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掲載日:2024年3月18日

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中原建設株式会社 (川口市)

「3次元CIM統合モデル」の活用により自社の建設DXを推進することで建設業界全体のDXを牽引、その取組が「第1回埼玉DX大賞」において「奨励賞」を受賞!

中原建設は、創業から83年を迎える川口市内にある土木工事を施工する建設会社です。
1941年に中原政次氏が中原鋼材製作所を東京都北区滝野川に創業し、1949年に中原土木建築事務所を川口市芝に設立しています。
その後、1977年に中原建設株式会社に社名変更しています。
1979年に本社ビルを川口市柳崎に新築・移転し、2007年に中原誠氏が代表取締役社長に就任し、現在に至ります。
「地域とともに、強靭な地域ゼネコンを目指す」をテーマに日々事業を行っており、製造事業としてアスファルト合材、再生砕石・再生砂の販売も行っています。

 

      
                                                                  中原建設  本社

 

中原建設では、建設現場で積極的にDXを取り入れ建設現場の業務効率化を実現しています。
工事の施工において、着手から完成までのプロセスで発生する複数の情報(データ)を3次元空間上で統合し一元管理する「3次元CIM※統合モデル」により現場管理を行っています。
    ※Construction Information Modeling, Management【国土交通省】
    「BIM/CIMの概要」
        
                                                  国土交通省「BIM/CIMポータルサイト」より引用

3次元CIM統合モデルを作成することにより、現地での測量、設計、計画、変更、施工のプロセスがパソコン操作で一元管理できるようになり、従来行なっていた施工中の計測作業やペーパーによるファイリング管理などを削減し、効率化に成功しています。その結果、社員の時間外労働時間が25%以上削減されています。
従来は熟練の技術者(現場監督)が2次元の図面を解読しながら現場管理をするなど経験に頼っていましたが、「3次元CIM統合モデル」により経験の少ない若手技術者も図面の解読や変更、測量結果などを簡単に理解することができます。
また、DX活用の技術力向上と更なる成果を達成するため、3次元測量、3次元データ編集、ICT建機用データ編集、3次元モデル(図面)作成、AR・VR投影技術などの3次元技術の内製化を行なっています。
内製化により自社の技術力をさらに高め、質の高い3次元技術をより早く各現場へ提供することを可能にしています。

 

今回、中原建設へ企業訪問を行なったきっかけは、「第1回埼玉DX大賞」において「奨励賞」を受賞したことです。
埼玉DX大賞とは、埼玉県と埼玉県DX推進支援ネットワークにより、県内中小企業等の優れたDXへの取組を表彰するもので、今回が記念すべき第1回目です。
受賞者の更なる意欲を向上させるとともに、受賞事例を広く周知することで、県内中小企業等のDXへの取組を促進することを目的としています。
数多くの応募から1次審査の書面審査を突破し、2次審査のプレゼンの結果、「最優秀賞」が1社、「優秀賞」が3社、「奨励賞」が2社決定されました。
「奨励賞」を受賞した企業の一つが中原建設です。
受賞事例については、令和6年1月24日に開催された「彩の国ビジネスアリーナ2024」の会場で行われた表彰式やブース出展に加え、チラシやWEBサイトなどを通じて幅広くPRを行います。
我々も会場に足を運び、ブース出展を訪問してDXの取組内容を聞いた後、表彰式の様子を見学しました。

【参考/「第1回埼玉DX大賞  表彰式」の概要】
        
                                                           「埼玉県DX推進支援ネットワーク」が作成したチラシ

 

「奨励賞」を受賞した中原建設のDXの取組は、「建設DXによる現場管理で女性や専門教育を受けていない人材の雇用も可能にする」です。
応募の際のエントリーシートによれば、取組の概要は「建設プロセスで発生する複数の情報を3次元空間上で統合し一元管理する『3次元CIM統合モデル』の活用により、熟練の技術者ではなく大学で理工学を学んでいない人材の雇用や、女性が活躍できる職場を実現」となっています。
取組成果は、「時間外労働26.7%削減」、「20代従業員比率:27.6%(H30)→31.3%(R5)」及び「技術系女性社員:0人(H30)→3人(R5)」となっています。
その他の受賞者のいずれの取組も素晴らしいものでしたが、「建築学科は比較的女性が多い学科だが、そのまま建設分野へ就職する女性技術者は大変少ない。そのような中で、DXにより女性も活躍しやすい職場づくりをしており、素晴らしい取組である。」といった点が審査の過程において評価されたことが、中原建設の「奨励賞」受賞につながりました。

 

「第1回埼玉DX大賞」の様子
  

  
  「彩の国ビジネスアリーナ2024」の様子

  
  第1回埼玉DX大賞の「奨励賞」受賞の様子

 

【参考/第1回埼玉DX大賞  表彰式  開催結果報告】
  
  「埼玉県DX推進支援ネットワーク」のホームページ「第1回埼玉DX大賞  表彰式  開催結果報告」へのURL

      https://www.saitamadx.com/dxaward/post-239/

【参考/表彰式の様子/YouTube動画】

      https://youtu.be/UO8SJ_vbz6U


【「埼玉県DX推進支援ネットワーク」のホームページ「第1回埼玉DX大賞  受賞事業者の紹介」へのURL】
    ※その他の受賞者の取組事例も確認できます。

    https://www.saitamadx.com/dxaward/introduction/

 

【参考/中原建設のDX取組事例紹介】

     
             https://youtu.be/lst8IRR3kLM
 

中原建設におけるDXの取組について、「埼玉DX大賞」のエントリーシートを用いて丁寧に説明していただきました。取組の概要やその効果が分かる部分を抜粋して紹介させていただきます。
その中で、取組の効果が具体的に数値等を用いて紹介されています。

【中原建設の「埼玉DX大賞」のエントリーシートの抜粋】

    
 

    
 

    

 

県では仕事と家庭の両立を支援するため、テレワークや短時間勤務など、多様な働き方を実践している企業等を認定しています。
基準を満たす企業等を認定し、働きやすい企業として、ホームページ等で広くPRしています。
現在、認定企業数は3,500社を超え、県内企業に「多様な働き方」が少しずつ広まっています。
中原建設は、埼玉県多様な働き方実践企業として2020年8月に最上位のランクである『プラチナ』の認定を受けています。
DX推進の取組等も多様な働き方の実践に大きく寄与しているものと思われます。

【参考/多様な働き方実践企業】

        https://www.pref.saitama.lg.jp/workstyle/diversity/about.html
                       認定書                      (埼玉県/「多様な働き方実践企業認定制度とは?」へのリンク)

 

最後になりますが、「埼玉県SDGsパートナー」は、SDGsに自ら取り組むとともに、その実施内容を公表する県内企業・団体等を県が登録する制度です。
中原建設は、2021年1月31日付けで第1期分として登録を受けています。
「地域とともに、強靭な地域ゼネコンを目指す」をテーマに日々事業を行っている中で、エネルギー使用量の削減、環境美化運動の実施、社会福祉施設への寄附、多様な働き方の推進等について宣言を行っています。

        https://nakahara-kensetsu.co.jp/news/2021/02/03_2775/
                  登録証                             (会社ホームページ - お知らせ - 埼玉県SDGsパートナーに登録されました)

 

  【中原建設のSDGs達成に向けた取り組み(YouTube動画)】

          https://youtu.be/f5L8Iho-ZF0

 

また、荒川下流河川事務所のYouTubeチャンネルにて、中原建設の現場でのSDGsへの取り組みが紹介されています。
会社ホームページの「SDGs」のページ内に、動画へのリンクが貼られています。
 

  【参考/会社ホームページ - SDGs】
    https://nakahara-kensetsu.co.jp/sdgs/

  【参考/県ホームページ - 「埼玉県SDGsパートナー」のリンク】

        https://www.pref.saitama.lg.jp/a0102/sdgs/sdgs_partner.html

 

建設DXによる現場管理で女性や専門教育を受けていない人材の雇用も可能にする建設会社が当センターの管内(川口市、蕨市、戸田市)にあり、その取組内容が評価され第1回埼玉DX大賞の「奨励賞」を受賞したということで、是非とも紹介をさせていただきたいとの強い思いから今回の企業訪問が実現しました。
建設プロセスで発生する複数の情報を3次元空間上で統合し一元管理する「3次元CIM統合モデル」の活用により、熟練の技術者ではなく大学で理工学を学んでいない人材の雇用や、女性が活躍できる職場の実現が可能ということでした。
実際に文系学部出身の女性社員がDX主力部署で活躍しており、今回、話を聞く機会もいただきました。
それに加え、自社の技術力を高め、質の高い3次元技術をより早く各現場に提供できるようにするため内製化しているとお聞きし、さらに驚きました。
このような先進的な取組は、男女関係なく、若者に夢と希望を与え、建設技術者の人材不足の解消の解決に導く一つの解決策に違いありません。
今後の建設業界におけるDXの展望等についても話を聞かせていただき、現場で働く従業員の安全向上にもつながる取組もあり、建設業界全体のイメージアップにつながるものでした。
また、建設業界へDX普及の役割を担う「ICTアドバイザー(国交省関東地方整備局)」にも認定されており、埼玉県等の地方公共団体からの依頼でDX研修会の実施やCIM現場見学会を実施しているとお聞きし、自社のみならず業界全体のDX推進に取り組む姿勢には、率直に頭が下がる思いです。
ご対応いただきました中原建設株式会社の中原誠代表取締役社長と技術企画グループの高橋章部長様をはじめとするメンバーの皆さま、ありがとうございました。

 

        
             中原建設の会議室で撮影    ※技術企画グループの皆さま

 

中原建設株式会社

お問い合わせ

企画財政部 南部地域振興センター  

郵便番号332-0035  埼玉県川口市西青木二丁目13番1号 埼玉県川口地方庁舎2階

ファックス:048-257-0529

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