ページ番号:255642
掲載日:2024年7月11日
ここから本文です。
知事
本日は私の方から何点か御報告させていただきたいと思います。1点目は、「リバサポ・クエスト」について御説明させていただきます。
川の保全・共生を推進する「SAITAMAリバーサポーターズ・プロジェクト(通称リバサポ)」ですけれども、この一環として、県民の皆さまにもっと川で活動を楽しんでいただけるよう、「リバサポ・クエスト」を開始いたします。まず、リバサポとは、令和3年度から開始したプロジェクトで、埼玉の川を愛し、守り育む意識の向上を図るとともに、川を育む活動が、県民、企業、川の国応援団の連携の下、持続・活性化していくように県が支援するという仕組みであります。これまでのリバサポの取組といたしましては、川辺でのサウナの事業や湖畔での様々なイベント、あるいはラフティングボートを使った清掃活動等、川の国応援団や企業サポーターとの連携による取組が展開されています。これまでも個人サポーターや県民の皆さまにSNSやポータルを通じてこれらイベント情報をお伝えし、川での活動参加を御案内してきたところではありますが、今回、更なる参加促進のため企画したのが「リバサポ・クエスト」であります。
次に、新たに開始する「リバサポ・クエスト」について御説明いたします。これはリバサポの公式LINEアカウントを利用するもので、皆さまには、川でのイベントに参加した場合や川に関する施設で学びを深めていただき、スマートフォン上でポイントを貯めていただきたいと思っています。若干デザインが何十年か前のものに見えますけれども、新しいLINEのプロジェクトであります。このポイントを貯めるとレベルが上がります。そして、そのレベルに応じた特典が得られるという仕組みであり、このようにゲーム的な要素を入れることで、これまでのリバサポの取組で川に興味を持っていただいた方には更なる取組への参加を、また、今まで川に関心がなかったという人たちにも興味を持っていただけるのではないかと考えています。さらに、このクエストのラストにはお楽しみ要素を用意する予定であります。詳細は追って公表させていただきますので、御期待いただきたいと思います。
この「リバサポ・クエスト」への参加方法等について説明します。「リバサポ・クエスト」には、「埼玉県の川を大切にしていただける方」であれば、どなたでも参加いただけます。LINEアカウントを持っていないお子様の場合には親子で参加していただきたいと思います。LINEでの参加方法は非常に簡単です。リバサポ個人サポーターに登録してください。そして、ポイント対象のイベント等に参加していただくだけであります。ポイント対象のイベントですが、例えば、川遊びや、あるいは生き物の調査、さらには清掃活動といった川でのイベントだったり、そしてその対象イベントとなった場合には、ポイントが順次拡大していきます。また、県立川の博物館やさいたま水族館等の施設を訪問した場合にもポイントをもらえます。詳細はポータルサイトでお知らせしてまいりますので、是非チェックしていただきたいと思います。次に、特典であります。リバサポ・オリジナルグッズ、あるいは皆さまに楽しんでいただけるような施設の招待券、川に関するアクティビティの体験チケット等、レベルが上がると、より豪華なプレゼントが当たる仕組みになっておりますので、是非、繰り返し川に足を運び、レベルアップを目指していただきたいと思います。「リバサポ・クエスト」ですが、今月25日(木曜日)から開始します。最新情報はリバサポ公式SNSで発信してまいります。リバサポのLINEアカウントをお友だち登録してお待ちいただきたいと思います。この夏は、「川の国埼玉」を旅する探検家気分で「リバサポ・クエスト」に参加し、川に親しみ、是非「川好き」になっていただきたいと思います。
知事
次に、農業用水路やため池等への転落事故について、注意喚起させていただきたいと思います。(パネルを示しながら)これは県内の農業用水路等の状況でありますが、この青い線が河川です。そして、そこから出ている(パネルを示しながら)この赤い線が幹線的な用水路であります。御覧いただき分かるように、用水路は埼玉県内を動脈のように走り、さらにこの幹線用水路から分岐し、どんどん細かい水路を通じてそれぞれの水田まで網の目のように張り巡らされています。末端の用排水路まで合わせると、県内の延長は何と約1万キロメートルに及びます。このほかにも、農業用のため池が467か所あります。このような水路やため池は、地域の景観形成や、県民の皆さんに癒やしや安らぎをもたらしております。しかしながらその一方で、大雨や台風時には、景色が一変し、危険な一面もあります。
次に、今申し上げた危険な一面、具体的な危険状況ですけれども、(パネルを示しながら)この写真を御覧いただいて分かるように、一見広い道路であったとしても、道路の脇に水路があるような場所では、増水すると、一面水浸しになります。そうなると、もともとの道路と水路の境目が分からなくなります。歩行者が足を踏み外し、水路に転落したり、自転車で脱輪したりするという危険性があります。(パネルを示しながら)こちらの下を見ていただくと、これは通常は普通の水路であります。ところが、大雨で水が増えると一気に、状況は変わりどこが道路なのか、どこが水路なのか分からなくなってしまいます。このようなときに、例えば農家の方等が、水田の様子が心配で、状況を見に行くとそのまま水路に落ちてしまう、こういった危険性もあります。梅雨を迎え、あるいは台風の発生が多くなる時期であります。大雨が降ると、見慣れた景色が一変することがお分かりいただけると思います。
こうした農業用水路やため池における事故で、県内でも過去10年間で61件の人身事故が発生し、63名の方が被害に遭っています。(パネルを示しながら)このグラフは過去10年間の累計件数を事故の発生時期別と、要因別に区別したものであります。この中を見ると、5月から7月のかんがい期、その中でも特に7月が多い。また、転落時の状況ですけれども、車や自転車で走行中、あるいは歩いているときの事故が多くなっています。釣り等、遊んでいての事故、草刈等、水路付近における作業中の転落事故も発生しています。
そこで、県民の皆さんにお願いであります。今の時期は、水田に水を張るかんがい期で、水路の水量、水の量が増えています。さらに、梅雨や台風等の大雨で危険が増える中で、これからこどもたちは夏休みを迎えます。こどもたちにとっても、水と触れ合う機会が増えてまいります。より危険が高まり、事故が多くなる傾向がある7月を迎え、注意喚起したいと思います。大雨や台風等悪天候のときには、大変危険な場合がありますので、水路等には近づかないでいただきたいと思います。慣れ親しんだ道だから自分は大丈夫と思い込まないで欲しいと思います。また、危険箇所の把握や、こどもや高齢者には御家庭等でお声掛けをする等、地域での安心安全の取組をお願いいたします。また、農家の皆さんにおかれましては、草刈等の農作業は1人で行わない、複数で行う等、注意して欲しいと思います。御自身と御家族等、身近な方々が事故に遭わないようくれぐれもお願い申し上げます。
知事
そして3つ目。今日は水の話題ばかりですけれども、続いて、PFAS(ピーファス)と言われる有機フッ素化合物に関する埼玉県の取組みについて、県民の皆様にお知らせ申し上げます。まず、「不老川のPFOS(ピーフォス)及びPFOA(ピーフォア)の暫定指針値超過に係る追加調査について」であります。令和2年5月、国が暫定指針値を設定したことを受け、令和3年度から国及び関係市等と連携して、河川水の調査を実施しています。令和3年度並びに4年度に、県内全域48点を調査したところ、川越市内の不老川の1地点、「としとらずばし(不老橋)」と言うのだそうです。ここで暫定指針値の超過がありました。令和3年度並びに4年度超過がありました。そこで、令和5年度には、ここで超過しましたので、この超過した結果を受けて、県、川越市並びに狭山市が不老川上流の支川を含めた10地点で原因特定のための追加調査を実施しました。(パネルを示しながら)ここで出たので、この上流とか支川を含めて、調査を追加でやりました。そういたしましたら、支川である久保川の2地点で暫定指針値の超過が判明をしました。これは既に発表させていただいているところであり、改めて申し上げますが、水道原水としての利用は一切ここではなく、また、この支流でも一切ございません。したがって、人の口に水が入る水道、浄水の原水のところにはないということであります。
今度は令和6年度の調査結果です。これらの調査結果を受けて、令和6年6月に、改めて川越市及び狭山市が、今度は(パネルを示しながら)この久保川の上流、先ほど申し上げたとおり、(パネルを示しながら)ここで出たのでこの上流を探したら、2地点で出たのでこの上流を調査をしたところ、調査した4地点全てで暫定指針値の超過を確認いたしました。現段階では、いずれの地点もほぼ同水準の値であって、したがって、どの辺りが排出源であるという特定するには至りませんでした。今後、狭山市が更に上流について調査を実施する予定であります。なお、改めて申し上げますが、今回調査したところも含めて、暫定指針値の超過が確認された不老川や、あるいは久保川、あるいはその下流から取水している水道事業者はいません。また、埼玉県企業局では、原水、浄水並びに給水先の各地点において、PFOS及びPFOAの調査を定期的にこれまでも実施してきております。そして、市や町に供給しておりますが、ここでは、全て安全であることを確認しております。
続いて、今後の方針です。今回の調査でも、水道原水で取水されている河川から暫定指針値を超過することはない、ここは変わりはありませんが、超過された河川の原因、どの地域が果たして(原因であるのか)、あるいはどの工場から(排出されたかは)分かりませんけども、そういったことが特定できたわけではありません。今のところ不明です。そこで、関係者で協議をし、連携をし、引き続き原因特定のための追加調査を行います。排出元特定のための上流調査を、狭山市が実施いたします。県は、県の環境科学国際センターによる技術的助言や関係市との調整を行ってまいりたいと思います。いずれにいたしましても、現時点では、県民の皆様の水道に影響があるような状況ではないけれども、不明なところがあるので、我々としても誠意努力をしていく所存であります。
東京
リバサポのことでまず伺いたいと思います。知事、今日Tシャツがすごくお似合いなのですけど、これはリバサポ用に新しく作ったものなんでしょうか。
知事
よくぞ聞いていただきました。今着替えてきたのですけど、実はこれは以前からリバサポ用に作っているシャツであって、例えばこれを着て、清掃活動を行ったり、あるいは先ほどのボートを漕ぎながら、水に浮かんでいるごみを拾ったり、こういったときに、着ているシャツであります。ちなみにこれは私が2年ぐらい前にもらったのかな(3年前)、それを今日は着せていただいていますので、記者会見の前に着替えてきたので、触れていただいてありがとうございます。
東京
リバサポのことでもう1つ、リバサポで川に親しみを持ってもらうという狙いということでしたけれども、川に親しみを持ってもらうことでどのような効果を期待してるんでしょうか。
知事
まず、埼玉県は川の国と呼ばれるように、川が極めて多い地域であります。そして、皆さんのすぐそばにも川がある、ある意味、埼玉県民であれば、川がすぐそばにあるというのが常態化していると思います。そういった川でありながらも、実際に川に行って、何か利用したことがあるとかそういった人はもう必ずしも多くないのかもしれません。また、川の環境を綺麗に維持することによって、結果として、私たちの飲み水や、あるいは海や、そして引いては世界中の環境全体に対して良い影響が生まれることになります。そこで、こういったリバサポの取組、ある意味楽しい取組やプレゼントがもらえるということで、期待が頂けるような、こういった取組をきっかけに、川にまずは興味を持って欲しい。そして、サポーターとなってもらって、川に実際に足を運んで御参加いただきたい。そういった思いを込めております。また、さらには、全ての川を愛する人と申し上げましたけども、埼玉県の人たちだけでなくても、「川の国埼玉」の各地、非常に美しい所がたくさんありますので、是非、そちらも訪れていただきたいという期待値を込めてイベントや、これらの仕掛けを作らせていただきました。
東京
もう1点、用水路の方ですけれども、毎年事故が起きているということで、県としてどのような対策を今後執られていく予定なのか教えてください。
知事
まず、農業用の用水路につきましては、常に転落事故が発生する危険性を有しています。また、農業等の事業で容易にアクセスができる、こういったところがあって、例えばですけれども、蓋掛けがあったり、あるいは入ることができないというような場所ばかりであれば良いのですが、必ずしもそういう所だけではありません。そこで、我々としてはまずは危険回避のための声掛け、意識を高めてもらって、そして、家庭や事業所で声掛けをしていただくということをお願いしており、地域の身近な問題として防災力を高めていただきたい、こういった対応を、まずはお願いしたいと思っています。そのために、今日のPRもそうですけれども、県では埼玉県土地改良事業団体連合会と共同で啓発活動を行っております。特に今回かんがい期であり、そして夏休みを前にしての状況でありますので、これらの啓発活動を行うことによってこれらの出水期に、あるいは夏休みにおいても、事故の予防に努めたいと考えています。
東京
最後にPFASですけれども、川で出ていて、浄水には影響がないというお話でしたが、その近くの例えば地下水であるとか、農業への影響等の懸念はあるんでしょうか。
知事
飲む浄水には影響がないという、そのとおりです。川の原因がまだ特定されていないので、どこにどういう影響があるかということは、まだ分かりませんけれども、他方で、この地域の地下水は深井戸と呼ばれていて、硬い地層の下にある(水脈)、そこから水を取っています。で、そこで少なくともこの地域で取水している場合には、地表の河川水の影響を受けることは極めて少ないというふうに考えています。また、この入間川の本川の方ですね、入間川についても、不老川や久保川の水は、入間川には入りません。そこで影響は受けることはないのだろうと思っています。また、念のため、これまで狭山市や川越市、この(不老川や久保川が)通っている市ですね。ここが実施している地下水だったり、あるいは近隣を流れている入間川の検査では、これまでPFOS・PFOAの検査をしていますけれども、これが暫定値を超過したという報告は今のところございません。したがって現時点では、先ほど申し上げたとおり、原因が特定できていないので、完璧とは言いませんけれども、我々の考えている限りでは影響はないというふうに理解しています。
東京
最後に原因のところなんですけれども、可能性のある原因としてどのようなものが浮上しているのかということと、先ほど工場というお話もありましたけれども、一般論として工場から排出される物質が原因になることが多いんでしょうか。
知事
まず、原因については正直まだ分かりません。排出元の特定に至っていないというところであります。例えば、工場と申し上げましたが、工場と言ってるわけではなくてですね、ただ、このPFOS、これはペルフルオロオクタンスルホン酸と言うのだそうです。PFOA、これはペルフルオロオクタン酸と言うのだそうですけれども、これは、水や油を弾いて熱に強い、そういった科学的に安定性が高いので、これまでで言いますと、例えば泡消火薬剤、あるいは金属メッキ処理剤、半導体用の反射防止剤等、幅広い用途に使用されてまいりました。これは、環境中で分解されにくく、高い蓄積性があることから、既に製造や輸入等は禁止されています。しかしながら、これまで使ってきたようなところもこれまではあったということも知られておりますので、可能性としては、このようなPFOA・PFOSを使っていた事業者や使っていた場所というものが考えられることは事実ですが、現時点では、先ほど申し上げたとおり、原因は残念ながらまだ不明であります。
読売
最後の質問に関連して、PFOSの関係なのですけども、今後の方針で追加の調査を行うということなんですが、いつぐらいに行う予定なのかということと、この原因の特定についてですね、どれぐらいまでに公表・発表したいお考えなのかについてお願いします。
知事
まず、今後の調査ですけれども、狭山市の方で今後、その更なる上流について調査していただくということになりますが、徐々に上流にいかないと、要するに数値が高いところを特定して、今度は支流と言うんでしょうか、そういったところに遡るとかということをやっていくものですから、そのどの段階で見つかるかによって、時期は変わってくるのだろうと思っていますが、ただ、やはり今、PFOS・PFOAについては非常に関心が高まっていることもあるので、県としては可能な限りの支援をして、早期に調査をしていただくという方向で進めさせていただいているところであります。
日経
リバサポについてなのですけれども、まず、リバサポに限らず、県では河川の利活用について取り組んでいると思うのですけれども、そういった河川の利活用に取り組むことの県や県の経済にどんなメリットがあると考えているかというのと、リバサポに関しまして、企業サポーターや個人サポーター、川の国応援団といった3者から募って取り組んでいく、これのメリットというのはどういったことがあるのか、考えていらっしゃるのかというのをお伺いしたいと思います。
知事
まず、河川の利活用につきましては、御存じのとおり、埼玉県は歴史的に産業の根幹に川がありました。例えば、物の出荷やあるいは調達、さらには運輸、こういったところで多様な川の利活用というものを行っていました。最近ではそういったかつてのような伝統的な活用というものは、残念ながら、ほぼ無くなっていることは事実であります。しかしながら、その一方で、河川敷を含めて、スポーツやレジャー、あるいは観光、こういったものに活用していただくという、そういった機会が増えているというふうに思っています。ただ、川をこのまま放置しておくと単に汚くなるとかですね、そういった状況もありますので、私たちとしては、これまで歴史的に、また今も違う形で、経済的にも、あるいは社会的にも活用されつつある、川について関心を持っていただくということがとても大切だと思っています。なお、そういった中での、例えば顕著な例として、コーヒー屋さんがですね、河川敷の地域に出店して、そこを訪れる人が、そのコーヒー屋さんで時間を過ごし、癒やしを得るとか、そういったことを例えば行っているところもありますし、また、伝統的にもずっとつながっているものでは、例えば、長瀞の川下りのような形で活用されてるところもありますが、その両方について私たちは、今後、活性化していきたいと思っています。それから2つ目に、川の国応援団は、元々、川を綺麗にするということでボランティア活動をしてくれていた人たちですけれども、これと企業さん、それから個人の方々、これが連携することによって、私たちはより多様な形でより多くの方々に参加をいただき、また、こういった活動も広まっていくものと期待をしています。具体的に申し上げれば、例えば、先ほどボートを使ったですね、清掃といったやり方があるというふうに申し上げましたけれども、こういったものはですね、ボランティアの方々が、ラフティングボートをやっている方々が参加していただいたり、あるいは今度は企業の方々が、これは調節池の方ですけれども、例えば、そのボートを降ろす機械、これを寄付していただいたりということで、そこに馴染むことができるとか、そういった活動がそれぞれの強みを生かして、今行われていますので、私たちはこういった良い事例を横展開していきたいというふうに考えております。
東京
都知事選の結果についてなのですけれども、現職の小池氏の再選が決まったわけですが、知事の受け止めと今後への期待を教えてください。あと、東京一極集中への批判もある中での選挙で、是正を訴えて出馬した候補者もいましたが、今回の選挙結果、選挙自体が、大野知事らが訴えている税源の偏在等一極集中の是正へどのような影響を与えるか、期待があるか教えてください。
知事
選挙の結果は、東京都民の意思の表れであります。都民の大きな期待を集められた小池百合子氏が当選したということだと思いますので、お祝いを申し上げたいと思っています。おそらく、今回の結果は2期8年の実績が評価されたのではないかというふうに受け止めております。他方で、東京都の場合には本県と生活圏が一体的で、これは単に隣り合うだけではなくて、例えば、埼玉に住んで東京で働いているとかそういった意味で、一体であり、強い結びつきもあるものから、共通する行政課題に連携して取り組むことが重要と思っています。これまでも、東京埼玉連携会議を設置させていただいて、防災、ICT、都市づくりの3つの部会で取組を進めており、例えばですけれども、防災部会では、帰宅困難者対策訓練、あるは一斉帰宅抑制の普及啓発キャンペーン等緊密に連携してまいりました。今後も、そういった私どもの地理的な、あるいは社会的な関係もありますので、小池知事と意思疎通を図りながら、共通する行政課題の解決に取り組めるよう、引き続き、本県との関係を重んじていただきたいと思いますし、働き掛けていきたいと考えています。また、今回の候補者の中で東京一極集中についての是非、これを問うような方もおられました。今回の選挙結果の影響として、例えば、税財源の偏在等の一極集中の是正への取組にいかなる影響があるのかについては、今のところまだファクトが明らかになっていないので、コメントはしようがないんですが、ただ、いずれにしても、近年東京都では、豊かな税収を背景に高校授業料実質無償化における所得制限撤廃や公立学校給食費の無償化等の施策を打ち出し、埼玉県を含めた周辺自治体との行政サービスの地域間格差は拡大している一方で、財源の不公正から、残念ながら、他の自治体は東京と同じ施策が物理的にできない状況にあります。これを是正するために、千葉県知事、神奈川県知事との連名で、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に向けた取組を早急に行うこと等について、国に強く要望をしたところであります。あくまで是正を行うべきは国ですから、今後も埼玉県としては、国に対して必要な見直しを行うよう求めていくので、したがって、東京都知事が誰であろうとそこは何ら変わりはないというふうに考えています。
埼玉
今は、選挙の結果のお話だったかと思うのですが、選挙戦の中で、今回、多数の候補乱立と言うか、56人ですかね、候補が出て、選挙ポスター掲示板に候補者と無関係なポスターであったり、寄付を募って、ポスターの内容を寄付した人間に委ねるといったようなことがあったかと思いますが、これについて公職選挙法の見直し、言及してる自治体の首長さんもおられますが、知事はこの問題について、御所感をお伺いできますか。
知事
東京都知事選挙における一連のポスター等に関する報道は承知しています。今の御質問に関連して、私の方から3点ございます。1点目ですけれども、選挙はやはり、民主主義の基盤であり、選挙が公正に行われるためには、選挙運動が自由に行われなければならないと思っています。しかしながらその一方で、公職選挙法その他の法令に反するような掲示があってはならないと思っています。したがって、法律に違反する事案がある、覚知した場合には、埼玉県としては、例えば、通告をする等、警察と連携して厳正に対処したいと思います。これが1点目であります。2点目ですけれども、事業の広告だったり、要するに、商売目的ということですね、あるいは個人の売名行為を意図した、いわゆる泡沫候補への対応については、大正14年に供託金制度が導入された際にも議論があり、あるいは公職選挙法が導入されたときにも、実はこれ議論がありました。その直前の地方選挙で1票しか票を取ってない人が、不動産の、自分のPR(後に「株式売買の注文を行う会社の方」と訂正)をしたとかということを受けて、こういった議論があったということで、これらは想定されていたことだと思っています。しかしながら、今回、東京都知事選挙では、公職選挙法の例えば供託金とかそういった制度は抑止になりませんでした。そういったことを踏まえる必要がある。それから今回の東京都知事選挙では、掲示板への掲示をすることができる権利を売買するような行為、これも多分、そういった当初の議論の延長線だろうと思いますけども、今、現時点では、これらを抑制する手段というのはなかなかないのだろうと思っています。こういったことを受けて、今、国会で議論を深めるということを各党がおっしゃっていますので、まずはこのような議論を注視したいと思っています。これが2点目です。3点目ですが、その上で、改めて、私どもの立場として申し上げると、今回の例えば事案発生を受けて、例えばですけれど、供託金を高額にするとか、こういった制度改正を行うべきだと、こういう議論があります。その一方で、候補者は可能な限りたくさんいた方が良い、国民の選択肢は多い方が良い、こういう議論も、もう片方であります。また、いかなる掲示板の掲示が、掲示とか主張が不適切なのか、これを判断するのはそう簡単ではないというふうに思っています。したがって、今、事案が発生したからといって、片方の視点だけを重視するのではなくて、これらの両方の視点を踏まえて、そして、抑止も効いていない法律になっているということも考えると、公職選挙法そのものの在り方について、私は根本的な議論をする時期に来たと問題提起をしたいと思っています。是非、せっかく各党がこういった議論の必要性をおっしゃっているので、是非、バランスのとれた議論を、なおかつ効果的な議論をしていただきたいというふうに強く思っております。
東京
都知事選のことで、石丸氏が得票多く集めたことも話題になりまして、その石丸氏は地方自治体の首長から出馬をして、東京への一極集中の批判を主張する中での出馬だったわけですけれども、この結果について知事の所感を教えてください。
知事
選挙の結果は先ほど申し上げたとおり、東京都民の意思の表れですから、そのことについて私がコメントするべきではないと思っています。他方、一政治家として、選挙戦術的な観点から感想を述べさせていただくと、まず石丸候補同様、小池候補並びに蓮舫候補はSNSで頻繁に発信していました。回数を数えると、実は蓮舫さんが多かったという状況であります。ところがその一方で、小池候補並びに蓮舫候補のプレゼンスが薄くて、つまりあまり表に出て来なかったので、いわゆる不特定多数に働き掛ける空中戦に徹していたというのが、お二人の傾向だったと思います。他方で石丸候補は、支援を受ける企業家と共に、積極的に小さな街頭活動もこなされて、一人一人の有権者に丁寧に訴え、さらにそれをSNSで発信し、有権者に拡散していただくなど、ある意味、私たち一般の政治家で言うと、当たり前の選挙活動をやっていました。要するにプレゼンスが少なかった方に対して、こういった当たり前の選挙活動をやれば、票が積み増すんだな、こういうふうに私は分析しています。
NHK
昨日始まりました、県庁舎の再整備を巡るアンケートについての知事の考えを伺いたいと思います。以前、結構、今デジタル化ですとか、柔軟な働き方が進む中で、バーチャル埼玉に象徴されるように県庁舎にわざわざ足を運ばなくても済むような仕組みみたいなことも、構想の中に実行されてきたところかと思います。その中で今、築70年を超えて老朽化が進んでいる県庁舎をどうしていくのかということを県民にも広く問うアンケートが昨日始まったタイミングでありますので、今現時点での知事のお考え、県庁舎の再整備に関する知事のお考えと、アンケートを行う上での、県民にもし呼び掛けたいことがありましたら、是非改めて伺えたらと思っています。
知事
その前にすみません。訂正をさせていただきたいと思います。先ほど私、供託制度の導入前に、要するに神戸市で、1票しか取れなかった事案があって、その時に不動産のPRと言いましたけど、株式売買の注文を行う会社の方でした。失礼しました。そこは、訂正させてください。
その上で、新しい県庁舎を作ることに対する思いとアンケートについてですけれども、まず再整備に対する思いですけれども、県庁舎は、一旦仮に建て替えたとすると、おそらく50年とか100年単位で使用するようなものだと思います。また、建て替えを行うには、県の予算に対して大きな負担となるビッグプロジェクトであります。県庁舎の建替えにあたっては、現在の県庁の発想のまま器だけ綺麗にするというようなものであってはならないと思っており、県庁の未来の姿を可能な限り反映させることが重要である。そうだとすると、例えば、あらゆる事業や制度が、デジタル化をしていることを想定しながら行われるべきものと考えています。例えばこれまでは、県民の方が庁舎までお越しいただいて、必要な手続を(行い、)サービス、これをいつでも利用できる、こういうふうになってきましたけども、このお越しいただくということが果たして必要なのか、その場合、どんな庁舎が必要なのか、さらには、職員が働き方を柔軟に選択しながら、効率的で創造的な仕事ができるDX環境が実現される職場というのは、いかなるものか、あるいはそれが実現した後に、職場というものはどれだけのスペースで、どこにあるべきなのか、こういった大胆な発想から、ゼロベースで検討する必要があると思っています。我々としては、この壮大な実験になりますので、この先行モデルとして北部地域振興交流拠点、この検討の成果を随時取り込みながら、DXを前提に、仕事のやり方を根本から見直すことで、県民が求めるサービスを的確に提供するのみならず、職員が働きやすく、かつ生産性を最大限に高めることができるオフィスを目指したいと思います。そうなるともしかすると、やり方によっては、県庁所在地って何の意味があるのだろう、そのぐらいのところから問い直していきたいというふうに考えています。そして、この県庁舎の位置について、何の意味があるんだろうと言いながら、アンケートするのも大変失礼なんですけれども、しかしやはり、先日開催した第3回の県庁舎の再整備専門家会議で、位置について、専門家の御意見を聞き始めたところであります。その一方で、県庁舎の位置については、専門家の意見だけではなくて、県民だったり、事業者だったり、団体であったり、多くの方々に様々な影響を及ぼし得るので、幅広く御意見をお伺いすることが重要と認識しています。そこでまずは県民に対して、現在地の建て替えが良いのか、移転が良いのか。また再整備を行う場合には、何が皆さんにとって重要ですか、というふうにお伺いする、こういったアンケートを行うことといたしました。このアンケート結果や今後設置を検討している新たな会議体での御意見を参考にして、最終的に位置については決めたいと思いますので、是非県民の皆様におかれては、将来何十年にもわたって、使われるものであろうと考えますので、是非積極的に御意見がある場合には、アンケートにお答えいただきたいと思いますので、県のホームページまでアクセスをお願いいたします。
テレ玉
一昨日の日曜日に行われました鳩山町長選挙についてお伺いします。新人の小川知也さん28歳が現職を破り初当選を果たされました。全国で最年少の町長が誕生したということになりますが、知事の所感と、今後期待すること等あれば教えてください。
知事
選挙の結果は、先ほどの都知事選と一緒で、こちらも鳩山町民の意思の表れであります。町民のおそらく大きな期待を担われたんだというふうに思います。当選された小川さんにはお祝いを申し上げたいというふうに思います。全国最年少の町長と聞いていますけれども、多分年齢が若いからというだけではなくて、有権者と丁寧に対話を重ねられたというふうにも聞いており、そこが支持につながり、当選につながったのではないかというふうに思っています。鳩山町につきましては、県内でも、実は平均年齢が最も高い地域の一つでもあります。そういった中で、やはり最年少の町長が誕生したというのは、町民の期待というのも、もしかするとあるのではないかというふうに推測をしています。他方で、町も県と同様に、二元代表制であります。今後も町民の代表である議会の皆様と丁寧に議論を積み重ねながら、住民本位の是非、町政を実現していただきたい。そのために、若い力だけではなくてリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思っています。
毎日
秩父地域の救急輪番制のことについてなのですが、6月定例会の福祉保健委員会でも話が出ていました。知事は2年前からこの話、現場から直接訴えを聞き、要望書を受け取っていたと思います。言葉のとおり要望書に書かれている文面どおり受け取るだけではなく、ああでもないこうでもないと言われたと思いますけど、その中から真意を読み取るのが、私たち記者もですけど政治家に必要な聞く力だと思っています。秩父の医療現場は医師がいない、お医者さんがいない、最低限の地域医療は提供できなくなるというのが、根本の本当に深刻な課題だと訴えたと思います。そういった訴えに県はどう手を差し伸べたのでしょうか。
知事
秩父地域の要望について、その中から真意を読み込むのが政治家の役目である、何が真意なのか私にはよく分かりませんけれども、そこに書いてある字面を読む限りにおいては、そういった危機感が現れておりました。これがまず1つ目であります。そういった中で、輪番制については今回出てきた話でございますけどもその要望というのは、県が行っている地域奨学生について、これを公的な病院だけではなくて、私立病院にも広げて欲しいというものでありました。公的病院につきましては、様々な、輪番制だけではなくて、様々ないわゆる職種や、あるいは様々な義務を果たされ、さらには、救急医等について貢献されておられるので、公的な病院を優先させるということで、私どもといたしましては、偏在地域における様々なお医者さんを育成するために、過去4年の間にこれらの医師を増加させてまいりました。これが私たちが地域医療に対して行ってきたところであり、どうしても、そういった義務を負わない私立の病院はその次ということになろうと思っておりますので、今の段階では、具体的な検討を私立の病院に関して行っているということはございません。そして、3番目に、この地域の輪番制につきましては、公的病院を中心として、秩父の中で維持ができるよう、現在検討をいただいていると考えております。
毎日
今検討されているというのは、どちらで検討されているのか、あと、委員会では執行部は現在の秩父地域の輪番制の状況についてしっかり機能していると答弁され、問題ないとの認識なのかなと私は聞こえましたけど、この輪番参加医療機関が2つになっても大丈夫なんでしょうか。
知事
まずは検討しているところなので具体的なところ(は申し上げられないところ)でありますけれども、特段の大きな問題、現在現時点で問題が生じているという状況ではございません。
毎日
2つになっても、大丈夫なのでしょうか。
知事
将来については検討しているところでありますけれども、現在特段問題が生じている状況にはありません。
時事
旧優生保護法についてお伺いしたいのですけれども、先週の3日に、過去の強制不妊手術の規定は違憲だとして、国に賠償責任を認めた最高裁大法廷判決がありましたけれども、県の方でも、対象者の方に一時金の相談窓口を設けていらっしゃるかと思いますが、判決を受けて県の今後の方針であったりとか知事のお考えが、あれば教えてください。また、埼玉県内で行われた、旧法に基づく手術の件数について、もし件数把握していれば、教えていただきたいんですけれども、お願いいたします。
知事
最後のところは後で事実関係を調べてお答えさせていただきたいと思います。前者につきましては、今回、旧優生保護法に基づく強制的に手術を受けた方々等が原告となった裁判におきまして、憲法との関わりについて、判決が出されたということは承知しております。これは司法の判断でもございますので、私どもとして何か申し上げるところはございませんけれども、大変重い判決であるというふうに受け止めております。他方、これらの旧優生保護法の適用によって、これまで被害と言うのでしょうか、負担を負われ、あるいは被害に遭われた方もおられますので埼玉県としては、丁寧に相談業務に応じていくことを、これからも続けてまいりたいというふうに考えております。(終)
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください