トップページ > 県政情報・統計 > 県概要 > 組織案内 > 企画財政部 > 企画財政部の地域機関 > 秩父地域振興センター > 秩父地域の観光情報トピックス > 気になる秩父人がお薦めする“ぜひココ”な観光スポット情報 KOCO “ココ” ちちぶ No.11 新井 高広(あらい たかひろ)さん
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掲載日:2024年9月25日
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【皆野町にある新井武平(ぶへい)商店の工場でお話を伺いました。】
秩父の特産品、秩父味噌・ヤマブ醤油の醸造元「新井武平商店」(※1)。昭和4年創業の老舗で専務取締役を務める傍ら、秩父青年会議所等で活躍され、多忙な日々を送る新井さんから、日頃の活動や秩父地域の“ぜひココ”な観光スポットについてお話を伺いました。
※1 秩父味噌 新井武平商店ホームページ
【ヤマブ味噌蔵(工場)に併設されているヤマブ皆野椋神社門前店】
〇 新井さんの日頃のお仕事や活動について教えてください。
「当社は創業91年になります。味噌と醤油の醸造をやっていますが、秩父に観光で来たお客様に知ってもらうためには、味噌と醤油だけではアイテム数が足りない。なるべく色々な商品を開発して、お土産として販売したり、飲食店で使ってもらったりしています。」という新井さん。
関連商品は、秩父地方では昔から普段の食事に添えられていた「おなめ」(秩父おなめ)、30年以上のロングラン商品の「みそせんべい」や「黄金(おうごん)だんご」、「味噌アイス」等々バラエティに富んでいる。
【店内の一角に並ぶ秩父味噌。味噌だけでもたくさんの種類がある。】
【秩父味噌使用のタレが絶妙な「黄金だんご」。宝登山売店、川越時の鐘店で販売。】
新井さんが手がけたイチオシの商品を尋ねると、「「豚肉の味噌漬け」です。秩父は豚肉の味噌漬けが有名ですが、当社も自社製味噌で漬けて販売しています。結構自信があります。」「食品って、味の評価は人それぞれみんな違うので、万人受けを目指すとすごく難しいんです。最終的には自分の舌でうまいかどうか判断して、納得しないとお客様には勧められないものなのかな、と。「これだ」という商品を出すようにしたいと思っています。」という新井さん。そこには、判断した者の責任が伴う。
だからこそ、「同じお客様が二度、三度買いに来てくれたり、注文をもらったりするとやっぱり嬉しい。」という。お話を聞いて、新井さん自信作の「豚肉の味噌漬け」が食べたくなった。
新井さんは、本業の傍ら、これまでに、皆野町観光協会の常任理事や秩父青年会議所の理事長を歴任し、地元皆野の観光や秩父地域のまちづくりについて考え、特に力を入れて取り組んできた。
「大学を出て、まず都内の金融機関で営業の仕事をしました。その後、東京農大の醸造科で一から味噌の事を勉強して、家業に戻ってきました。戻ってきて5年くらい閉じこもって仕事をしていて、なかなか地域とのつながりがなかったんです。青年会議所には33歳の時に入ったんですが、そろそろ地域に出なければ、というのがありました。ずっと誘われていたんですけど、自分の仕事をしっかり覚えた後に入ろうと思ったんです。」という新井さん。
【平成30年6月、青年会議所埼玉ブロック秩父大会で開催地理事長として挨拶をする新井さん。】
青年会議所には、一生懸命地域のことを考えて活動している同年代の人や、エネルギッシュに仕事をしている人がいて、刺激を受けたという。
「地域を良くしたい、盛り上げたい」という会の活動の中で、自分の商売は、人と人のつながりがあって、秩父地域にお客様がいっぱい来てくれるから、なんとか成り立っている商売なんだ、ということをあらためて実感したという新井さん。
「地域がよくならないと、商売もよくならない。」青年会議所での活動や経験は、地域の人とのつながり、地域に根ざした味噌蔵づくりに活かされている。
【工場見学に来た園児に説明をする新井さん。老舗味噌蔵として、地域に根ざした活動を大切にしている。】
〇 新井さんのお薦めの“ぜひココ”‘な観光スポットを教えてください。
「彩の国ふれあい牧場(秩父高原牧場)の「天空のポピー」もいいと思ったんですが、今回は、「金子兜太先生の句碑巡り」をご紹介します。」
「青年会議所に入る前に、皆野町観光協会の役員になりました。当時、皆野の観光資源にどういうものがあって、どう盛り上げていけばいいか考える機会がありました。皆野町は、現代俳句の巨星、金子兜太先生のふるさとで、町内各所に金子兜太句碑が建立されています。観光協会では、句碑巡りマップ付きのパンフレット「金子兜太 句碑巡りの旅」(※2)を発行していて、ホームページでは句碑巡りモデルコース(※3)もご案内しています。ぜひ訪ねてみてください。」と新井さん。
【※2 パンフレット「金子兜太句碑巡りの旅」(PDF:8,290KB)。9つの句碑の解説やMAPが掲載されている。】
※3 俳人 金子兜太先生の句碑巡り モデルコース(皆野町観光協会ホームページ)
新井さんにとって、観光協会の役員になってから自らも関わって建立された、皆野椋神社(※4)にある句碑が特に思い出深いという。
【皆野椋神社。ヤマブ味噌蔵(工場)の隣にあり、新井さんも折に触れて訪れている。】
※4 皆野椋神社(皆野町観光協会ホームページ)
皆野椋神社は、金子兜太氏がかつて戦地へ赴き、無事に帰ってきたときに 「生きて帰れたのは産土(うぶすな)の椋神社のおかげ」といった言葉を残している神社。
「当時の観光協会会長をはじめ、メンバーのみなさんが協賛者を募ったり、いろいろ尽力して建てた句碑なんです。父(新井武平商店 代表取締役 新井藤治氏)も一生懸命やっていましたが、協会としてもどうにか兜太先生の俳句でまちを盛り上げていこうというのがあったんです。」という新井さん。
【平成26年4月に皆野椋神社に建立された兜太氏の句碑(おおかみに蛍が一つ付いていた)】
【ヤマブ味噌蔵(工場)敷地内にある兜太氏の句碑(よく眠る夢の枯野が青むまで)】
【兜太氏の生家で、父で俳人の伊昔紅(いせきこう)氏が開業した旧壺春堂医院敷地に建立された句碑(おおかみを龍神と呼ぶ山の民)】
【敷地内に句碑がある旧壺春堂(こしゅんどう)医院は、兜太氏の生誕100周年だった令和元年9月に「壺春堂記念館」(※8)として整備された。】
※5 壺春堂記念館(兜太・産土の会ホームページ)
句碑巡りマップを見ると、句碑は皆野駅周辺だけでなく、山あいの豊かな自然の中にある秩父札所34番水潜寺(すいせんじ)(※9)や、天空の里といわれる立沢地区にも建立されており、句碑に向かうルート上には、秩父華厳の滝(※10)や秩父温泉満願の湯(※11)もある。
【札所34番水潜寺。秩父札所34番観音霊場・日本百番観音霊場の結願寺(けちがんじ)。】
※9 札所34番水潜寺(秩父札所連合会ホームページ)
【秩父華厳の滝。札所34番水潜寺から600m程奥にある高さ10数メートルの滝。】
※10 秩父華厳の滝(皆野町観光協会ホームページ)
【秩父温泉満願の湯。清らかな渓流と満願滝を眼下に望める総石造りの露天風呂がある。】
※11 秩父温泉満願の湯ホームページ
今回、新井さんに教えていただいた句碑巡りをきっかけに、四季折々の皆野町の魅力を訪ねてみてはいかがでしょうか。
[取材日:2020年10月21日、記事公開日:2020年12月16日] ※掲載している情報は取材日現在のものです。
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