埼玉県の賃金・労働時間及び雇用の動き
(平成15年毎月勤労統計調査結果年報から)
 
 
1 はじめに
 毎月勤労統計調査は、賃金・労働時間・雇用という勤労者の雇用安定と福祉の向上に密接に関係ある基本統計を作成し、産業別及び規模別にその全体像を把握し、毎月の変動を明らかにすることを目的とする調査であり、労働及び経済に関する基本統計の一つです。埼玉県内では、5人以上の常用労働者を雇用する、民営・官公営のうち約1,100事業所が調査対象となっています。
 
 
 
2 現金給与総額
(1)概況
 平成15年の常用労働者1人平均月間現金給与総額の調査産業計は306,583円となり、対前年比は0.2%減(前年は0.8%減)となっています。
 内訳をみると、定期給与は257,217円となり、対前年比は0.2%増(前年は1.6%増)となりました。定期給与を所定内給与と超過労働給与に分けてみると、所定内給与は240,472円、超過労働給与は16,745円となり、ボーナス等の特別給与は、49,336円(前年は50,094円です。)
 現金給与額を全国平均341,898円と比べると、埼玉県は35,315円下回っています。
     
 
 
 平成12年の現金給与総額を100
とした名目賃金指数は、対前年比0.2%減の94.9。
 また、名目賃金指数(現金給与総額)を消費者物価指数で除して算出した実質賃金指数は、対前年比増減なしの97.5となりました。
 
 
(2)産業別賃金       
 産業別に現金給与総額を前年と比べると、増加したのは主に、不動産業が23.2%増と最も高く、次いで金融・保険業が8.0%増でした。一方、減少したのは主に、卸売・小売業が4.0%減、次いで電気・水道業が0.8%減でした。
 
 
 
 
(3)男女別賃金
 一人当たりの男女別現金給与総額は調査産業計で男子405,880円、女子180,711円となり、男子を100とした場合、女子の割合は44.5で、格差は前年(46.3)より1.8ポイント拡大しました。
 これを産業別にみると男女の格差が最も大きかったのは、卸売・小売業で35.0、次は製造業の39.9、不動産業の40.2でした。一方、格差が小さかったのは、電気・水道業の56.8、サービス業の55.5、建設業の51.1でした。
 次に、定期給与をみると、調査産業計で男子337,530円、女子155,410円となり、男女の格差は46.0で、格差は前年(47.4)より1.4ポイント拡大しました。
 これを産業別にみると、男女の格差が最も大きかったのは、卸売・小売業で38.9、次は製造業の42.8、不動産業の43.4であった。一方、格差が小さかったのは、電気・水道業の57.3、サービス業の57.0、建設業の52.8でした。
 
 
 
 
 
 
3 労働時間
 平成15年の常用労働者の1人平均月間労働時間は、調査産業計で145.4時間、前年比1.2%の増加となりました。
 産業別に総実労働時間の動きをみると、増加したのは主に、運輸・通信業が175.1時間で対前年比7.4%増、建設業が184.3時間で対前年比6.0%増、減少したのは主に、電気・水道業が149.7時間で対前年比2.8%減、金融・保険業が140.9時間で対前年比2.0%減となりました。
 
 
 
4 常用雇用の動き
 平成15年における常用雇用の動きを、平成12年を100とした常用雇用指数によってみると調査産業計で101.8、前年比0.5%減となりました。
 これを産業別にみると、増加したのは、サービス業が3.7%増、卸売・小売業が1.7%増、減少したのは主に、運輸・通信業が7.4%減、電気・水道業が5.4%減となりました。
 次に、労働異動率の動きを年間累計でみると、平成15年の調査産業計の入職率は25.9%(月平均2.2%)で対前年差2.4ポイントの減少となった。また、離職率27.2(月平均2.3%)で対前年差1.3ポイントの減少となりました。