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掲載日:2025年2月5日

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知事記者会見 令和7年2月4日

知事記者会見動画【全体:YouTube】
知事会見パネル(PDF:3,198KB)

   知事発表及び幹事社質問

八潮市内道路陥没事故について 【該当部分動画(YouTube)】

知事

 私の方から何点か、今日は報告させていただきたいと思いますが、最初に、「八潮市内道路陥没事故について」御報告させていただきたいと思います。八潮市中央1丁目の県道交差点中央付近の陥没により男性1名が乗車したトラックが落下する事故発生から、1週間が経過いたしました。改めて、この事故に伴い、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げたいと思います。事故現場が危険な状況にあり、救出活動は難しいものとなっておりますが、一刻も早く発見、救出するために、救出活動の環境を整えるべく県として全力を尽くしているところであります。県民の皆様におかれましては、既に多大な御協力を頂いておりますが、流入する下水の更なる低減を図り、救出作業を推進するために、12市町の該当する地域においては、本日午後2時より5時まで、可能な限り水の使用を控えていただき、それ以外の時間帯に作業、あるいは家事等を行えるものについてはそちらで行っていただきたいとお願いさせていただいているところであります。また、今日の状況を勘案し、その後数日にわたり同様のお願いを行う可能性もありますが、現時点ではまだ今2時1分でありますので、状況が把握できておりませんので、明日以降について何ら決まったものはございません。なお、これ以外の時間帯につきましては、これまでと同様に、洗濯や風呂の頻度を下げていただくなど、可能な範囲での御協力を改めてお願い申し上げます。被害の拡大防止やその影響を最小化するため、県として、国や市町村、消防、警察、ライフライン事業者だけではなく、あらゆる関係機関との連携を密にし、引き続き、全力で対応していく所存であります。県民の皆様には御迷惑をおかけいたしますが、引き続き、御理解と御協力を頂けるようお願い申し上げます。

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「世界一しあわせな動物」クオッカの来園5周年記念事業 【該当部分動画(YouTube)】

知事

 さて、次に、埼玉県こども動物自然公園で飼育されております「世界一しあわせな動物」クオッカの来園5周年記念事業について御報告させていただきます。クオッカでありますが、キュッと上がった口角により、笑っているように見えることから「世界一しあわせな動物」と言われております。カンガルー目カンガルー科に所属する有袋類であります。現在、オーストラリアのロットネスト島には、約12,000頭、オーストラリア本土には、約3,000頭が生息していますが、このまま何もしなければ、10年後には絶滅する可能性があると言われる貴重な動物であります。令和2年3月13日に、オーストラリアのフェザーデール野生生物園からオス2頭、メス2頭が譲渡され、順調な繁殖により、現在、埼玉県東松山市、こども動物自然公園では、9頭が飼育されております。世界でクオッカを見られるのは、生息地のオーストラリアを除けば、ドイツと日本だけでありますが、日本で見られるのは、唯一、埼玉県東松山市の「こども動物自然公園」のみであります。

 次に、民間企業等と連携したクオッカのPRについてであります。クオッカの来園5周年に向けたPR、そしてクオッカの屋内展示施設の寄付金募集については、これまで、県内の金融機関、保険会社、大学において、ポスターの掲示やぬいぐるみの展示、SNSでの配信に御協力いただきました。

 また、熊谷スポーツ文化公園で開催された、ちふれASエルフェンの試合、サッカー・ワールドカップ・アジア最終予選の対オーストラリア戦、東松山(市)で開催された日本スリーデーマーチなどの大規模イベントにおいては、寄付金の募集活動やクオッカのPR活動、ブース出店などを通じ、多くの皆様にクオッカを知っていただく機会がありました。また、大宮アルシェなどの大規模施設では、デジタルサイネージによる動画放映にも御協力いただいたところであります。さらに、東松山市では市制施行70周年とクオッカ来園5周年を記念し、(パネルの)写真のような形で、2月17日から市役所1階ロビーで、クオッカのひな壇展示を行っていただいており、また、特別記念事業を行う予定とも聞いています。これらのPRは全て各企業や団体から無償で御協力いただいたものであり、感謝申し上げます。今後も引き続き、官民連携で世界一しあわせな動物クオッカを盛り上げたいと思っています。

 次に、クオッカの屋内展示施設が3月13日(木曜日)13時30分にオープンすることについてであります。この日はちょうどクオッカが来園して5周年の記念日になります。クオッカは、夜行性でデリケートな動物であるため、現在、平日は2時間、休日は3時間しか展示することができていません。そこで、こども動物自然公園では、夜行性のクオッカが開園時間中いつでも御覧になれるよう、屋内の展示施設を整備することといたしました。合わせて、その整備のための寄附を9月30日まで募集させていただきましたところ、おかげさまで目標金額の1,000万円を大きく上回る、1,114万円の御寄附を頂くことができました。皆様の多大なる御支援に心より感謝申し上げます。屋内展示施設の整備により、クオッカの飼育環境が更に向上し、来園者もより長い時間で、天候も気にせず観覧できるようになります。3月13日13時30分以降のクオッカの公開時間は、屋外展示施設についてはこれまでどおり、平日は13時30分から15時30分、土日祝日は10時から13時までの3時間で変わりはありませんが、屋内の施設においては、閉園の30分前までになりますけれども、公開時間の制限なく観覧できるようになります。3月13日13時30分からのオープンに向け、工事完了は今月中旬になっております。すぐにお見せしたいところではありますが、工事完了後、飼育員が実際にクオッカの観覧ができるよう1か月程度、準備やクオッカの慣らしを行いますので、楽しみにお待ちいただきたいと思います。

 次に、クオッカ5周年記念事業であります。こども動物自然公園では、御協力いただいた全ての皆様への感謝と、クオッカの更なる知名度の向上を目指し、2つの記念事業を開催します。1つがクオッカフォトコンテストであります。インスタグラムを活用して(行われるもの)あります。このフォトコンテストは、3月13日13時30分から応募を開始いたします。また、クオッカハッピーアニバーサリーにつきましては、3回開催しますが、江崎グリコ、赤城乳業、コカ・コーラボトラーズジャパンなどの県内企業の皆様にも御協力いただくものであります。

 最初のクオッカフォトコンテストの概要ですが、誰もが参加できるフォトコンテストです。応募のテーマは「私の推しクオッカ」で、応募期間は3月13日(木曜日)13時30分から5月31日(土曜日)までとなります。特別審査員として、タレントの伊集院 光(いじゅういん ひかる)氏、また、審査員として、こちらにある「みてみて!クオッカ」という写真絵本でクオッカの写真を撮影した、動物写真家の福田 豊文(ふくだ とよふみ)氏にもお願いいたします。賞品はクオッカの独占撮影チケットや動物園のオリジナルグッズなどを予定しており、結果発表は7月中旬に、インスタグラム上で行う予定であります。

 次に、第1回クオッカハッピーアニバーサリーの概要であります。日時は、3月16日(日曜日)開園時間9時30分から、会場はこども動物自然公園の、オーストラリア動物の飼育エリアである東園(ひがしえん)となります。主な内容は、クオッカの「きゅ~ちゃん」、そして、東松山市の「まっくん」の着ぐるみの参加、新たに導入するクオッカデザインの園内トレイン「クオッカ号」のお披露目、グリコワゴンによるお菓子の販売、御当地グルメの出店、コカ・コーラの公式キャラクターである「Qoo」(クー)とのジャンケン大会などのイベントのほか、缶バッチ、サンバイザーやアクセサリー作りなどのワークショップなどであります。こども動物自然公園では、このようなこどもたちに特に楽しんでいただける催しをたくさん準備しておりますので、世界一しあわせな動物、クオッカの来園5周年をお祝いするため、是非、お越しいただきたいと思います。

 最後に、来園5周年記念事業の今後のお知らせです。クオッカフォトコンテストの応募方法や、クオッカハッピーアニバーサリーの詳細につきましては、2月17日に、こども動物自然公園ホームページに掲載する特設ページで御案内いたしますので、楽しみにしていただきたいと思います。

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共同

 幹事社質問が知事発表に関わりますので、合わせてお伺いします。八潮市の道路陥没事故に関して、大きく3点なのですけれども、まず、救出活動が難しいということですが、現場の状況についてお伺いします。またですね、1週間経って、いまだ救助活動が進んでいないことへの受け止め、3点目として、復旧など今後の見通しについてお願いいたします。

知事

 まず、現状についてですけれども、八潮市において県道の陥没事故が起こり、そして多大な被害、あるいは御迷惑をおかけしていることが、痛恨の極みだと思っています。現時点においては、被害や県民の皆様への影響を最小限に食い止めることが、私たちの最大の責務であるというふうに考えています。最初の救出からですね、救出活動そのものが、(活動を)整えるための環境がなければ救出がなかなか難しいということが、草加八潮消防(局)、これ救出に当たってる方々ですけれども、こういった方々から示されました。県といたしましても、同様の認識であり、そのために、電線、あるいは電柱の撤去、スロープの設営、そして下水管からのバイパス、そしてさらには、壁面の強化・補強、そして、これはそこの場所だけではないのですけれども、このまま放っておくと地盤沈下が起きてくる可能性がありますので、その周囲の土壌改良、こういったことを行ってまいりました。このような中で、2本目のスロープが今日にも完成する可能性がありますけれども、こういった中で、少しずつ下水道の管きょの部分に近づくことができる見込みになり始めています。そこで、更なる下水の低減を図って救出作業を推進するということが必要であるということから、皆様には、午後2時、たった今からですけれども、午後5時まで、可能な限り水の使用を控えていただき、この時間帯以外に作業や家事で回せるものは回していただきたいというお願いをさせていただいているところでございます。なお、現状については、この後、午後2時から5時までの間に、どの程度の時間をかけて、どの程度下水の水位が下がってくるのか、といったことを確認すると、また変化が出てくるかもしれませんので、後ほど本部会議の後にでも、その状況についてはお知らせさせていただきたいというふうに思っています。また、同時に、これは現場そのものではありませんけれども、2日に対策工法検討委員会を設置するなど、今後の復旧についても検討が進んでいるところでございます。現在は、落下したボックスカルバート、これを引き上げるために、別方向にスロープを延伸させており、この大きな落下物について取り除くという作業を行っているところでございます。それと同時に、ここにつながる上流・下流の部分についての道路陥没の危険のある空洞について調査して、そして8か所、小さな空洞が見つかりましたけども、現場に近い2か所については、2月3日に補修工事が完了しておりまして、そのほかについては、今日から補修作業について着手させていただいているところでございます。現状は、大きくはそのような感じですけど、もし個別であればまた(担当部局から)教えてください。そして、2つ目に、事故発生から1週間が経つこととなりました。この間、本当に市民の皆様、県民の皆様には、大変御協力を頂いて、御不便をお掛けしていると思っています。また、この事故に巻き込まれ、陥没した地点に車ごと落下された方の救助が、今もってなお進んでいないということについては、埼玉県といたしましてもですね、最大限の環境を整えるための作業を行ってきたものの、今もって、救出を行っていただいている草加八潮消防(局)には、本格的な救出に入れない状況にあるということは、我々としても大変遺憾ではありますけれども、残念ながら2次災害を、今、避けて本格的救出に入ることができないということなので、県としては、あらゆる手段を使って、もうとにかく、昼夜を問わず、しっかりとこの環境を整備することに全力を傾けていきたいと思っております。また、同時に、今日からは、県民の皆様に更なるお願いをさせていただいておりますので、この結果を生かしてですね、管きょの中の状況の点検や、あるいは救出活動の推進に力を注いでいきたいというふうに思っております。今後でありますけれども、現時点での大きな方向性は変わっておらず、救出活動を最優先させるということに変わりはありません。したがって、がれき等の処理についても、基本的には救出活動を行うためのがれきの処理ということで、その復旧のためのというよりも救出活動のためのがれきの処理や、あるいはそのアクセス路の確保ということになります。仮にですけれども、この最優先している救出活動が、うまくいくという場合には、我々といたしましては、その後、直ちにですね、応急復旧に入るということを考えており、その後については、先ほどお話した復旧工法の(検討をする対策工法)検討委員会で御検討いただいている工法に従って、本格的復旧に入るということになります。

読売

 八潮の陥没事故について伺いたいと思います。先ほど知事がおっしゃられた、復旧の工法検討委員会ということとは別にですね、原因究明のための第三者委員会を立ち上げるということも先日表明されたかと思うのですけれども、こちらの進捗についてはどうなってますでしょうか。委員の選定など、分かる範囲で教えてください。

知事

 原因究明のための第三者委員会については、既に私どもとしても、(委員を)ノミネートさせていただいておりまして、そこはちょっと後ほど、お話させていただきたいと思います。いずれにいたしましても、私どもといたしましては、国の定めに従って、点検等はしっかりとやってきたつもりでありますし、特に他県でお話をお伺いしたところでは、優先順位を付けてそこだけ5年に1回やっている県もあるそうですが、うちは全て行ってきています。ただ、それにもかかわらず、このような事故が起きてしまったのは、やはり不幸な事案として済ませるべきではないと私は思っているので、事務局を含めて第三者にお願いして、その結果というものを真摯に受け止めて、まだ今のところ、何の予断も持たずにそれを受け止めて、例えば、施工が悪いのか、我々の管理が悪いのか、国の基準が悪いのか、そこはちょっとまだ予断を持って申し上げられる段階にはありませんけれども、それをまず真摯に受け止めるというところから始めさせていただいて、もちろんない方が良いのですけれども、県の他の下水道施設ですとか、あるいはより広く言えば、将来的に寿命を迎えてくる様々なインフラ、こういったものにも私たちは思いをはせる必要があるので、この第三者委員会の提言・結論というものを真摯に受け止めるつもりで、今、います。

下水道局

 委員会の構成等につきましてはですね、まだちょっと固まりきっていない状況でございまして、まずは現場の復旧、こちらにですね、力を注いでいきたいというふうには考えているところでございますので、また皆様にお知らせできるようになった段階でですね、何らかの形で情報を皆様にも提供させていただきたいと思います。

知事

 付言すると、第三者委員会の方々が、今の現状でとれる資料ですとか、写真ですとか、こういったものが必要になるという前提で、国総研(国土技術政策総合研究所)の方に来ていただいて、必要な資料やあるいは写真などの記録をそこで残していただいて第三者委員会に提供するという体制も既に構築しています。

読売

 関連でまた質問なのですけれども、また八潮の陥没事故についてなのですけれども、現状でですね、スロープの造成だったりとか、あとは民間企業から借りる機材だったりとか、かなりの費用がかかっているのではないかということが想定されます。こちらの財源はどうなってますでしょうか。現状で、詰めの作業が続く来年度予算には関連の支出があるのでしょうか。

知事

 まず、現状の最優先にしている救命救急のための、いわゆる土木的措置、環境の醸成、更には緊急応急的な措置については、これは補正(予算)をお願いしようということで、今、議会に出す案を取りまとめさせていただいているところでございます。来年度以降については、先ほどの(復旧)工法の検討委員会、こちらがまだこれから開かれることになりますので、そこで具体について聴取した上で、より広い、つまり単なるこの穴の部分だけではなくて、より広いところで地域の皆様に安心していただけるような予算を組ませていただきたいというふうに考えているところですが、財源について、現時点で、特に一般会計の方には、来年度予算については今のところ、具体的に考えているわけではありません。

時事

 下水道管から起因したと見られる陥没について、人口減少社会の中でインフラの老朽化で、日本全国でこういった陥没というのは、今後も相次いでいくのではないかという危機感がある意味広がっていて、ほかでも発生するのではないかという不安感が広がっていることについて、知事の御所感をお伺いできればと思います。

知事

 まず、人口が急増している時代に様々なインフラが整えられた経緯から考えれば、老朽化というものは、今後、そう遠くない将来に私たちが直面する課題となると考えています。また、その一方で、人口減少社会、あるいは納税していただける生産年齢人口の人たちが減少していくという、これもまた想定しなければいけない近い将来の像になってくるというふうに考えています。だからこそ、今回、起こった事件は不幸な事件で済ませてはならず、第三者の委員会の方々の技術的な知見をまずしっかりと取っていき、これを、もちろん埼玉県としては、この正に事故が起こった地域だけではなくて、他の地域でもどのように生かしていくかということを考えていきたいと思っていますし、おそらく他の都道府県にとっても、一定の事例になるのではないかというふうに考えています。他方ですね、より中長期的に考えると、全体の社会の問題として捉える必要があると思っており、埼玉県ではそのための、例えば、典型的な例としては、5年前から進めている埼玉版スーパー・シティ(プロジェクト)、コンパクトに住んでいただくことによって、結果として、その地域のインフラ更新の優先度を将来的に定める上での大きな基準にしていただくとかですね、こういったことを実はこれまで5年間にわたって進めてきているものではありますけれども、5年や10年で簡単に集住は進みませんので、やはりこれを息長くつなげていくことによって、将来的にも持続可能なインフラの在り方というものにつなげていきたいと考えております。

NHK

 今回の件、2本目のスロープを、今、建設中だと思うのですけれども、1本目を作られた上で、その1本目と2本目の意義とか、効果、救出活動に向けた作業の意義付けの違いがあればお伺いしたいというのが1点です。2点目で、救助活動が第一で、今、一番の優先事項だと思うのですけれども、実際に周辺の飲食店ですとか、工業用水の供給停止による影響を受けている企業もあります。こういった経済活動に影響が出ている中で、企業への補償などについて、現段階でお考えがあれば教えていただければと思います。

知事

 まず、1本目のスロープについては、南側、駐車場側から可能なアクセスを行うということで、そこでがれき等の処理が相当できるようになったと同時に、非常に不安定な足場だったのが、重機が入れるまでになったというふうに考えており、写真とかを御提供させていただいているので見ていただくと分かると思うのですけれども、随分、がれきなども、その結果、処理がされているということは言えると思います。他方で、下水管やあるいは水路が発生している中で、やはり別の方角からアクセスする、あるいは水があって下水のところまで今伸ばしている1本目のスロープがこれ以上伸びないという中で、別なところから、より喫緊に必要とされるところの土木的措置を行うために、2本目のスロープが作られているものと理解しております。それから、2つ目の飲食店、あるいは企業への影響につきましては、我々としても、まず御協力を感謝したいと思っています。起因をしたところが県道で、なおかつ県の下水道ということになりますので、今後、御理解いただいて御協力いただいた飲食店や企業などについては、我々としても(補償を)検討していくことになると思いますけれども、現時点ではとにかく、どういった形であっても、生命の救出を優先させるということでありますので、こちらをまず、今、最優先させていただいている段階であります。

NHK

 それからもう1点、下水道の使用制限についてなのですけれども、今回、(午後)2時から(午後)5時で試しているものとは別に、通常時、12市町にお願いしている件で、長期化する可能性もあって、そういう中で住民の方々にも疲れが見られているところも取材の中で見受けられるのかなと感じています。こういう中で、今の節水の状況で十分なのか、それとも可能な限りと言っている中でも、もう少し住民の方にお願いができれば協力をお願いしたいのかというのを伺いたいのと、今の段階で救助活動、まだ見えていないとは思うのですけれども、どれくらいの期間、下水の使用制限をお願いする可能性があるか、所感を伺えればと思います。

知事

 まず、使用制限と言うのでしょうか、今、自粛のお願いを平時からさせていただいておりますけれども、一定の効果というものは、本当に御協力いただいた皆様のおかげで、出ていることは事実で、先般の週末の雨もしくは雪という中で、我々も大変懸念しておりましたけれども、おかげさまで懸念しているほどには上がらなかったのは、これはもう本当ひとえに御協力いただいた皆様のおかげだというふうに思っています。その一方で、御指摘のとおり、あまり長く続いてしまうと、協力疲れと言うのでしょうか、こういったものが出てくることも事実だろうと私どもは思っております。そのために、それ故ですね、いつまでも続くというものではなくて、現時点の見込みではありますけれども、救出活動が終わり、応急復旧に入ったら、そこから1週間程度で何とか、我々としても順調にいけばですけれども、(自粛の)お願いを解除できる見通しでありますということを申し上げさせていただいているところであります。また、その期間ですけれども、先ほど申し上げた救助活動やあるいは下水にあるがれきを取り除いてから、やっと応急復旧に入れるわけですけれども、このがれきについては、まだ管きょの中身が確認を、今日お願いさせていただいて、水中ドローンを、流量を下げてですね、行ってみるとかですね、そういった一つ一つのプロセスを経ないと、どの程度がれきがあるかは、正直まだ分からないところであります。また、救出稼働活動そのものについては、可能な限り、我々としては本格的救出ができる環境を整えたいと思っておりますけれど、救出活動そのものについては、草加八潮消防(局)の方に、是非、伺っていただきたいと思います。

毎日

 埼玉県の流域下水道、荒川左岸だったり、荒川右岸、中川流域下水道と全国的に見てもかなり大きな下水道だとお聞きしたのですが、使用人口から処理量から、かなりトップクラスぐらいの大きさだと。このたび、最近1週間、テレビの有識者等のコメントを聞いていると、やっぱり巨大な下水道は要約すると、「レジリエントではない、災害時に弱い」みたいなことを言われている有識者がいたのですが、今回、やっぱりかなり大きな中川下水道でこれぐらいの大規模な事故が起きた、そういう巨大下水道の在り方について、知事としてはどう思われますでしょうか。災害時で、災害が起こると、実際これだけの規模の影響が出てしまうということについてなのですが。

知事

 まず、弱いという定義ですけれども、インフラが大きくなれば弱くなるというのはイコールではないと私は思っています。他方で、インフラ設備が大きくなればなるほど、何か起きたときに影響が大きい、これはそのとおりだというふうに思いますけれども、これを想定して、どのような形にするのかというのは、実は我々、県庁内でも議論していて、リダンダンシー(冗長性)、つまり、例えば、(下水管が)雨水を入れて2つはあった方が良いのかとかですね、そういったことについては、今後、検討するべきものだと思っています。なぜならば、急激な人口増加の中で、しかもそれまでと変わって地下の中に下水道を作るということが急速に進められたのが、高度成長期だったと思っています。そういった形で今後良いのかどうか、そこは要するに、冗長性、代替性がある、リダンダンシーを持たせるというようなものができるのではないかとかですね、そういったことは我々、今、検討しておりますし、また、今回お集まりいただいた(復旧)工法の検討委員会の先生方も、少なくとも国内では指折りの先生方ばかりでありますので、そういった先生の御意見も、是非、聴取させていただいて、今後についても、持続可能なインフラをどうあるべきかということも、視点の中に入れていただきたいというふうに考えております。

朝日

 現場周辺を取材していると、住民から、結構前から下水の臭いがしていたみたいな話をよく聞くのですけれども、そういった話は、県の方に何か通報であったり、何かそういった情報は、寄せられたりしたのでしょうか。

下水道局

 今回、事故が起きた箇所のすぐ上流側の交差点の下にですね、大きなマンホールがございまして、このマンホールの中でですね、硫化水素が発生しやすくて、近隣の住民の皆様からちょっと臭いがするというふうなお話があったものというふうに認識しております。現場に確認はしていないのですけれども、おそらくあったのではないかなという、事務所の方に実際に住民の皆様からお問合せがあったかまでは確認はできていないのですけれども、臭いが発生しやすいような箇所で、マンホールなので当然蓋はしてはあるのですけども、そこから臭いが出てくる可能性は十分にあり得る箇所だというふうには考えております。

朝日

 あともう1点、下水道の利用自粛、更なる要請をしていると思うのですけども、この方法以外で何か水位を低下させるような方法として検討していることはあるのでしょうか。

知事

 昨日、若干御説明させていただいたと思うのですけれども、上流の部分でバキュームで抜いてですね、そしてそれを、いわゆる別の路線に流すところが1か所、それからやはり上流で抜いて、これをそのまま処理場に持ってくる、こういったバイパスの方法を、今、行っておりますけれども、何せこれ管きょが極めて大きくて流量が多いところでありますので、それから川に放流しているところもございますけども、こういったことによって下げているというのが現状であるのと同時に、今回お願いした以前の、いわゆる平時の利用自粛についても、そのうちの1つであるというふうに考えています。

朝日

 ポンプ場で止めるなどの作業も考えたりするのでしょうか。いろいろポンプ場で引き揚げたりしている部分もあると思うのですけども、自然に落ちてくるところじゃなくてポンプで引き揚げているようなところもあると思うのですが、そこを止めるみたいな作業も検討してたりするのでしょうか。

知事

 ポンプ場で引き揚げているのを止めたらあふれちゃいます。

朝日

 どれだけあふれるのか調べるみたいなことをするとかは。

知事

 あふれてくるのは、変な話、御家庭の中に下水が入ってくるようなことにもなりかねますので、やはりそこは止めて、どれだけあふれるかということを(部局として)やるつもりはありますか。

下水道局

 可能性の1つとしてそういう方策も、今現時点ではやってはないのですけれども、方策の1つとしてはあり得ることではあるかとは思います。ただ、今、知事からも申し上げたとおり、そういったものをやるためには(下水が)あふれてくる可能性もございますので、事前の準備とかというのは必要になってくるのかなというふうには思います。

日経

 先ほどの幾つかの質問と文脈的には重なる部分もありますが、現況の下水道インフラのですね、維持の原資となる使用料金、こちらについての知事のお考えをお伺いしたいです。基本的にこの使用料金というものは、市町村が判断するものではあることは踏まえつつ、広域行政を束ねる大野知事のお考えをお伺いしたいです。

知事

 下水道の使用料金については、公共下水道の場合には、能率的な経営の下における適正な原価を基礎として、市町村等が設定するというのが規定になっています。その一方でですね、施設の老朽化に伴う更新需要の増大等を、下水道事業の経営環境も厳しさを増しておりますので、現在、各事業体において中長期的な経営の基本計画である経営戦略の見直しに取り組んでおり、この中でも、使用料水準の在り方について検討が行われています。特に、今回の八潮における陥没事故等を受けて、仮にですけれども、管きょの使用年数であったり、あるいは点検であったり、こういったものは、実はその経費の増加にそのままつながってまいります。しかも、それが先ほど申し上げたとおり、適正な原価を基礎とするということですけども、利用者負担の部分というものは必ず出てまいりますので、こういったことは、我々としてもですね、専門的な知識を頂きながら、どの部分が本当に必要なのかということはやっぱり見極めなければならないし、全てできることをやることによって、全て皆さんに御負担いただくということで、果たして利用者の方が御納得いただけるかというのは、また別の問題になると思います。そこで、県としては、市町村等による適正な原価を基礎とした使用料の設定が行われるよう、先ほど申し上げた、経営戦略の、今、改定しているところが多いので、そのための講習会の開催だったり、アドバイザーを紹介するなど、支援をしておりますが、これを引き続き継続してまいりたいと思っております。また、先ほどの今回の件を受けての、更なる措置が必要かどうかについては第三者委員会等もこれから開催されますので、そこでの御意見も参考にさせていただきたいと思っています。

TBS

 今、知事発表の中では触れていなかったと思うのですけど、陥没事故に関連してなので、このタイミングで聞かせていただきたいのですが、今回の事故の相談窓口を県の下水道(局)の方で開くということで、先ほどリリースがあったと思うのですが、このタイミングとですね、今なぜ開設したかということと、あと改めて意義みたいなものをお聞かせいただければと思います。もちろん、長期化するという予測の下に、このタイミングだったのだろうというふうには思うのですが、そこを改めて聞かせていただければと思います。

知事

 まず、相談の窓口について、今、主体として関わっているのが、市と、それから消防庁を含めた消防と、それから県というのがありますけれども、それぞれに、バラバラに窓口が分からないといった、そういった御意見も頂いています。そこで、一元的な窓口というものが必要であるということが、特に市などからもお願いもございまして、我々として、そこは一元的な窓口、そこからもちろん市につなぐとかというのはあり得ますけれども、それを設けさせていただくことが適切であろうと考えました。また、今後、中長期的な、それぞれそのフェーズが変わってくるわけですけれども、中長期的な、例えば復旧フェーズになったとしても、同じ窓口で受けることによって、市民・県民から見ればどういったフェーズかは関係ないですから、本件に関しては、やはり1つの窓口を置いて伺うべきであろうということが、やはり我々として念頭にありました。もちろん、埼玉県の場合には、当初から私を含めて県はほぼ毎日のようにブリーフィング等させていただいて、なるべくメディアの方や、様々な媒体を通じて、分かりやすい発信をしてきているつもりではありますけれども、それ以外についても、県として窓口を一本化して(対応に)努めてまいります。

TBS

 今のことにも関連するのですけれども、今こういった大変な事故の中、県職員の方々、寝ずに、いろいろ作業されたりとかですね、しているのは我々も目の当たりにしてるところではあるのですけれども、例えばコロナのときのようにですね、職員の方を今大変な部所に集約して、応援体制を構築するみたいなお考えというのはあるのでしょうか。

知事

 現時点の救出フェーズで、しかも人数がたくさん現場に入れない状況の中で、我々といたしましては必要な部所に実は既に人事発令も行って強化をしています。今後、その先が見えるというか、応急復旧フェーズや、そういったときには、またそこで必要な体制を組みたいと思っておりますけれども、今は危機対策本部を全庁レベルで今立ち上げて、全庁レベルでやっています。それで(必要な人事も)発令したので、現時点ではこのような体制で、そして復旧の体制になったときには、必要なプロジェクトチームなり、人事発令なりをさせていただきたいと考えています。(終)

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お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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