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掲載日:2024年9月5日
「タコ」
和奈/AINA
さいたま市社会福祉事業団 障害者福祉施設みのり園
和奈さんは「作品を人にプレゼントしてしまうため、持っている作品が少ない」と言いながら、
これまでに創り上げた作品を机いっぱいに並べてくれた。
中でも、このタコの作品は見た瞬間に惹き込まれた。線の強弱、タコのポーズ、柄の配置、
全てが絶妙なバランスの上に成り立っていると感じたからだ。
作品の着想を得ると、一心不乱に描き続け、休むことなく最後まで完成させるそうだ。あまり細かい部分は気にし過ぎることなく、
頭に浮かんだイメージに忠実に描き上げていくとのこと。1つの作品を完成させるまで、およそ3時間かかるという。
タコの模様には、和奈さんが絵を描くきっかけとなったゼンタングル(点、直線、曲線などの簡単な模様を繰り返し描く技法)による
特徴的なモチーフが垣間見える。
「自分の描いた絵を周りの人にプレゼントして喜んでくれるのが嬉しい。作品を手元に残すことはあまり考えていない」と話す和奈さん。
普段から知り合いのリクエストに応えて創作を行っている。今回も私たちインタビュアー一人一人に作品をプレゼントして下さった。
和奈さんの持ち前の明るさと高いコミュニケーション能力のおかげで、インタビュアーの私達も、いつのまにか笑顔に包まれていた。
和奈さんは作品を通じて、さらに多くの人々に笑顔の輪を広げていくことだろう。
東京家政大学家政学部造形表現学科4年 安宅 紗也