化」「社内体制の強化」「社会貢献」「情報発信」「ダイバーシティの評価」の五つの施策を中心に取り組んでいる。
- 同社サンライズFUKAYA工場において、アジアで初めて導入したAI搭載自動選別ロボットは、2ユニットを直列で配置しており、これは世界初の事例である。四つのセンサーで廃棄物を識別・選別し、最大1時間で2,000個をピックアップする能力があるため、ロボットに任せることで安全かつ効率的に作業ができている。
- 建設中の焼却発電施設(レガリア)は、1日230トンの処理能力を持ち、廃棄物の処理から発生する電力だけで稼働し続けることができるだけでなく、地元電力会社に売電することで、廃棄物の受入れから売電の地産地消にも貢献する施設となる。さらに、地元FM局を招致することで、通常時から災害時まで情報発信を行うことができる、全国的にも珍しい施設になっている。
■質疑応答
Q:3Sの取組を始めたきっかけとそれに伴う効果は出ているのか。
A:設楽社長は元々ホテルのもてなしやスマートな対応に憧れがあり、廃棄物処理業においてそれらに取り組む中で、県で3S運動推進事業者の募集が始まり応募した。効果としては、普通の廃棄物業では近づきにくいという印象があるかと思うが、他業種から入社される方が多くいる。また、3分の1ぐらいが女性社員になり、管理職の数も増えている。
Q:同業他社と比べた中での強みはどのようなことがあるのか。
A:現場でどうしても分別ができない廃棄物をターゲットとしている点である。許可されている品目であれば一度全て受け入れ、そこから分別をして、得意分野でない物については、他社に任せるといった形を取っている。

株式会社シタラ興産にて