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知事
まず、私の方から定例の御説明をする前に、本日発生いたしました事案について御説明させていただきたいと思います。本日、午前10時頃となりますが、八潮市内の県道松戸草加線中央1丁目交差点におきまして、中川流域下水道管の破損に起因すると思われる陥没が発生いたしました。この陥没に伴い、走行中のトラックが転落する事故となりました。今回の事故には巻き込まれた方がおられるというふうに聞いており、お見舞いを申し上げたいと思います。13時40分現在ではありますけれども、トラックに乗っている方の、現在、救助活動中と聞いており、けが等の詳細な状況については、現時点では不明であります。なお、陥没の状況でありますけれども、直径にして約9(メートル)から10メートル、深さでありますが、約5メートルと考えています。この陥没に伴い、下水道管が閉塞した可能性があることから、関連する流域市町、ちなみに関連する流域市町というのは、さいたま市の一部、川口市の一部、春日部市、草加市、越谷市、八潮市、蓮田市、幸手市、白岡市、伊奈町、宮代町、杉戸町となりますが、この関連する流域市町に対し、下水道法に基づく流入制限を依頼いたしました。今後でございますが、現時点では、救命活動、救助活動を最優先としているところであり、この救助活動が終了次第となると思われますが、原因究明と応急復旧工事の検討・実施、そして、同様の下水道管の緊急点検を行う予定でありますけれども、現時点では、まだ原因等も全く分かっておりませんので、一応見込みとだけ述べさせていただきたいと思います。
知事
それでは、今日の私からの御報告に入らせていただきたいと思います。まず、「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」の取組状況について御報告いたします。「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」は、超少子高齢社会の到来を見据え、市町村のコンパクト、スマート、レジリエントの3つの要素を兼ね備えたまちづくりを県が支援する取組であります。令和3年度から市町村のプロジェクトへのエントリーの受付を開始し、現在46の団体が取り組んでおりますが、今年度、新たに10団体がエントリーすることとなりました。これによって、プロジェクトに取り組む自治体は56であります。これまで、私も直接市町村長に対し、プロジェクトの必要性、超少子高齢化、あるいは人口減少をにらんで、まちづくりから今から準備しておくこと、この必要性を説明してまいりましたが、今回新たに10団体にエントリー頂いたことによって、市町村の理解が一層進んできたのだなという感想を持っています。まだエントリーを表明されていない7団体につきましても、プロジェクトに取り組む御意向は示していただいており、早期に全市町村のエントリーを実現し、持続可能な成長を実現するまちづくりを県全体で進めてまいりたいと考えています。
次に、新規エントリー10団体の取組の傾向について御説明いたします。新規エントリー団体のうち、半数を超える団体が共通して掲げている取組としては、(パネルを示しながら)御覧の4つの取組であります。コンパクトの分野では、「施設の複合化・拠点化」並びに「空き家・空き店舗の活用」、スマートの分野では、「利便性の高いモビリティサービス」、レジリエントの部分では、「再エネの導入等による災害時電源確保」となっています。このコンパクトの取組では、まちにおける拠点であったり、あるいは空き家・空き店舗など、既存の資源を活用しながら、コンパクト化に向けた施策を講じようとする市町の姿勢がうかがえます。さらに、こうしたまちの拠点間をつなぐための利便性の高いモビリティサービスや、災害時でも拠点として機能するための再エネの導入等による災害時電源確保といったスマート、あるいはレジリエントの取組を組み合わせることは、正にこのプロジェクトの趣旨に沿ったものであると考えています。
次に、全エントリー56団体の取組の傾向について御説明いたしますが、割合が高いのは、新規エントリーとほぼ同様の傾向であります。つまり、(パネルを示しながら)御覧の4つ、コンパクトの部分は「施設の複合化・拠点化」、「公共空間活用による賑わい創出」、スマートの部分では、「利便性の高いモビリティサービス」、レジリエントの部分では、「再エネ導入等による災害時電源確保」となっています。
次に、各団体の特徴的取組について御紹介します。このプロジェクトは、コンパクト、スマート、レジリエントの全ての要素を兼ね備える必要がありますが、ここでは、特徴的な取組について簡単に御説明いたします。狭山市、羽生市では、駅を中心としたエリアの賑わい創出に取り組んでいます。三郷市におきましては、防災機能を有したコミュニティ施設の整備を、坂戸市においては、多世代交流拠点や都市公園の整備など、コミュニティ拠点を活用したまちづくりを打ち出しています。そして、幸手市では、地域の輸送資源を生かした持続可能な公共交通ネットワークの確保に取り組みます。そして次のページ、越生町では、町の魅力発信拠点を活用した周遊促進による賑わい創出と健康増進、滑川町では移動販売を通じた地域交流の場の創出による住民同士の支え合いの促進を打ち出しています。また、嵐山町では、学校再編に伴う学校跡地の活用、吉見町では、道の駅を中心とした賑わい創出、皆野町では、活動拠点を中心としたコミュニティ活性化など、各地域の資源を生かしたまちづくりに取り組むこととしています。
次に、既エントリー46団体の取組の進捗状況についても御説明いたします。エントリーした団体は、次のステップとして地域まちづくり計画というのを策定することとなります。この地域まちづくり計画とは、エントリーシートに記載したコンセプトに基づくまちづくりについて、具体的に事業に着手することを対外的に示し、関係機関と協働してまちづくりを推進することを目的として、これを公表するものであります。既にエントリーしている46団体のうち、現在、26の団体が地域まちづくり計画を公表済みであります。
次に、既にエントリーしている団体の中にはコンパクトなまちづくりに、スマート、レジリエントの取組を効果的・効率的に組み合わせている取組が始まっておりますので御紹介いたします。久喜市におきましては、非常時の給電システムを備えたZEH(ゼッチ、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の戸建住宅の建築に合わせて、周辺に商業施設、あるいは保育園、あるいは高齢者福祉施設などを組み合わせた都市機能の集積が行われ始めています。加えて、そこでは自動配送ロボットなど次世代技術を活用した日常生活の利便性が向上するサービスの実証実験中であります。これらによって、多くの世代が暮らしやすく、徒歩圏内で生活が完結するコンパクトなまちづくりを進めています。そして杉戸町では、小学校の跡地を活用し、コミュニティセンターや子育て支援センターが入る複合施設と広場を整備いたしました。この取組に合わせて、県が道路の無電柱化や水辺整備を実施することで、コンパクトなまちづくりが更に促進され、エリア全体の価値を創出しています。整備後のまちの将来像を3Dモデルで可視化し、住民などと共有することで多様なプレーヤーがまちづくりに参加することを促しています。
次に、プロジェクトにエントリーした市町村に対する令和6年度の県の支援について御説明します。県は、部局横断による人的・財政的・技術的な支援と企業等とのマッチング支援に加え、プロジェクトを加速させる市町村支援や市町村と連携した県の事業の実施により、市町村の持続可能なまちづくりを支えております。人的支援としては、市町村からの相談をワンストップ窓口で受け入れるとともに、プロジェクトの具体化に向け、市町村の取組内容に応じて県関係課でオーダーメイドで編成する「事業化支援チーム」によって、全庁を挙げて伴走型支援を行っています。財政の支援の方では、プロジェクト、まちづくりの事業化に向けた検討等を支援する事業化検討補助と、市町村の取組を尊重し、ソフト・ハードを問わずまちづくりを支援する自由度が高い事業推進補助を行っているところであります。
技術的な支援としては、先行事例の研修会を実施するほか、ウォーカブルなまちづくりや市街地開発などの都市整備手法に関する助言など、市町村の状況に応じオーダーメイドで支援を行っています。企業等とのマッチング支援も行っています。このプロジェクトの趣旨に御賛同いただき、官民連携により持続可能なまちづくりの推進に御協力いただける企業などを登録する「応援企業等登録制度」を設けており、今年度は、登録企業等と市町村との交流会を3回実施いたしました。また、市町村が抱える課題について、企業等が解決策を提案するガバメントピッチを開催し、今年度は10の市町の課題に対し、90件の提案が寄せられました。そのうちの23件について、現在、マッチングに向けた協議を進めております。
1月23日にさいたまスーパーアリーナで開催いたしました「彩の国ビジネスアリーナ2025」では、プロジェクトを紹介するブースを5市町と一緒に出展しました。また、「まちづくり先行事例セミナー」を行い、そこにおいて、官民連携によるまちづくりの先行事例を自治体職員と連携する企業の双方から御紹介いただきました。
次に、プロジェクトを加速させる市町村支援として、持続可能な地域(公共)交通ネットワーク構築の取組への補助を拡充するとともに、こどもの居場所に多世代交流や助け合い機能を追加した活動拠点の整備に対する補助制度も創設させていただきました。また、プロジェクトに取り組む市町村と連携して実施する県事業として、賑わいの創出などの相乗効果が期待できる、県道や、あるいは水辺の整備なども実施しております。
まちづくりは幅広い分野にわたり、また、一朝一夕ではできません。それぞれの進捗に応じてまちづくりを着実に進めていただけるよう、引き続き庁内一丸となって、最大限支援してまいります。そして、それぞれの県内の63の市町村、それぞれの(地域)与件に合わせてではありますが、全ての市町村に、プロジェクトにエントリーしていただき、超少子高齢社会に対応した持続可能なまちづくりを全県で進めてまいりたいと考えております。
NHK
まず、冒頭の知事の発言について、陥没の件について、3点ほどお伺いできればと思います。先ほど、下水道管の破損に起因するものと思われるということがありましたけれども、破損した原因について考えられる要因があれば教えてください。また、緊急点検を行うというお話がありましたけれども、実際に供用開始以降何年が経過したものなど、点検の概要など決まっていましたら教えてください。そして、下水道への今後の影響なのですけれども、今、下水についても制限を掛けているということなのですが、どういった影響が長期化することで考えられるか、分かっている範囲で教えていただければと思います。
知事
まず、3点ともこれは全て共通するのですけれども、現時点では、先ほど申し上げたとおり、救出活動を最優先に進めておりましたので、現時点で明確な、例えば被害であったり、あるいは原因であったり、必要な措置であったり、あるいは今回の事故をですね、教訓としてどのような点検を行うか等については、全てまだ明確に決まっているというわけではないことは御理解いただきたいと思います。他方で、現時点では、管きょが閉塞しております。したがって、下水道が簡単に言えば流れない状況、あるいは流れにくい状況になっていますので、これについては原因を今後究明する必要があると思っていますが、いずれにしても陥没したところに土砂等が堆積しているような状況だと思っています。原因といたしましては、管きょの老朽化などによってガス等がですね、硫化水素等が原因である可能性はあるとは思ってますけれども、ただ、私どもこれが判明してるというわけではございません。それから、2番目の緊急点検のこれまでの、あるいは今後の概要については、後ほど、部局から御説明させていただきたいと思います。影響につきましても、今後、応急復旧の、まず検討から入らなければならないのですが、その状況が判明しておりませんので、現時点では、中川流域の15の市町のうち、先ほど申し上げた12の市町に下水道使用自粛を依頼しているところでありますので、この影響、つまり下水道がしばらく、当面ですね、使えないという影響は確実にあると思いますが、まずは、必要な救命、あるいは救急を進め、そして応急復旧の検討着手と原因の究明、これが次の段階になろうと思いますので、現時点で言えるのはここまでとなります。なお、先ほどの緊急点検について、部局からお願いいたします。
下水道局
まず、供用開始なのですけれども、こちらの箇所につきましては1983年に供用開始したものになってございまして、40年以上経過しているものとなってございます。緊急点検につきましては、今回ちょっとまだ、先ほども知事から申し上げましたとおり、人命救助をしておりまして、正確な原因が分からないというところがございますので、人命救助が済み次第ですね、まずは速やかに原因究明を行いまして、その原因と一致する箇所についてはですね、緊急的に点検をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
NHK
では、もう1点の(埼玉版)スーパー・シティプロジェクトについてもお伺いしたいと思います。まだ未エントリーの市町村についてもエントリーに向けて意向があるということですけれども、どういうふうに働き掛けを今後行っていくかというのと、また、全市町村のエントリー達成を目指す時期の目途など、もし知事のお考えがありましたら教えてください。
知事
まず、63の市町村のうち7の自治体がまだエントリーをしていただいておりません。他方で、意向は示されていますので、具体的にまだエントリーしていない理由については、それぞれの市町にお伺いすると、自分の団体の次期総合振興計画の策定時期に合わせてこれを発表したいとかですね、あるいは主要事業と合わせて、この進捗に合わせてエントリーしたいというのが彼らのエントリーを現時点でしていない理由だというふうに聞いています。その一方で、このプロジェクトに取り組む上での課題と未エントリー団体が感じていることは、財源の不足であったり、あるいはまちづくりに必要なノウハウの不足だったり、あるいはそれぞれの役所内での関係各課との連携や調整などが挙げられておりますので、まちづくりの、やはり構想の段階から市町村と関わるということが大切だと思っていますので、今後のアプローチといたしましては、担当職員が引き続き市町村を個別訪問し、まちづくりの課題であったり、将来の方向性であったり、地域の実情などについて率直な意見交換を行うということが必要であり、これを現在進めておりますが、引き続き市町村の実情に合わせてこの取組を進めていきたいと思っています。なお、目途と言うか、目標ですけれども、既にお話しているとおり、現行5か年計画の最終年度である令和8年度までに全市町村のエントリーを目指しています。当初は違いましたけども、ちょっと思ったよりも進んでいるので、全市町村のエントリーを目指しています。令和6年度当初に実施した市町村への取組意向調査ですけれども、その段階では令和8年度までには全ての市町村がプロジェクトに取り組む意向があるという御回答を頂いておりますので、これを現実のものにするために、県としても支援を拡大してまいりたいと考えています。
読売
冒頭の発言のありました八潮市内の陥没の案件なのですけれども、これ県道の陥没ということで、これまで管理業務の中で当該箇所の危険な兆候を把握しているとか、そういったことはあったのでしょうか、分かる範囲で教えてください。あと、それともう1つありまして、過去数年間、2022年頃から、比較的近場の越谷市でも国道が陥没しているというような事案が複数ありまして、こうした地域的な事情で、この今回の事案と関連するような可能性というのはあるのでしょうか、もし分かれば教えてください。
知事
後者については、後ほど、部局の方からお話させていただきたいと思います。管きょにつきましては、埼玉県の場合は5年ごとに調査をすることになっており、他の多くの自治体よりは高い頻度、要するに短い期間でですね、検査させていただいているところであります。ここの、今回事故が起きた管きょにつきましては、Aランク・Bランク・Cランクと付けていて、Bランク、要するに深刻な方がAですね、ABCと付けているのですけれども、この管きょについては、令和3年当時、検査したところ、Bランクでありました。つまり、これは直ちに工事等が必要な状況にはないということになります。しかしながら、令和2年、その前の年ですね、にこの地点の上流500メートルの地点で管きょ調査を行ったところ、鉄筋がむき出しになっている状況でありました。これはすなわち、Aランクの腐食度合い、つまり、事故が起こったところの500メートル上流のところでは、事故が起こったところよりも深刻な状況にあるということが、当時、判明いたしました。一般的に申し上げると、コンクリートを除外して、モルタル施工を行う必要があるのですが、この設計を昨年度から実施して、この深刻な地点について工事を行う状況に今なっておりました。直接の原因は、先ほど申し上げたとおり、分かりませんが、当時の検査の結果はそういう状況にありました。ただ、これが実際に今回の事案と関係しているかどうかはまだちょっと調査ができておりませんので、そこは御理解いただければと思っております。また、近隣の地域については、部局の方からお話をさせていただきます。
下水道局
私ども下水道局でございますので、近隣で下水道管を原因とする陥没があったかという観点でお答えさせていただきますと、ここ数年ですね、中川流域、この近傍におきましては、下水道管、流域下水道の管きょを起因とした道路の陥没は確認はされておりません。ただ、ちょっとほかの要因で空洞ができたり、陥没ができるというのは、もしかしたらあったかもしれないですけれども、下水道局では、全て把握いたしかねるところでございます。申し訳ございません。
NHK
今年5月に開催される全国植樹祭についてお伺いいたします。週末には100日前イベントも開催されまして、少しずつ機運が高まっている状況かと思います。今後、植樹祭当日に向けて、県民の方により植樹祭への関心を高めてもらうための施策や円滑な大会運営のために職員の方への研修など、具体的にどのような準備を整えていくかお伺いできればと思います。
知事
1月25日、御指摘のとおり「100日前記念イベント」というのを秩父市内にありますウニクス秩父で開催させていただきました。当日は、毎年恒例で行っていただいているそうですが、秩父商工会議所が主催する「秩父はんじょう博」と連携させていただき、開催して、その場で記念植樹イベントを行ったり、あるいは、全国植樹祭のPRブースの設置や木に触れて楽しめるワークショップなどを出展いたしました。全国植樹祭開催まで今日であと117日となり、正に機運醸成についても追い込みの時期ですけれども、今回の秩父のイベントは、私も秩父全体がワンチームとなっている様子がうかがえて、非常に良い機運醸成にとってのイベントであるというふうに思いますし、全国植樹祭を歓迎する秩父の思いがひしひしと伝わってきたところであります。現在、大会のシンボルであります木製地球儀、これを全市町村で巡回展示していただく取組を進めており、昨年6月、越谷市を出発し、そして、今、巡回が進んでいるところで、今日は東秩父村で、これが展示されています。この後、3月末にかけて残り12市町、つまり63の全ての町のうちの残り12市町を巡回して、開催のアピールをしていきたいと思っています。また、県内で実施する各種イベントにおいて、全国植樹祭をPRいただく場合、イベント名には「第75回全国植樹祭応援事業」の冠を付けていただいておりまして、2月4日には、例えば寄居町にある県立川の博物館で、「第75回全国植樹祭応援事業 川でつながる森と人」が開催されます。これのほか、彩の国だよりで毎月全国植樹祭に関する記事を掲載するほか、テレビ、ラジオ、ホームページやSNSなど様々な媒体を活用し、広報していくつもりであります。そして、具体的な開催準備ですが、昨年11月「第75回全国植樹祭埼玉県実施本部」を県庁内に立ち上げました。これは、実際に大会運営に当たる県職員による組織で、総勢で約1,800人の規模となる見込みであります。現在、各班の人選を進めており、4月の定期人事異動を経て、顔触れが固まった後は、詳細なマニュアルによる研修、そして現地でのリハーサルを重ねていく予定であります。天皇皇后両陛下をお迎えし、県内外から約3,500名の方々を御招待する大変重要なイベントでありますので、開催準備に遺漏のないよう、大成功に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
埼玉
日銀の利上げについてお伺いします。日銀が24日の金融政策決定会合で、政策金利の追加引上げを決めました。一般的には、企業が金融機関から借入れをする資金の支払い利息が増えることが考えられますが、日銀は今回の利上げが企業の設備投資への冷水にはならないと見ているという報道もあります。知事の御所感というか、県内経済界への影響ですとか経済関係者の声が、まだあまり日が経っていませんが、知事のところに何か声が入っていたりですとか、県内金融機関に何か働き掛けを行う考えがあるかについてお伺いしたいと思います。
知事
まず、御指摘のとおり、1月24日の金融政策決定会合で日銀が政策金利を0.5パーセントに引き上げることを決定し、そして、これは一般論として県内企業への影響として、おっしゃるとおり、資金調達コストの上昇があって、収益や資金繰りの悪化や、あるいは設備投資意欲の減退といったマイナスの影響が出ることも一般論としては懸念されるところであります。他方で、この金融政策決定会合の金利引上げについては、その前の月に行われるかどうか(という)時期はありましたけれども、既に市場が織り込み済み、という話もあり、現時点では、私の下もそうですし、あるいは県や県内の経済団体に対して企業から相談があったという情報はございません。現時点でですね。県といたしましては、経済団体などと連携しながら、影響の把握や県内企業からの相談に着実に対応させていただくとともに、県制度融資の貸出動向にも注目したいと思っており、企業の資金調達に万全を期したいと思っています。他方で、厳しい経営環境の中でも、やはり企業の稼ぐ力を高め、持続的な埼玉県経済の発展につなげるには、やはり生産性向上、価格転嫁の円滑化が不可欠であります。これまでも、補正予算などを活用し、県内中小企業がエネルギー価格や原材料価格の影響を受けにくい体質への転換、いわゆる一時の補助だけではなくて、そういった体質への転換を支援(すること)に、埼玉県の場合、重きを置いてまいりました。生産性の向上に向け、また関係団体と連携し企業のステージに応じたDXを支援したり、価格転嫁については、非常に力を入れて取り組んでまいりまして、令和4年9月に、産・官・金・労の12者での価格転嫁円滑化に関する協定を全国に先駆けて締結し、ワンチーム埼玉で中小企業の価格転嫁を支援してきたところです。ただ、企業のサプライチェーンは埼玉県内で閉じていないことから、この埼玉県から始めた協定や、あるいは(収支計画)シミュレーターなどの無償のアプリ、あるいは様々な取組を全国規模にしなければなりません。そこで、日本全体の価格転嫁から賃金上昇につながるまでの正のスパイラルを作るために、引き続きリーダーシップを発揮してまいりたいと考えているところであります。
テレ玉
出生数についてお尋ねします。厚生労働省が先週の金曜日に公表しました人口動態統計の速報値ベースによりますと、去年の1月から11月に生まれた赤ちゃんの数が66万1,577人、これは外国人も含んでいるということですが、このペースでいくと、去年1年間の日本人だけの出生数が通年で69万人程度となるということで、初めて赤ちゃんの出生数が年間で70万人を割る見込みとなっています。(20)23年のですね、国が出した目安では70万人を割るのは(20)38年と見込んでいたということで、もう10年以上前倒しでこの70万人割れが見込まれているという状況です。埼玉県でもこういった出生数の減少がある中で、知事も新年度の予算に少子化や子育て支援というものを盛り込む意向を示されておりますが、改めてこちらの結果の受け止めと、県としての対応をどのように進めていきたいかというところを教えてください。
知事
まず、日本人の出生数ですけれども、これが将来推計より大幅に、あるいは早期に減少していることは、日本の社会経済などに与える影響として深刻なものがあり、影響は大きいというふうに考えています。
また2015年(後に4に訂正)、いわゆる今の地方創生の取組が閣議決定がされ(後に閣議決定され、始まったに訂正)、「まちひとしごと、あるいはその地方人口ビジョン(「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」及び「まち・ひと・しごと創生総合戦略」)、これが行われたのが2015年ですけれども、そこではですね、今よりもより楽観的な見通しがあるだけではなくて、重要なことは、この一番最初の閣議決定に書いてあるのは、それぞれのファクトに応じてEBPM(Evidence based policy making)で回していく、つまり証拠に基づいた問題解決をしていくというふうに書いてあります。これはやはり、私たちが正直そこまでの期待値まで施策が及んでいないので、これは真摯に見直す必要があるのだろうと思っています。しかしながら、今もなお、「地方創生2.0」等を見てもですね、あまり変わりがないということなので、やはり私たちはこういった影響を最小限にとどめるための施策と、それから人口ポジティブというかですね、将来推計がより楽観的なものになるような事態が早期に起こってくることを目指さなければならないと思っています。
そこで、埼玉県といたしましては、少子化対策といたしまして、長期的な展望を持って社会経済環境を大きく変えていくことも必要ではないかと考えており、1つではまず、人口対策として未婚化・晩婚化の進行が少子化の要因として考えていますので、少子化対策として、結婚、妊娠・出産、子育て、就労、働き方、住まいなど、様々な多岐にわたる分野での取組を総合的に実施してまいりました。御存じのとおり「SAITAMA出会いサポートセンター(恋たま)」での出会いというのは埼玉県が相当先行して始めさせていただいておりますし、あるいはプロスポーツチームなどと連携した出会いのきっかけづくりや「SAITAMA出会いサポートセンター」などによる結婚支援や、不妊・不育症検査の費用助成、多様な保育サービスの充実などによって、様々な段階で結婚したい、こどもを産みたい、育てたい、こういった方々の御希望が叶えられるような社会づくりを進めてまいりましたが、結婚や出産は個人の価値観だとか人生設計にも関わっていますので、これは押し付けられるものではありませんし、またもちろん短期間で効果が出るものではないので、継続的に対策を行っていきたいと思っています。また、これは2014年時点での先ほど申し上げた「ビジョン」でも共有されていますけれども、直ちに人口が増えることはないと政府も言い切っています。私どももそう思っておりますので、人口減少、特に生産年齢人口が減少する中でも、高齢者やこどもたちを支えられるような仕組みをつくり上げるために、正に労働生産性の向上などに県としては非常に力を入れているところでございます。また、PDCAサイクルを回すと申し上げましたけれども、地方の創生と人口の減少が果たして正の関係にあるのかどうかなど、こういったところは国に対しても改めて問題提起をしながら、埼玉県は2014年の時点で先ほど申し上げた政府の検討では東京圏の1つになっていますけれども、やはり埼玉県が元気になる、人口が増えるということは国自体を元気にするということは、是非、当時の発想にはなかったことかもしれませんけれども、国にも提言してまいりたいと思っています。
毎日
日曜日にあった川越市長選について知事の見解を伺いたいのですが。
知事
まず、川越市長選挙は、川越市民の意思の表れだと思います。市民の大きな期待を担って当選された森田さんには心からお祝いを申し上げたいというふうに思います。感想というか、これは川越市民の選択でありますので、おそらく、今回は新人4人の候補者だったわけですけれども、有権者の声に耳を傾け、ニーズに合った政策を掲げ、それが分かりやすく有権者に伝わったということが支持されたのではないかというふうに思っています。そしてもう1つ大きなことは、前回の投票率と比較すると、前回を上回る有権者の方々が投票行動を起こされたということで、これは非常に良かったというふうに思っています。引き続き新しい市長におかれましては、市民の代表である議会と二元代表制の下しっかりと議論をしていただいて、将来の川越市の持続的な発展に向けリーダーシップを発揮していただきたいと期待しています。
毎日
各政党等を取材していますと与野党相乗りの影響を指摘するコメントが多々あったなと思います。昨今、取材していると与野党相乗りしている状況を取材する機会がありますが、各党が勝ち馬に乗ろうとしているのではないかと思ってしまうことがあるのですね。今回の首長選挙、新人同士の戦いの場合、そういう自分たちが擁立しようとした候補者以外の実績を評価するというのは、実績を評価して各党相乗りになるということはあるとは思うのですが、新人同士の場合そういうのも難しいのかなとも思うのですが、そこでの与野党相乗りについてどう思われますでしょうか。
知事
まず、一般論として申し上げると、自治体の首長の選挙というのは、地元の様々なニーズを汲み取って、そして実現することを説得力のある形で訴えるということが基本なのだろうというふうに私は思っています。したがって、新人候補であろうがそれを何期重ねた候補であろうが、必ずしも推薦した政党等の評価の結果とは限らないと私は思っています。政党の影響が大きいのであれば、これは(推薦を)頂いた方が良いかもしれませんけど、それが証拠に私は2回の首長選挙とも、1度もどの政党からも公認も推薦も頂いていません。ただ、国政選挙のときに私が頂きました、公認を。そういった意味では、やはり政党の影響というものは、(首長選挙においては)私は限定的だし、それよりも、先ほど申し上げた、地域の皆さんのニーズに応えるという方がはるかに大切だと思っています。逆に、この選挙結果について、政党が相乗りしなかった候補に票が集まったということに対する評価はなかなか難しいと思いますけども、私は先ほど申し上げたとおり、首長選挙については、政党の影響というものはそれほどあるとは思っていないので、どちらに、あるいは4人の方のどの方に乗ったかというのはあまり私は気にしていません。(終)
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