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掲載日:2023年11月21日
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訪問日
令和5年5月26日(金曜日)
訪問地域
秩父地域(長瀞町、皆野町、秩父市)
訪問先
長瀞トリックアート有隣倶楽部は、宝登山神社参道沿いにオープンした体験型のアート施設です。
秩父鉄道の保養所として建築され、その後料亭として営業していた施設を全天候型のレジャー施設にリニューアルされました。
館内には、江戸文化や忍者屋敷など「和」をテーマにしたトリックアート34点が展示されているほか、近代日本経済の父、渋沢栄一翁が書いた額なども飾られています。
アウトドア型観光が主流の長瀞にあって、天候の悪い日でも立ち寄れる新たなスポットとして注目を集めています。
知事は、施設見学の後、長瀞ラインくだりや宝登山ロープウェイなど、長年にわたり長瀞の観光開発の中心を担っている秩父鉄道グループの方々との意見交換を行いました。
トリックアートを体験する
この建物は、昭和3年に秩父鉄道の保養所として建設し、昭和55年にこの場所に移築しました。その後、飲食業を営んでいましたが、コロナの影響もありリニューアルを考えました。
長瀞は、埼玉県有数の観光地ですが、ラインくだりや宝登山などのアウトドアが中心です。雨の日でもお客さんに楽しんでいただける施設ができないか検討し、このトリックアートを開設しました。
ポストコロナは、コロナ前に戻すのではなく秩父地域の観光をどのようにPRをしていくかがとても重要だと思っています。ただ観光プロモーションを行うのではなく、民間事業者と行政が協力をし、メリハリの利いた観光プロモーションを行いたいと考えています。
長瀞にはいろいろな魅力があるのですが、ラインくだりだけ、あるいは宝登山だけと観光地を一か所しか回らないお客さんが多く、回遊していただけていません。長い時間留まっていただくために魅力あるコンテンツをもう少し増やし、それを結び付けていく取組が必要だと感じています。
ラインくだりは秩父鉄道㈱、トリックアートは秩父観光興業㈱、ロープウェイは宝登興業㈱とグループ会社ですが3社にわたっています。今後は更に力を合わせて一体的に取り組んでいきたいと考えています。
おじいちゃん、おばあちゃん世代には、長瀞はラインくだりで有名です。トリックアートは、子供から大人まで楽しめるので、おじいちゃん、おばあちゃんが孫を連れて来るのに良いと思いました。
若い観光客の方も増えてきていますので、もう少し若い方が体験できたり、楽しめたりする場所が必要だと思っています。着物で街歩きなどの企画も考えているところです。
例えば、着物を着てインスタグラムに投稿していただくコンテストを行うのもよいかもしれませんね。若い人は「映える」とか言いますよね。
インバウンドのお客さんもまだまだ少ないのが現状です。このトリックアートを拠点として、着物で街を歩いたり、SLに乗ったりするのも良いのではないかと思っています。
今日は本当に楽しいお話ができました。こういう楽しいものが膨らんでいくと長瀞にお越しいただく観光客の方に楽しんでいただけると思います。
TTS OHANAは、子供たちが卓球をできる環境を作りたいとの思いから秩父エリア唯一の卓球クラブとして、小野達也氏(越谷市から移住)が町の補助金を活用して開業しました。
地域の子供たちが全日本卓球選手権大会等の全国大会に出場するなど、すばらしい成績を収めています。
働Co-factory みなのLABOは、秩父エリアでワーケーション施設を運営するオフィスプラス㈱が町と連携し、国の交付金を活用して開業しました。
コワーキングスペースやサテライトオフィスのほか、3Dプリンタや木工CNC等の先進機械を備えたシェアラボでは、最先端のモノづくりを行うことができ、子供向けワークショップも開催されています。
知事は、施設の見学と各代表者及び施設提供企業との意見交換を行いました。
TTS OHANA小野代表と記念撮影
働Co-factoryみなのLABOの施設見学
埼玉県の北部地域は、卓球の愛好家はたくさんいますが、子供たちが教えてもらう環境が整っておらず、全国を目指せるようなクラブがありませんでした。越谷市に住んでいましたが、卓球で北部地域を盛り上げたいと思いキャリーケース片手に、ゼロからこの卓球場を開設しました。
この卓球クラブには、主に何歳くらいの方がいらっしゃるのですか。
一番上の方で80歳から始められた方がいます。一番下の子は4歳くらいです。メディアでも卓球を取り上げていただけるようになり、卓球人口が増えています。埼玉県は卓球が盛んなので盛り上げていきたいと思っています。
先ほど施設を見学させていただきましたが、ここにはスポーツ、製作系のデジタルラボなど、いろいろな施設や様々な人たちが集まって、化学反応が起きていると感じました。この施設に対する地元の方々の反応はいかがですか。
みなのLABOは、ものづくりの場所であり、コワーキングスペースの場所であり、地域の方向けのイベントも開催しています。一度のイベントで200人から300人くらいの方に足を運んでいただいており、その日は大変盛り上がります。
みなのLABOを開設した当初は、ここは何をするところなのだろうと、皆さん遠巻きに見ている感じがありました。お祭りというか、イベントを開催することで一回入ってみようと、入ってみると結構面白いねとなり、そこからお客様が徐々に増えてきたと実感しています。
二ノ宮さんにお伺いします。ここをお貸ししたきっかけや思いを教えてください。
やはり地域貢献という面があります。私どもの工場の主な部分が秩父市内の工業団地に移転をし、少し寂しくなってしまったところへ小野さんや出浦さんが、たくさんの人たちを連れてきてくださりました。地元の人たちに喜んでいただいて町の活性化につながればと思っています。
この施設を見学させていただいて、私もものすごくインスパイアされました。引き続きよろしくお願いします。
株式会社レゾナック(旧昭和電工株式会社)秩父事業所は、LED素子や半導体材料などエレクトロニクス関連製品の研究開発・製造を行っています。近年、次世代パワー半導体※1の分野に力を入れ、SiC(炭化ケイ素)エピウェハー※2の製造では、外販メーカーの中で世界のトップシェアを誇っています。
知事は、製造ラインやクリーンルームの見学と事業所長及び従業員との意見交換を行いました。
※1 次世代パワー半導体(SiCパワー半導体):電気損失や熱の発生が少なく、省エネルギーに貢献するデバイスとして注目されている。電気自動車や再生エネルギー分野などでの需要が急拡大している。
※2 SiCエピウェハー:次世代パワー半導体の材料で、従来のシリコンウェハーよりも大幅な省エネルギー化が可能。
製造現場で説明を受ける
一般的な半導体は、パソコンやスマートフォンなどに使用されており、記憶をつかさどる役割を担っています。
それに対してパワー半導体は、電力の制御や変換に使われており、今、現世代のシリコンパワー半導体から次世代のSiCパワー半導体に取って代わろうとしています。例えば、SiCパワー半導体を電気自動車に搭載することで、走行距離の延伸や充電時間の短縮に大きく貢献できます。そのSiCのパワー半導体の開発と製造をこの秩父事業所で行っています。
普段は見られないところまで、見せていただきありがとうございました。高品質の製品を作ることに対する皆さんの情熱をしっかりと受けとめさせていただきました。正に血と汗と涙の結晶だと思いました。
パワー半導体は、これからまだ伸びるということで、設備投資等を考えておられるそうですが、秩父地域という特性も踏まえ、人材の確保についてどのようにお考えか教えてください。
SiCパワー半導体が伸びていますので積極的に人材を確保したいと思っています。しかし、秩父地域の高校生は、卒業すると都内などに出ていかれる方も多いと聞いています。弊社の事業の将来性などを紹介し、理解していただき、レゾナックで働きたいと思っていただくことが大事だと思っています。
その対策の一つとして、事業所内にショールームを設け、小中学生に見学していただき、親しんでいただく工夫をしていきたいと考えています。
秩父地域からの採用者は何人くらいですか。
高校生の新卒は、年間1、2名です。その他、中途採用で地元から数名採用しています。しかし、それでは必要数に足りないこともあり、派遣などの制度も活用し何とか確保しています。人材確保に苦慮しているのが現状です。
貴社では、デバイス製品の製造には取り組まず、SiCエピウェハー製造に特化しているとのことですが、なぜですか。
デバイス製造は特殊な分野で、後発で行うにはリスクが大きいです。
弊社のSiCエピウェハーは、品質が高く評価されるレベルに達しています。SiCエピウェハー製造に特化することで品質を向上させています。
引き続きこの秩父で営業していただき、そして事業を更に拡大していただきたいと思います。今日はありがとうございました。
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