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掲載日:2025年1月23日
「ぶどう狩り」
田村 智宥 / TAMURA Tomohiro
社会福祉法人みぬま福祉会 はすの実作業所
以前は織ものをされていた田村さん。
いつからか写真を使った独自の手法を編み出し、白と黒の世界を描くようになったそうだ 。
カーボン紙のように写真の裏を鉛筆で塗りつぶし 、輪郭を写し取りながら、内側を繊細に塗り込めていく。
このぶどう狩りの作品は、葡萄の葉が生い茂る様子や、木漏れ日の表現に苦戦していたそうだ。
近くで見ると、細かな濃淡で構成されており、奥へとつらなる枝葉の重なりや、地面に落ちる影に納得のいく表現を模索したことが垣間見える。
柔らかな光に満ちた画面からは、楽しげな雰囲気が伝わってくる。
端から端まで妥協することのなく描かれた画面は、田村さんの思い出を覗き込んでいるような、どこか懐かしい穏やかな雰囲気を感じる。
作品に流れる田村さんの時間に、是非とも浸って欲しい。
武蔵野美術大学 造形学部 油絵学科 4年
務臺 優夏 / MUTAI Yuka