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掲載日:2025年12月22日

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KOCO“ココ”ちちぶNo.1木村和恵さん

銘仙語り部(めいせんかたりべ)の木村和恵(きむらかずえ)さんから、生まれ育った秩父のおすすめスポットを教えてもらいました!

木村和恵さん華工房にて【秩父市内にある木村さんの工房 “華工房” でお話を伺いました。】

秩父に咲く野花を生ける華道家であり、1,800枚以上の秩父銘仙(ちちぶめいせん)(※1)の収集家でもある木村和恵さん。
華道家としての活動のほか、銘仙に関する講演やまち歩きの観光ガイドを行うなど、充実の日々を送る木村さんから、日頃の活動や秩父地域のおすすめ観光スポットについてお話を伺いました。
※1 秩父銘仙とは(ちちぶ銘仙館ホームページ)

秩父のまちを織り上げたい。それは終わりのない旅。

〇木村さんの日頃の活動について教えてください。
「花を生けるのが私の本業。花を織ると書いて「花織人(はなおりびと)」。「花織人」って言葉、いいでしょう。誰も使っていない言葉なの。」
「『花を織るって何ですか』と言われるけど、織物と同じように花を織る。花から学んだ精神をまちづくりに活かしたい。何を織るのって、秩父のまちを織り上げたい。」と木村さん。
山に囲まれた独特の風土にあって、古くから養蚕業が盛んだった秩父。そこで人々が織りなし、伝えてきた絹文化に咲いた華が「秩父銘仙」。
「私、着物は好きなんだけど、銘仙はあまり好きではないの。でも嫌いじゃないの。秩父の産業やまちをつくった銘仙を、誰かが評価してあげなきゃ
いけないんじゃないか、と思って集めはじめたのね。惚れていないから欠点も見えて、銘仙を公平に評価できる。銘仙は、時代を先取りして、多様なデザインで着物をファッション化した所がすごいの!」と木村さんはいう。

木村和恵さん工房の花々【“華工房”の庭にさりげなく咲く花々】
かつて自然が少ない東京に働きに出ていた木村さんは、「私は秩父のまちが好きなんだ。」とあらためて実感した。
この15年程、NPO法人ちちぶまちづくり工房のメンバーとして、また、銘仙語り部として、秩父や銘仙を伝える活動に取り組んできた。
「まだまだやることはいっぱいある。終わりがない旅。結果はどうでもいい。失敗でもなんでも先へ先へと行きたい。そんな感じですね。」

“ こじゃれた田舎“ 秩父の街歩き、人に会いに来てほしい。

〇木村さんお薦めのおすすめ観光スポットを教えてください。
「秩父は城下町でも何でもない所なのね。庶民のまち。でも、大正の終わりから昭和の初め、銘仙が売れ出した頃はすごいお金持ちな所だったの。」
「だから劇場が4つもあった。秩父夜祭も昔は祭りの間に大きな絹市(※2)が開かれて、通りで商いをしていたの。絹を売って儲けたお金で庶民に振舞ってくれたのが夜祭だった。」
※2 秩父夜祭絹市~ちちぶめいせんマルシェ~(復活した絹市)(埼玉県秩父地域振興センターホームページ)

そんな、かつて庶民が豊かだった頃の面影が残る「秩父の街歩き」・「秩父の人を訪ねる小さな旅」が、木村さんのおすすめ。それも「土地の人と話さないとダメね」と。
「多分、秩父って新しもん好きなんです。劇場があったり、カフェーがあったり、ダンスホールがあったり。すごかったらしいですよ。モダンさが好きだったんじゃないかな。」

木村和恵さんと番場通り【秩父銘仙を着て、番場通りの昭和レトロな街角を案内してくれた木村さん】

「当時は娯楽が多かった。中町にあった「革進館」は洋画の映画館。洋画ってラブシーンがすごいでしょ(笑)。番場町には「昭和館」があった。」
 「土地の人に『ここはこうだったのよ』って昔話を聞くのもよいのでは。それが私の秩父のお薦め。」
小林旭主演の「渡り鳥シリーズ」など日活映画の監督をされた秩父市出身の斎藤武市さんのお話等、地元ならでは昭和レトロな話題が尽きない。
「番場通りのお肉屋さんで50円のコロッケを買って、向かいの店で買ったベーグルに挟んで食べる。そういう庶民の食べ歩きみたいな。」
「その近くの和菓子屋さんでは、今どき1個40円のお菓子があるの。昔から味も落ちていない。1個買っても本当に丁重に「ありがとうございます」と心を込めて言ってくれて。それがあたし大好きなの。」
 「そういうのが街歩きのおもしろさ。人に会いにいくんだね。作り手の真面目さがわかる。」と、木村さん。

番場通りお肉屋さん【番場通りでコロッケを買って、ベーグルに挟んで食べる庶民の食べ歩き。】

ただ、観光客がふらっと来て、見ず知らずの土地の人に話を聞くのはなかなかハードルが高いのではないだろうか。
この点について木村さんは、「秩父では地元案内人が街歩きをガイド(※3)していて、私も、まちづくり工房で「銘仙を育んだ街歩き」コースを担当してます。まちづくり工房にある銘仙の羽織の中から好きなものを選んで、羽織って街歩きできますよ。」
※3 銘仙を育んだ昭和モダンの街歩き(秩父地域おもてなし観光公社ホームページ)
木村さんと街歩きしていると、タクシーの運転手さんも「おーい今日は何だい?」と言って声をかけてくれるそう。
ガイドと一緒に街歩きをすることで、地元の人と会話が生まれ、より深く街の歴史や文化を知ることができ、街の今を体験できそうです。
木村和恵さんと観光客【番場通りを歩いていると、観光客が近寄ってきて会話がはじまった。】
「最近は、秩父でも都会の人が喜ぶようなお店が多くなってきた。うんとおしゃれだったら原宿みたいになっちゃうから、“こじゃれな田舎” にならないとね。
故郷を持たない人に、“第二の故郷”と感じてもらえるようなおもてなしや、人のあたたかさを残す “こじゃれな田舎” 秩父がキーワードだという。
木村和恵さんカフェにて【番場通りからちょっと入ったおしゃれなカフェで。】
「いっぱい好きな所はあるけど。。。秩父ミューズパークの雲海(※4)。それから夕日。夕日を見ていると涙が出てくるのよ。それから夜空がまたいい。これはお泊り用のお薦めスポットね。」と木村さん。
結局、秩父には見所や行事がいろいろありすぎて絞れない。「自分で楽しみを探しましょう。探したらいっぱいある。」という木村さんの言葉どおり、これからいろいろ探してみたい。
※4 秩父ミューズパークの雲海(秩父ミューズパークホームページ)

[取材日:2019年9月4日、記事公開日:2019年9月13日]※ 掲載している情報は取材日現在のものです。

 


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企画財政部 秩父地域振興センター 観光振興・産業労働担当

郵便番号368-0042 埼玉県秩父市東町29番20号 埼玉県秩父地方庁舎1階

ファックス:0494-24-1741

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